バレンタイン
今日はバレンタインというチョコを渡すイベントらしい。
テレビで見ると好きな人に渡したりいつも感謝している人に渡したりするだとか。
俺には一生ご縁のないものだと思っていたが、ついにこんな日が来るとは…。
絵名「彰人は冬弥くんにバレンタインあげないの?」
彰人「え~…、俺なんかがあげても喜ばないよ、」
絵名「喜ぶに決まってるじゃん。前のクッキーも泣いて喜んでくれたんでしょ?」
彰人「そうだけど…」
絵名「ほら!インターネットで調べたら沢山出てくるから!時間あるなら作ってみたら?」
彰人「んー、まぁ考えとく…」
なんて会話をしたのは少し前。
だからって材料も揃えてしまったしラッピングまでご丁寧に買い揃えてしまって。
俺やる気満々じゃねぇか…引かれないかな。
そんなこと思いながら重い体を起こしてキッチンへ向かった。
今回作るのは生チョコという柔らかい?チョコと型に入れて作る簡単なチョコに軽くカラースプレーなどで飾るだけのチョコ。
生チョコは難しいらしいから気合いを入れなければ。
あいにく今日は冬弥くんが家にいるみたいなのでサプライズが難しい気がしたから今日はリビングに来ないでと伝えてある。
上手くいくといいな、
まずはチョコを細かく切って…
力無さすぎてチョコが切れない…。
俺の腕力こんなに無かったっけ…。
もう既に泣きそう、クッキーの時は上手くいったのに。
もう手を汚していいかと手で何とか板チョコを粉々にして湯煎で溶かしてみる。
何とかここまで頑張れた。
生クリームを入れて混ぜて…ん?この前にレンジに入れなきゃ行けなかったのか?!
もう失敗だ…もうやりたくねぇ、どうせこのあとも失敗してなんかやらかして皿も割って…こうなる前にもう諦めようかな、チョコなんてあげなくてももういいかな、
いや、まだやって見る価値はある。
生チョコはもうダメだけど型に流して作るだけなら作れそうな気がする。
やってみるだけやってみるか。
はぁ、なんでなにも上手くいかないんだろ。
やっと型に流せて成功したと思ったのに冷蔵庫に入れる前に手が滑って落として全てダメになってしまった。
俺はダメなんだ、何をやるにも全て成功しない。
ラッピングも…用意したのにな、…泣
あれ、なんでだろう、涙が止まらない。
元々期待なんてされてないのは知ってるし俺が何をしたって上手くいかないのは知ってるのに。
もう、嫌だ。もう作らない。
片付けるだけ片付けてもう今日は寝てしまおう。きっとそっちの方が楽だから、もう苦しまなくていいから。
失敗したチョコや型は全てゴミ箱に捨てて皿やゴムベラは食洗機にぶち込んで寝室へ行く。
☕「彰人くん、おかえり。もうリビング入ってもいいのか?」
🥞「好きにしたら…」
☕「…目が腫れている、泣いたのか?」
🥞「どうせ俺なんて頑張ったってなんにもならない、もういい。」
☕「彰人くん…」
☕「(何があったのかは分からないけどチョコの甘い香りがしたからきっと…)」
リビングに向かってキッチンを見ると食洗機にボウルとゴムベラ、皿など料理をするための道具が入っている。
ゴミ箱からチョコの匂いがして見てみると失敗してしまったのか型と一緒にチョコが捨てられていた。
きっと、頑張って作っていたのに失敗してしまったのだろう。
今日は2/14、バレンタインデーだ。
リビングに入らないで欲しいって目を輝かせて言ってきた時と違って今は寝込んでしまった。
ならば俺が渡せばいい。
だが手作りはきっと無理だ。俺はお菓子作りというものをしたことが無い。
しょうがないがもう売っているものになってしまうが。
上着と帽子をかぶって寝室に行く。
☕「彰人くん、少し出かける。」
🥞「…好きにして、」
