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4年前──まだ“地雷”を知らなかった夜
深夜0時を少し回った頃。
コムドット事務所のリビングにいたのは💚ゆうた、💜ひゅうが、💙ゆうま、🧡あむぎり、そして○○の5人だけ。
○○「やばい、死ぬほど歯痛い」
💜「だいじょぶかー?w」
💚「歯医者行ったら?」
○○「いかなくていーや、どーせ治るって〜」
🧡「甘く見すぎじゃね?w」
💙「(……ん?今ってやまといないよな?)」
💙「(……ってことは、これはセーフのやつ?)」
──そのとき、玄関の鍵がカチャリと回った。
❤️「たっだいま〜!」
○○「あ!やまと!ねえねえ聞いて〜!歯死ぬほど痛いw」
その瞬間。
空気が止まった。
❤️「……」
表情から笑顔がスゥー…っと消えていくやまと。
目の奥がじわじわと冷たくなっていくのが見えた。
💚「(あ、○○……終わったね)」
この日を境に、○○はやまとだけには絶対に歯のことを言わないと、心に決めた。
そして現在──4年後の“夜の隠し事”
ある夜。
○○「あれ?やまとはー?」
💜「なんかコンビニ行ったっぽい」
○○「……まじ?」
○○「ちょっと薬局行ってくるわ」
💚「こんな遅い時間に?何買うの?明日でもいいじゃん」
○○「ちょっと急用があってー」
💚「あー…(察)行ってらっしゃい」
玄関が閉まると、すぐにひゅうがとゆうたの目が合う。
💚「やまとの居場所確認して、」
💜「深夜に薬局行って、」
💚「理由を伏せる… 」
💚💜「絶対虫歯じゃーんw」
💜「やまとと鉢合わせないといいね〜w」
💚「○○心配になってきたわ…」
信号待ち──”最悪”の鉢合わせ
鼻歌交じりに帰宅中のやまと。
❤️「ふんふふーん♪(なんだかんだこの深夜散歩好きなんよな)」
チラッと横断歩道を見る。
❤️「……?」
暗がりの中、パーカーのフードを被り、小走りに歩く人影。
❤️「(ん?○○……?)」
そのまま信号を渡って入ったのは――薬局。
❤️「(……ほう)」
❤️「(痛み止め買いに来たわけか)」
❤️「(よし、面白くなってきた)」
スタスタと足早に、裏道から事務所へ帰るやまと。
その顔には、明らかに**“何かを企んでいる顔”**が浮かんでいた。
事務所にて──静かなる”尋問”開始
❤️「ただいま〜」
💙「おかえり〜。あ、○○は夜ご飯買いに行ったよ」
💚「お腹すいたらしいよ」
❤️「……(ふーん、そっちもグルってわけね)」
数分後。
がちゃっ。
○○「ただいま〜!あ、やまと帰ってたんだね〜!」
❤️「おかえりー!ねえねえ、何買ったの?見せて?」
💚「(○○、…がんばれ…)」
○○「え?なんで見せなきゃいけないの?」
❤️「何買ったのかな〜って」
○○「見せなくていいじゃん」
❤️「お願い♡(にっこり)」
○○「……あー、わかったよ」
💜「(ついに折れたか)」
○○「ゼリーとー…アクエリと…グミ!」
❤️「へぇ〜」
❤️「おかしいな、ゆうたとゆうまからは“夜ご飯買いに行った”って聞いたんだけど?」
💚💙「(○○、ごめんって…)」
💙💚💜🧡はそろって編集に集中するフリを決め込む。
❤️「まだなんか入ってない?」
○○「え、気のせいだよ?」
❤️「袋の中身ぜ〜んぶ見せて?」
ばさっ
❤️「……」
❤️「へぇ〜、最近はブァファリンなんだ?」
❤️「4年前はイブだったよね?」
○○「(……終わった)」
💜「(やまと、爆発寸前……)」
❤️「で、それ。どこの痛みを抑えるために買ったの?」
○○「最近頭痛ひどくて…」
❤️「…………」
❤️「言い訳も、4年前と変わんないねw」
⚡やまとの視線が鋭くなり、沈黙が流れ込む。
💚「○○!あ、明日あげる動画のことで確認したいことがあっt」
❤️「ゆうた、黙れ」
💚「(あ、これはマジのやつだ)」
やまとは○○の前に立ったまま、腕を組んで見下ろしてくる。
約30cmの身長差。
威圧的じゃないのに、無言の“圧”が怖い。
すると、やまとはすっとしゃがんだ。
○○の目線に合わせた。
❤️「痛い?痛くて喋れないなら、一旦飲みな。」
💜「(あー…方向おかしくなったw)」
○○「(我慢できるけど…飲も)」
ごくごく。
💚「(この状況で痛み止め飲める○○…ある意味すごい)」
❤️「ねぇ、○○。俺さ、別に怒りたいわけじゃないの」
❤️「けどさ、“歯”って、命に関わることもあるんだよ?」
❤️「神経や骨にまでいったらもう、手遅れなこともあるんだよ?」
○○「……」
❤️「なのに、それを隠して、黙って、勝手に薬でごまかして…」
❤️「俺、お兄ちゃんで、しかも歯科医だよ?」
❤️「○○のこと、守れるのは、俺しかいないって思ってる」
沈黙。
そのまま、やまとは立ち上がりながら、静かに背中を向けた。
❤️「明日歯医者ね。拒否権は無し」
部屋のドアが「パタン」と閉じるまで、誰も何も言えなかった。