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これから主人公視点で進みます。
今日は高校初の登校日。
私の進学先は、数多の有名ヒーローを排出してきた国内最高峰のヒーロー育成学校、雄英高校だ。
なぜヒーローになる訳ではない私が雄英高校に進学するかというと、校内でも校長に次ぐ権力を持つリカバリーガールが特例として私に推薦をくれたからだ。
あくまで私はリカバリーガールの生徒であり正確にはヒーロー科に在籍はしていないのだが。これからもリカバリーガールの助手として、ヒーローのサポートができるように直接教えて貰いながら個性を伸ばす。
加えて私の安全の為らしい。
私の個性を狙う敵がいつどこで現れるか分からない以上、プロヒーローが教鞭を執っている雄英にいた方が危険は少ない。
という理由からリカバリーガールの監督する入学試験を受け、見事合格した私は晴れて雄英に入学ということだ。
まあ、ヒーロー基礎学とかの実践訓練なんかは全く参加出来ないが。
クラスを確認したら教室に向かう。
今日は結構しんどい日だな。
日によって体調が良い日と悪い日があるから、ちゃんと見極めなくちゃ。
突然倒れたりでもしたら迷惑かけちゃうからね。
ゆっくり歩いて教室に向かう。
1ーAと書かれバリアフリーのためにと大きく設計されているドアの前には緑色の髪をした男の子が立っていた。
「あの受験者数から選ばれた人達…。」
そう呟いている。
緊張しているのだろうか。
とりあえず声をかけてみよう。
「ねえ、入らないの?」
肩を叩いてそう聞くと、バッと振り返った。
目が合うと顔を真っ赤にしてわたわたしだした。
「あっ、えっと、ごめん!
邪魔だったよね、その、ごめん!今どくから!」
そんなに慌てることか?
「ううん、大丈夫だよ。
それにもう教室入るんでしょ?早く入ろう。」緑色の髪の男の子は、そうだよね、ごめん!と言いながらドアに向き直ると恐る恐るといっか感じでドアを開けた。
すると、
「机に足をかけるな!
雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないのか!?」
「思わねーよ、てめーどこ中だよ端役が!」
そんな騒がしい声が聞こえてきた。
緑色の髪の男の子はそんな2人の様子に、ズーンとなっている。
「ボ…俺は私立聡明中学出身、飯田天哉だ。」「聡明〜〜!?くそエリートじゃねえか。ブッ殺し甲斐がありそうだな。」
「君ひどいな。本当にヒーロー志望か!?」
飯田君は、ブッコロシガイ!?とつぶやくと、こちらに気づいた様で、スス…と近ずいてきた。「俺は私立聡明中学の……「聞いてたよ!あ…っと僕緑谷。
よろしく飯田君…。」」
緑色の髪の男の子は緑谷君っていうのか。
やっと名前が聞けたな。
「私もいい?私は九重梓。
よろしくね飯田君、緑谷君!」
ああ、と飯田君、こちらこそ、と緑谷君。
良かったと思い笑ったら、何故か2人とも固まってしまった。
首を傾げていると復活した飯田君が緑谷君に問いかけた。
「緑谷君……君は、あの実技試験の構造に気付いていたのだな。
俺は気づけなかった…!!
君を見誤っていたよ!!
悔しいが君の方が上手だったようだ。」
飯田君はギリっと音がしそうな程悔しがっている。
すると誰かが小さくなにか呟いたような気がした。
なんだろうと思って教室を見渡しても、みんながこちらを見ていて分からない。
「あ!そのモサモサ頭は!!地味目の!!」
背景にふわふわと光が舞っている様に見える可愛らしい女の子が入ってきた。
「プレゼント・マイクの言ってた通り受かったんだね!!
そりゃそうだ!!
パンチ凄かったもん!!」
女の子は粉砕!!粉砕!!と言いながら腕をぶんぶん振り回している。
「いや!
あのっ…!
本っ当あなたの直談判のおかげで…僕は…その…」
「へ?なんで知ってんの?」
なんだか話に余りついていけない…。
「今日って式とかガイダンスだけかな?
先生ってどんな人だろうね、緊張するよね。」緑谷君また顔真っ赤になってるな。
近い…って言ってるし、距離詰められるの苦手なのかな?
「お友達ごっこしいなら他所へ行け。
ここは…ヒーロー科だぞ。」
そう言っていたのは、廊下に寝袋で寝っ転がりながらゼリーをヂュッ!!っと飲んでいる消太君、ここでは相澤先生になるのか。
一瞬にして教室がシーン…と静まり返った。「ハイ静かになるまで8秒かかりました。
時間は有限、君たちは合理性に欠くね。」
緑谷君が、てことは…この人もプロヒーロー…?って呟いてる。
確かにあんまりヒーローらしくはないけど緑谷君、少し失礼だよ。
私が心の中でツッコミを入れている間にもササッと自己紹介が進む。
「担任の相澤消太だ、よろしくね。」
相澤先生は寝袋から完全に出ると、ゴソゴソ何かを探し出す。
「早速だが、体育服着てグラウンドに出ろ。」