☕「またすぐ帰ってくるから待っていてくれ。」
🥞「…」
とても、落ち込んでしまっている。
なんだかこちらまで悲しくなってきてしまった。
彰人くんが喜んでくれるようなチョコを渡さなければ。
家からすぐ近くの駅に行くとチョコが沢山並んでいる。
だが今日はバレンタインで人も沢山並んでいて買えるかどうかも分からない。何が置いてあるかも分からない、何か彰人くんの好きそうな…
“甘くてほろ苦い♡愛のチョコレート♡”
何故か目に入ったポスター。
甘くてほろ苦い、少し矛盾しているがとても美味しそうなチョコが載っている。
…ここの3階か、行ってみよう。
階段を上って3階に行くと先程よりは人がおらず先程のポスターの店を探す。
すごくお上品なレンガで壁が敷き詰められている豪華な店の横を見ると先程のポスターが貼られている、この店かと急いで店の中に入った。
店員「いらっしゃいませ。」
☕「あの、ポスターにあったチョコってまだありますか?」
店員「ありますよ。少々お待ちください。」
店員「こちらですね、3400円です。」
☕「カードで。」
店員「ありがとうございました、またのご来店をお待ちしております。」
チョコにしては少し高くないかと思いつつ急いで家に帰った。
☕「ただいま」
🥞「…泣」
☕「彰人くん、話を聞かせてくれないか?なんだって聞く。吐き出してくれ。」
🥞「クッキーの時は上手くいったのにッ…泣」
🥞「おれはやっぱりダメダメなんだッ…何やっても上手くいかないし誰も俺の事なんて期待してないしッ…泣」
🥞「冬弥くんと絵名にバレンタインチョコ渡したかったッ…ラッピングも買ったのにッッ……泣」
🥞「バレンタインは好きな人とか感謝する人に渡すものなのっ…泣」
☕「うん。」
🥞「いつもありがとうって頑張って作って渡したかったのに結局俺は全部だめにしちゃうしッ……泣」
☕「彰人くんの努力は絶対ダメにはならない。彰人くんが頑張ってくれたおかげで俺は今、今日が大切な日って知った。」
🥞「…え、?」
☕「ハッピーバレンタイン。」
🥞「…へ、なにこれ、」
☕「俺は彰人くんみたいに器用じゃないからお菓子作りは出来ないから買ってきたものになってしまうが彰人くんにピッタリだと思って買ってきた。」
🥞「俺に、?…いいの、?」
☕「あぁ、食べてみてくれ。」
🥞「…いただきます、」
🥞「!」
☕「美味しいか?」
🥞「美味しい、!外パリパリで中がトロトロ!」
🥞「外側が苦いけど中に甘いチョコが入ってる!」
☕「甘くてほろ苦い、愛のチョコレートという物だ。だから甘くてほろ苦い、という名前なんだな。」
🥞「ありがとうッ…泣」
☕「あ、彰人くん?!」
🥞「嬉しいっ…泣」
☕「な、泣かないでくれ…そんなに嬉しいのか、?」
🥞「嬉しいに決まってる!泣」
🥞「じゃあホワイトデー、楽しみにしてて。絶対お返しする。」
☕「ふふ、わかった。楽しみにしてる。」
🥞「絶対このチョコより美味しいの作る!」
☕「きっと彰人くんなら作れると思うぞ。」
🥞「冬弥くん、本当にありがとう!」
☕「あぁ。」
END
番外編のバレンタイン編作ってみたした!
13,14がテストで中々ストーリー書けなくて申し訳ないです😿
英語数学多分20以下です大ピンチ!
社会自信あります!!
てことで、塾行かされる可能性大あり😡私ブチ切れですよ😡
まぁでもテスト中も冬彰考えてて(?)
なかなか集中出来なかったですね。
リクエストこの後描きたいな‼️
アイドルの君シリーズじゃなくてもリクエスト受け付けてるので是非!
TikTok、インスタ、Twitter(X)にずっと浮上してるので是非繋がりましょう!
感想のコメントまってます🎀
おつたに!
コメント
4件
最高です✨️