「神様」
日本古来の自然や偉大な存在への信仰(神道)における超越的な存在また、 人々に恵みをもたらし、時には祟るとされる存在。
俺達は、疲れてたんだ。俺達がそれぞれ抱えるモノは重くて、辛くてそんなモノから逃げたくて今日も廃れた神社に向かった。
所々塗装が禿げて、苔や蔦がまとわり付き、屋根の一部がないその神社は、ある噂があった。
“一部が欠けているモノを誘き寄せる”
物でも、人間でも、良い物でも、悪い物でも、なんでも。
そんな神社に近づきたがる、物好きはそうそういない。だから、抱えてるモノから逃げたい俺達には、ぴったりの場所だった。
湊「疲れたな」
長く辛い階段を登り、神社の境内についた時。
湊が、汗を拭いながら独り言の様に呟く。
波瑠「そうだねぇ」
波瑠はそんな湊の呟きにゆったり答える。
共感をしながらも、汗をかいていない波瑠は湊にタオルを渡す。
各々岩などに腰をかけ、階段の下より近い空を眺め、無言の時を過ごす。
宵「何かするか」
10分くらいたった頃。
宵がそんな事を言い出した。
楽「いいな、気晴らしになる」
優「はいはーい!おれトランプやりたい!」
湊「いいな〜」
波瑠「皆んな、お菓子も食べる〜?」
宵「食べたい」
楽「俺も〜」
いつも5人でこの神社に来てはこんなバカ騒ぎをして、お菓子を食べて苦しい現実から目を逸らす。
そうでもしないと、”壊れてしまうから”。
全員、ここだけが自分を押し殺さなくても良い場所で、安全で、優先してもらえて、否定されない場所だから、壊さない様必死だったんだ。
多分、一生こんな生活が続くと思ってた。
でも、変わったんだ。
⁇「こんにちは」
透き通る様な声、宙に浮いてる体、丁寧にされているだろう長い髪、そして古い狐のお面。
宵「だ、れだ」
途中、息を吸い込みながらも宵が問う。
⁇「なんだろ、?君達で言う”神様”って所かな笑」
終わり
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!創作ですか! めっちゃ気になる物語です! 続き楽しみに待ってます✨️