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深夜

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深夜

1 - 第1話

♥

9

2025年07月13日

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4年前──まだ“地雷”を知らなかった夜


深夜0時を少し回った頃。

コムドット事務所のリビングにいたのは💚ゆうた、💜ひゅうが、💙ゆうま、🧡あむぎり、そして○○の5人だけ。


○○「やばい、死ぬほど歯痛い」


💜「だいじょぶかー?w」


💚「歯医者行ったら?」


○○「いかなくていーや、どーせ治るって〜」


🧡「甘く見すぎじゃね?w」


💙「(……ん?今ってやまといないよな?)」


💙「(……ってことは、これはセーフのやつ?)」


──そのとき、玄関の鍵がカチャリと回った。


❤️「たっだいま〜!」


○○「あ!やまと!ねえねえ聞いて〜!歯死ぬほど痛いw」


その瞬間。


空気が止まった。


❤️「……」


表情から笑顔がスゥー…っと消えていくやまと。

目の奥がじわじわと冷たくなっていくのが見えた。


💚「(あ、○○……終わったね)」


この日を境に、○○はやまとだけには絶対に歯のことを言わないと、心に決めた。





そして現在──4年後の“夜の隠し事”


ある夜。


○○「あれ?やまとはー?」


💜「なんかコンビニ行ったっぽい」


○○「……まじ?」


○○「ちょっと薬局行ってくるわ」


💚「こんな遅い時間に?何買うの?明日でもいいじゃん」


○○「ちょっと急用があってー」


💚「あー…(察)行ってらっしゃい」


玄関が閉まると、すぐにひゅうがとゆうたの目が合う。


💚「やまとの居場所確認して、」


💜「深夜に薬局行って、」


💚「理由を伏せる… 」

‪💚💜‪「絶対虫歯じゃーんw」

💜「やまとと鉢合わせないといいね〜w」


💚「○○心配になってきたわ…」






信号待ち──”最悪”の鉢合わせ


鼻歌交じりに帰宅中のやまと。


❤️「ふんふふーん♪(なんだかんだこの深夜散歩好きなんよな)」


チラッと横断歩道を見る。


❤️「……?」


暗がりの中、パーカーのフードを被り、小走りに歩く人影。


❤️「(ん?○○……?)」


そのまま信号を渡って入ったのは――薬局。


❤️「(……ほう)」


❤️「(痛み止め買いに来たわけか)」


❤️「(よし、面白くなってきた)」


スタスタと足早に、裏道から事務所へ帰るやまと。

その顔には、明らかに**“何かを企んでいる顔”**が浮かんでいた。





事務所にて──静かなる”尋問”開始


❤️「ただいま〜」


💙「おかえり〜。あ、○○は夜ご飯買いに行ったよ」


💚「お腹すいたらしいよ」


❤️「……(ふーん、そっちもグルってわけね)」


数分後。


がちゃっ。


○○「ただいま〜!あ、やまと帰ってたんだね〜!」


❤️「おかえりー!ねえねえ、何買ったの?見せて?」


💚「(○○、…がんばれ…)」


○○「え?なんで見せなきゃいけないの?」


❤️「何買ったのかな〜って」


○○「見せなくていいじゃん」


❤️「お願い♡(にっこり)」


○○「……あー、わかったよ」


💜「(ついに折れたか)」


○○「ゼリーとー…アクエリと…グミ!」


❤️「へぇ〜」


❤️「おかしいな、ゆうたとゆうまからは“夜ご飯買いに行った”って聞いたんだけど?」


💚💙「(○○、ごめんって…)」


💙💚💜🧡はそろって編集に集中するフリを決め込む。


❤️「まだなんか入ってない?」


○○「え、気のせいだよ?」


❤️「袋の中身ぜ〜んぶ見せて?」


ばさっ


❤️「……」


❤️「へぇ〜、最近はブァファリンなんだ?」


❤️「4年前はイブだったよね?」


○○「(……終わった)」


💜「(やまと、爆発寸前……)」


❤️「で、それ。どこの痛みを抑えるために買ったの?」


○○「最近頭痛ひどくて…」


❤️「…………」


❤️「言い訳も、4年前と変わんないねw」


⚡やまとの視線が鋭くなり、沈黙が流れ込む。


💚「○○!あ、明日あげる動画のことで確認したいことがあっt」


❤️「ゆうた、黙れ」


💚「(あ、これはマジのやつだ)」



やまとは○○の前に立ったまま、腕を組んで見下ろしてくる。


約30cmの身長差。

威圧的じゃないのに、無言の“圧”が怖い。


すると、やまとはすっとしゃがんだ。

○○の目線に合わせた。


❤️「痛い?痛くて喋れないなら、一旦飲みな。」


💜「(あー…方向おかしくなったw)」


○○「(我慢できるけど…飲も)」


ごくごく。


💚「(この状況で痛み止め飲める○○…ある意味すごい)」


❤️「ねぇ、○○。俺さ、別に怒りたいわけじゃないの」


❤️「けどさ、“歯”って、命に関わることもあるんだよ?」


❤️「神経や骨にまでいったらもう、手遅れなこともあるんだよ?」


○○「……」


❤️「なのに、それを隠して、黙って、勝手に薬でごまかして…」


❤️「俺、お兄ちゃんで、しかも歯科医だよ?」


❤️「○○のこと、守れるのは、俺しかいないって思ってる」


沈黙。


そのまま、やまとは立ち上がりながら、静かに背中を向けた。


❤️「明日歯医者ね。拒否権は無し」


部屋のドアが「パタン」と閉じるまで、誰も何も言えなかった。

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