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瑠衣
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ねぇ、今日の学校はどうだったの?
楽しそうに夕飯の支度をしながら、母が私に話しかける。
大きな問題もなく普通だったよ
そう、思いながら、私は母が作る夕飯を楽しみに待つ。
今日は帰ってくる時に匂いでわかった。
カレーハンバーグだ。
香ばしく焼き上げられた肉汁たっぶりのハンバーグにキーマカレーのようなどろどろのソースをかけて食べる。
母が作ってくれる料理のなかで私の好物の1つ。
母は私の話を聞きながら、夕飯を盛り付けている。
そろそろご飯、でも、ご飯の時にまでこの話題は長引かせたくないな…
そう思っていた私の願いも空しく、案の定ご飯の時にも学校の話しは続いた。
…そんなことを思い出していたからか、私の表情は無意識に曇っていたらしい
親友のあの子が私の顔を心配そうに覗き込んでいた。
この子は口数が多いわけではないが、そっと私のそばにいて、そっと私を見守ってくれる優しい子。
『あの男子、あなたに気があるんじゃない?』
そんな風に誰かの視線に気がつけるようなアンテナの高い女性。
チラッとその男の子の方を見たけれど、目が合うような感じはなく、寧ろ目を反らされた気さえする。
たぶん、あの男子が見てたのは私じゃなくて、親友のあのこなんだろう。と私は思った。
きっと、母が望むのはこう言う恋愛というイマドキの話題を女の子なんだろう…
口が裂けても母にはいえない。
『私は恋愛感情がわからない』
母を満足させられない存在なんだということを。
ふわふわ、くるくるしている髪の毛だって、私は普通であるためのカムフラージュ。
私は親友のあの子のように、そこにいるだけで凛としていられるような雰囲気ではないから。
恋愛なんてしなくても、私は私で楽しいのに
少なくとも私を取り巻くこの狭い世の中はそれを許してくれる感じではないようだ。
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