テラーノベル
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💙「仁ちゃん、俺がおるやん」
その言葉が妙に耳に残った。
俺がおるやん。
まるで。
ずっと前からそこにいたみたいに。
💛「……何しに来たの」
💙「追いかけてきた」
💛「なんで」
💙「心配やったから」
簡単に言うな。
俺がどんな気持ちでいるか。
お前は知らないだろ。
💛「放っといて」
💙「嫌や」
即答だった。
💛「太智」
💙「ん?」
💛「今の見てただろ」
太智の表情が少し曇る。
💙「……見た」
💛「なら分かるだろ」
💛「俺、失恋したんだよ」
言葉にした瞬間。
胸が痛んだ。
💛「好きだったんだ」
💛「柔太朗のこと」
💛「本気で」
笑おうとした。
でもうまく笑えない。
💛「だから今」
💛「誰にも優しくできる気がしない」
すると。
太智は少しだけ俯いた。
💙「なら」
💙「優しくせんでええよ」
💛「は?」
💙「俺には」
💙「無理して優しくせんでええ」
その声は震えていた。
💙「俺さ」
💙「ずっと仁ちゃん見てたから」
嫌な予感がした。
💙「柔太朗見とる時の顔も」
💙「苦しそうな顔も」
💙「全部知っとる」
やめろ。
それ以上言うな。
💙「好きやから」
心臓が跳ねた。
💙「俺」
💙「仁ちゃんが好き」
沈黙。
風だけが吹く。
太智は笑っていた。
泣きそうな顔で。
💙「ごめんな」
💙「今言うつもりなかったんやけど」
💙「今日終わったら言おうと思ってた」
俺は何も言えなかった。
だって。
気付いてしまったから。
失恋したばかりなのに。
目の前からいなくならないのは。
柔太朗じゃなくて。
太智だった。
💙 太智side
終わった。
完全に終わった。
仁ちゃん固まっとる。
これは振られるやつ。
絶対振られる。
💙「あはは」
💙「忘れてええから」
そう言って帰ろうとした。
その時だった。
ぐいっ。
腕を掴まれた。
💙「え」
振り返る。
仁ちゃんがいた。
💛「帰るな」
💙「……へ?」
💛「今帰られたら困る」
心臓が止まりそうになる。
💙「なんで」
仁ちゃんは困ったように笑った。
💛「俺」
💛「今すごく弱ってるから」
💙「うん」
💛「だから」
一歩近付く。
💛「もう少しだけ隣にいて」
その瞬間。
涙が出そうになった。
だって。
初めてだったから。
仁ちゃんが。
俺を必要としてくれたの。
💙「うん」
精一杯笑う。
💙「いくらでもおる」
その返事を聞いて。
仁ちゃんは少しだけ安心したように笑った。
その笑顔が。
今日一番嬉しかった。
そしてその頃。
体育祭後の教室では
🩷「柔太朗」
🤍「ん?」
🩷「手」
🤍「え?」
🩷「恋人なんだから」
🤍「ばっ、ばか!」
付き合いたての二人が、
手を繋ぐだけで大騒ぎしていたのであった。
コメント
2件
ああ、もう……胸がぎゅっとなりました。太智くんの「好きやから」って告白、震える声が聞こえてきそうで。それでいて「忘れてええから」って笑うところが切なくてたまらなかったです。でも仁くんが「帰るな」って腕を掴んだ瞬間、私も一緒に息を止めてしまいました。失恋したばかりなのに、隣にいてほしいと思える人がいる——その気づきの描き方が本当に繊細で、好きです。最後の柔太朗たちの甘いシーンも、対比が効いててニヤけました🌷
コーヒーが飲めません🥛
2,028
#ご本人様には一切関係ありません
m!ki
12,448
#ご本人様とは一切関係ありません
ぬま子
1,395