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1 - 窓

2022年04月20日

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熱い。顔が特に熱い。しかも本当に熱がある。今日は大学の部活の体験会があった。浮かないよう、目立たないように物静かなガキを演じてみた。案の定、また一人ぼっちになってしまった。なぜか中学校を卒業したと同時に周りとの波長を合わすことができなくなった。周りを伺い、笑う時は笑う。スマホを見ているときはスマホを見る。とにかく理由がよくわからない。なぜ話すのが億劫なのか、一人なのか。別に一人が嫌いな訳ではない。でも、これからこんな生活が続くのかと思うと心底心配になる。試しに心の窓を思い切り開けるとあっという間に僕だけが浮かれてしまう。逆に今度は思い切り心の窓を閉じてみる。そしたら一人ぼっちになってしまう。なぜ皆んなは楽しそうに人と話せるのか。大学もまだ始まって一週間しか経ってないのに僕以外の皆んなはほぼ何かしらのグループに属している。周りがとにかく輝いて見える。まるでダイヤの原石みたいに。個性がある。特技がある。輝かしい経歴がある。僕にはそれが何もない。唯一誇れることは、歴代の総理大臣を全て言えること。虫歯を今まで一回もしたことがないことだ。本当にゴミクズ同然の自慢である。本当に虚しくなる。本当にこの先の人生が不安になる。一日後の自分、一週間後の自分、一ヶ月後の自分、一年後の自分、10年後の自分が全く想像できない。大学はしっかり卒業できたのか。彼女はできたのか。童貞は卒業したのか。とにかく何もわからない。こんなくそつまんない人生だが、せっかく持って生まれたこの世を楽しんでやろうという気持ちはない訳でもない。歩いてもいい。電車に乗ってもいい。飛行機に乗ってもいい。とにかく前に進む生活がこれから続いていく。

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