夜、部屋のベッドでひとりスマホをじっと見つめていた。
テスト前に送った『どうした?』という私のLINEに既読がついた状態で終わっている。
「萩原のおかげでめっちゃ順位上がった」と打とうとしたが、途中で消した。
「勉強教えてくれてありがとう」と打とうとしたが、それも途中で消した。
────────────。
『、、はい』
で、出た。
「、あっ、萩原」
『何?』
「あのさ、今日個票返されたんだけどさ、めっちゃ順位上がったんよ」
『そうか』
「ありがとう、萩原のおかげだわ」
萩原は少しの間を置いて、ああ、と言った。
「あとまた1位だよ萩原、さすが」
『それだけ?』
以前の冷たいようで温かい声ではなく、ただの冷たい声になっている気がした。
「、、なんであんなこと言ったの」
『別に』
「私がなんかしちゃったとか?」
『、、いや』
何かあるなら話してほしいと思った。
「学校にも来ないし」
『別に来なくたっていいだろ』
なんでそんな悲しいこと言うんだよ。
『また当てられたとき困るから来いとか言うのかよ』
「、、、それは全然悪気なく言った、ごめん」
『もう用無いだろ』
そう言われてすぐ、電話を切られてしまった。
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