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wt様の腐向け。
brknのお話。
まだ営業時間には遠い午前中。
店内にはバニー姿ではない三人の男性。
「ほんとごめん!」
「いや、大丈夫……」
「寝るならまだしも暴れたくなっちゃうんだよぉ…」
「今度何か奢るわ」
「だから大丈夫だってば!」
「断る理由ある?」
「いや奢られたくないわけじゃないけど……」
無表情だった彼は顔を赤らめるけどすぐにそっぽを向く。
片目を隠した彼はそれを見てニヤつく。
「なんと!スマイルくんにも好きな方がいるようです!」
「浮気したくないんだよ♡」
「んなっ!?//お前デタラメ言ってんじゃねぇよ!
「そもそも俺とアイツは……」
「きんとき分かる?あの眼鏡かけてる和服の人」
二日酔いの影響で働かない頭を回転させ記憶を探る。
確かになかむの言った通りの人がいたような。
「あの人のどこがいいの〜?」
「きりやんああ見えて踏み込んだ話しないし、俺が聞くべき立場なのに逆に悩みも聞いてくれるし……」
「って!今の忘れろ!!」
簡単に人の情報を漏らしてしまう。
めちゃくちゃ口車に乗せられやすいな。
「お前らいいなぁ、俺もそんなラブストーリーみたいな展開したいよ」
「なかむだってあのつり目の人と仲いいだろ」
「あれは論外、価値観が合わないね。」
「それはお前のストライクゾーンが狭すぎんだよ」
「生涯を遂げる人はちゃんと病める日も健やかなる日も仲睦まじくないとやっていけないでしょ」
「まあ気持ちは分からなくはない」
「分かってんじゃん!もうズッ友だわコレ」
「スマイルも見習えよ」
「いやいやいや……」
また呆れたような表情を浮かべる。
なかむはそんなスマイルをよそに準備をしに来た女性キャストの案内に向かう。
「えーと……君はテーブル拭き、君は名刺配りに、残りはこっちで厨房作業!」
「俺らもそろそろ行くか」
「んね、スマイルもきりやん?って人と頑張ってね」
「っ〜!!//」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
昼の作業も終わり本格的に営業が始まる。
「○○さん指名でーす」
「○○ー、ちょっと代わってもらえるー?」
店内には様々なキャストのやり取りで溢れる。
「きんときー?今空いてる?」
厨房で料理を作っているとなかむが顔を出す。
「空いてるけどどうした?」
「今日もあの人来てるよ?」
「ほんと!?」
「マジマジ、いるならきんときがいいって……」
「行ってくるー!」
なかむの横を通り過ぎ扉を勢いよく開く。
全体を見通し彼を探す。
茶髪で大きい人物はこの店に少ないタイプなため見つけやすい。
すぐに彼の正面に立つ。
「お待たせしました、きんときです。」
「どうも〜、また来ちゃった」
「ありがとうございます、今日は何飲みます?」
「前と同じで。」
「何か食べたいのある?」
「え、良いんですか?」
「もちろん、好きなの選んで」
「……じゃあこれで」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「もっと高いのでも良かったんだよ?」
「これも大好物なんです」
目の前にはそこそこ大きいパフェと二つのグラス。
パフェの中身はチョコレートやクリームだらけで見てるだけでも胃もたれしそう。
「そんな甘いもの大丈夫?」
「甘党なんで全然平気ですよ、なんなら俺よりも甘党なヤツもいます」
「これで普通平気なの凄いよ……」
「あははっ、確かにそうですね」
「……思ったけど僕がタメで話してるのにそっち敬語なのちょっと罪悪感あるから敬語外して話してもいいよ」
「……!そうだね、これからそうするよ」
「やった、きんさんともっと話しやすくなった」
「きんさん?」
「そー!きんときでずっと呼び捨てなのもアレだしニックネームみたいな感じ!」
「きんさん……きんさん……」
「?どうしたの?」
「いや、嬉しくて……//」
「あー、仲良し的な?」
さぞ嬉しそうに顔に笑みを浮かべる。
客と従業員の関係とはいえ親密になったのは事実。
他にも恋愛感情とは別だけどきんさんに可愛いとか抱き締めたいとか思ったりするし。
絶対に恋愛感情ではないけど。
「そういえばずっと名前を聞き忘れてたんだけど名前は?」
「僕はぶるーく、そっちも好きなように呼んでね」
「おっけー」
「ぶ、ぶるーく、今日は何話す?」
「んー……あ、何で男性のキャストもいるの?」
「強制的に働かされてるとかないよね……?」
「そんな黒い理由ないよw」
「良かったー……」
「単に一時的に働いてるだけ」
「……一時的?」
「そ、一時的。」
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