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ガラガラガラッ…(ドアを開ける)
美桜「あ、優斗くん授業お疲れ様なのでs」
優斗「美桜!」
美桜「…ど、どうしたのです?」
優斗「その…理由があって…」
優斗「悪霊について教えてくれないか…?」
優斗「頼れるのお前しかいなくて!」
美桜「……優斗くん…」
美桜「やっぱそういうのに興味が?!」
優斗「違ぇ!!」
颯「こんちゃー……って何してんの?」
美桜「あ!颯くん!実は優斗くんが悪霊に興味あるって!」
優斗「勘違いだ……ッ てか離せよ…」
美桜「あ、ごめんなのです」
颯「急にどうしたんだよ」
優斗「いや……えっと」
優斗「昨日、悪霊見たんだ」
美桜「……え?」
颯「冗談だろ……?」
優斗「本当だ!」
美桜「じゃあなんで颯くんは生きてるのですかッ…!!」
優斗「それは俺にも分からない…ッ」
優斗「なぁ……どうしたらいいんだよ俺」
颯「ちょっと待って、本とか探してみる」
ペラペラペラッ……
颯「あった、「悪霊に纏い付かれた時」」
美桜「読んでみるのです…」
美桜「えっと、悪霊纏い付かれた際、ほぼ高確率で死に至ります」
美桜「死んだものはその悪霊の生命力となりやがて魂も残らぬ者になり、全てを支配されます」
颯「やべぇな……」
美桜「だがしかし、生きている者となったら別です」
美桜「悪霊に纏い付かれ、生きているという例は日本で6人ほど発見されています」
美桜「その人達のことを『悪霊者』と呼びます」
優斗「……」
美桜「悪霊者達は選ばれし人間として纏い付いた悪霊を操り使命を果たします」
美桜「その使命とは、生命力を吸いに吸った悪霊を祓うことです」
美桜「皆の安全を守り、悪霊を祓い生きていく、それが悪霊者の役目です」
美桜「最悪の場合、死に至ることも有りますが、仕方ないことです」
美桜「……って書いてあったのです」
優斗「つまり……?」
美桜「優斗くんは選ばれし人間なのです!!」
颯「お前凄いな……」
優斗「喜んでいいのやら」
颯「でも死ぬリスクって……」
優斗「まぁ……うん。」
美桜「……優斗くんなら大丈夫なのです」
美桜「私達が保証するのです!!」
優斗「美桜……」
颯「あぁ、俺らの優斗だからなw」
優斗「親かよw」
颯「ははっ、wとりあえず今日はもう解散しよう、下校時間だw」
美桜「わかったのでs……」
ピラッ……(紙が落ちる)
美桜「ん?」
美桜「なんなのです?この紙……」
優斗「悪霊に纏い付かれたらここに来い…住所が書いてあるな」
颯「……あ、ここ有名な神社じゃん」
美桜「神社?」
颯「ネット記事にも乗るほど有名らしいぞ〜……ほら」
優斗「…確かに、てかこれなんて読むの?」
美桜「白翼神(はくよくじん)って読むのです」
優斗「お前漢字読めるのな」
美桜「失礼なのです!」
颯「まぁ……行ってみたら?」
優斗「えぇ…胡散臭そう……」
颯「何か有力な手がかりがあるかもだろ?」
美桜「行かないに損は無いのです!」
優斗「……じゃあ、行ってみるよ…」
優斗「なんかあったらお前らのせいだからな」
颯「へいへいw」
優斗「白翼神…ここだな」
優斗「階段なげ〜…足死にそ……」
優斗「登るしか……ないよな」
優斗「くぅぅぅッ…足痛え〜ッ……」
優斗「何とか着いたからいいものの足負傷するレベルってどういう階段だよ……」
優斗「はぁ……てか人居るかここ?」
優斗「すみませーん……」
優斗「いますか〜?」
優斗「……いないのかn」
???「おぉお客さんですかな?」
優斗「うっひょいッ?!」
優斗「だ、誰…ッ」
???「失礼しました、私はここの祓い人をやっている柏(かせ)というんじゃ」
柏「どうぞ、よろしく」
優斗「ゆ、優斗です……」
柏「それで、どのようなご要件で?」
優斗「あぁ……あの…」
優斗「悪霊に…纏い付かれたんですけど…」
柏「……中に入りなさい」
優斗「え?あ……はい」
柏「なるほど……その本を見てここに来たとな」
優斗「正直分かることも少なくて…」
柏「誰だって同じだ、仕方ない」
柏「私も昔は悪霊者だったんだ」
優斗「……昔は?」
柏「あぁ、解放されたいと言う言霊が…もしかしたらその悪霊を祓ってしまったのかもだけどね」
優斗「…俺、これからどうすればいいんですか…」
優斗「もし…妹に、友達に……危害を加えてしまったら…ッ」
柏「大丈夫、でも君がその大切な人たちを守るためにしないといけない事はわかってるね?」
優斗「……悪霊を祓う…でしたっけ」
柏「そうだ」
柏「君には私の昔使っていた祓い道具をあげよう、もう古くてジジくさいがね」
優斗「いいんですか?」
柏「ここで出会ったのも何かの縁だ、使ってくれたまえ」
柏「…これだ」
優斗「……紙の指輪?」
柏「ただの紙じゃない、この中には霊酢といって、何年も放置した酢に魂の欠片を包み砂状にした物が入っている」
柏「これを人差し指の第2関節につけると悪霊に命令を出せる」
柏「適当な言葉でいい、投げかけるだけで君を守ってくれるからね」
優斗「……ありがとうございます」
優斗「俺、頑張ります」
柏「あぁ、頑張ってくれ」
柏「……実はね、私には娘が居るんだ」
優斗「娘さん……ですか?」
柏「君と同い年くらいの、とっても強い悪霊者」
柏「でもね……ここ数日間、帰ってきていないんだ」
優斗「…え、?」
優斗「それって事件とかじゃ……!」
柏「娘は悪霊を祓うために家を数日間空ける事はよくあるんだ」
柏「でも…心配でね」
柏「たった1人の娘が居なくなったら、私の生きる意味はないからね…」
柏「とんだ親バカだろう?」
優斗「……いえ」
優斗「とても素敵だと思います」
優斗「娘さんを愛しているという気持ちが心から伝わってきます」
優斗「娘さんが無事な事を、俺も祈っています」
柏「……ありがとう」
柏「気をつけて帰るんだよ、何かあったらまたここにおいで」
優斗「はい、ありがとうございました」
柏「……早く帰っておいでね…」
柏『鈴音。』
#2『有力な手がかり』