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Ⅲ 幸福
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kn
nk「俺、キャンセルしてきた。中学。」
kn「え…、
っ、はッ…?なん、で……」
nk「だって俺、1人だし
たった1人でお前らと別のとこいくなんて
寂しいし!!」
…だから、辞めてきた。」
「そのほうがknもいいだろ?w」
kn「…ッでも…、」
nk「っ、w、いいの。」
「俺のことなんて気にしないでいいから、…」
最初は彼の言っている
意味がわからなかった
キャンセル?辞めた?
大丈夫?…それって、…
俺は知っていた
他の奴と違う所に行こうとした理由を
それは彼自身が、
nkが決めた訳じゃないってことを
決して自分の意思ではないのに、
勉強させられて、離れ離れにさせられて。
そんなの悲しいから、
nkは俺を誘ったし、俺もそれに乗った。
だけど、だめだったみたい
ああ、きっと彼はうんと痛かっただろうな
想像しただけで心が傷んで
いちばん辛いのは彼なのに
ごめん
俺のせいで
______
nk、お前は昔から大人びていた。
出会った時から。あの頃から。
まだ中学生にもなっていないお前の顔は、
痣だらけで、クマがあって。
とても同い年とは思えなかった。
あの笑顔は、
今にも消えてしまいそうだった笑顔は
愛想とかではなくて
自分に嘘をついていただけだったんだな
彼と過ごしていくうち、
そんなことがなんとなく解った
だから、それを知ってるから、
俺らはずっと一緒にいた
______
nk「なぁkn、白尾神社祭りって知ってる?」
「_そう、俺の住んでたとこの祭りで_」
「いうてそこまで遠くないし、
一緒に行こ!!」
中学一年の夏。
私立校を振り切った彼は今、
更にひきつった笑顔を浮かべて、
少しばかりの青春を送る。
そんな中、白尾神社祭りというものに
誘われた。
““白尾神社””
そこには九尾の狐ならぬ、
六尾の狐が祀られているらしい。
その六尾の色は様々で、
それぞれの意味が込められているという。
空色は創造、
紅色は好奇心、
翠色は純情、
紺色は調和、
藤色は個性、
金色は希望。
その6つが合わさった時、
白、つまり幸福が訪れるという。
俺は楽しみだった。
お祭りではなんの屋台を楽しもう、
何があるだろう、
お土産はどうしよう、と。
そんな妄想が膨らんだ。
彼と一緒に行ける喜びを
噛み締めた
2020年7月9日。
二人で、幸福を呼びに行こう。
コメント
5件
六尾の発想素敵〜✨
nkさんもknさんも辛いだろうなぁ… でも誰も悪くないのがより辛さを連想させます…ノベルでの表現がうますぎます…👏