テラーノベル
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作ったおかゆを味がしないと言いながらも食べ半分くらいまで減った。
和馬「どう?まだ食べれそう?」
心「うーん、分かんない」
和馬「一応おかゆここにおいとくからお腹空いたらラインして。また温めるからさ」
和馬「あ、あと体温測ったら教えてね」
心「……ありがとう、和馬くん」
今日ずっと名前で呼ばれていることにやっと触れる気になった。多分色々と落ち着いたからだ。
和馬「あのさ、今日ずっと気になってたんだけどなんで名前呼びなの?」
そう聞かれた心さんは目を丸くしてキョトンとした。すると突然顔を赤くして布団にくるまった。
心「ごめん、ほんっっとごめん」
心「なんか違和感はあったんだよ?でもいっかって思って…」
別にどっちだっていいし、なんなら名前呼びがいいなんて言えずに部屋を出た。
和馬(ヘタレすぎるだろ…)
階段を降りてリビングに行くとどう見ても風呂上がりな亜美菜さんがいた。
亜美菜「お、戻ってきた」
亜美菜「なんか遅かったから先に風呂入ったぞ」
和馬「おー…ん、分かった」
亜美菜「そんな反応するな、こっちまで照れるだろ」
和馬「ごめん」
亜美菜「まあいいけどさ」
和馬「…あ、亜美菜さんは夕ご飯どうする?」
亜美菜「あー、考えてなかったな」
亜美菜「買いに行くか?」
和馬「そうだな」
和馬「…亜美菜さんは風呂上がりに外出とか気にしないんだ?」
亜美菜「いつも止められるけどな」
和馬「親に?」
亜美菜「ううん、使用人」
和馬(そうだった。こう見えてお嬢様だった)
近くのコンビニで買った物を食べて、少し恥ずかしさと抵抗を抱えながらも心さん家の風呂を借りて少しのんびりしていると心さんからラインがきた。
和馬「37度5分…か」
和馬「心さんからも泊まってくれる?ってラインがきてる」
亜美菜「私は元々明日もいるつもりだったけど、和馬はどうする?」
和馬「今日は泊まるよ。ただ明日以降はまだ決めてないな」
亜美菜「明日のことは明日決めようぜ。とりあえず私は寝る」
そう言った直後亜美菜さんは『あっ!』と言ってこちらに振り返り…
亜美菜「布団1人用しかないんだった」
和馬「マジかよ…」
その後亜美菜さんにいろいろと抗議したが全て綺麗に返されてしまい、今亜美菜さんと同じベッドにいる。心さん家に泊まると決めてからハプニングにも似たイベントが多い。
ベッドについた最初は動悸で寝るどころじゃなかったが、少しこの状況に慣れると睡魔が襲ってきていつのまにか眠りについていた。
♧
側から見ても心と和馬は仲が良かったし、それにみんな気付いていて気を遣っているところもあった。中には気に入らない奴もいたが直接は手を出す奴はいなかった。実際私もいつかこの2人はくっつくだろうと思っていた。
それなのに—
亜美菜(寝れね〜。まさかこうなるとはなー)
亜美菜(和馬まだ起きてるかな)
不安を抱えながらも少し震えた声で名前を呼んだ。
亜美菜「和馬、起きてるか?」
返事がないから和馬の方を向くと和馬は寝ていた。心の中で寝てんのかよとキレのいいツッコミを入れた。
亜美菜(まあ今日料理とか全部やってくれたし、疲れたよな)
和馬の寝顔を見ながら今日の出来事を振り返る。頭の中の記憶は今日の出来事を鮮明に甦らせ、ワンシーンずつに映る和馬の姿に私は切なくも惹かれてしまった。私は心が和馬のこと好きなことも、和馬が心のこと好きなことも知っている。それなのに今はどうしようもなく和馬のことが好きで好きでたまらない…
叶わない恋なんて漫画やドラマの中だけだと思っていたが、現実でもあって、それは思っていた以上の苦しさだった。
亜美菜(ああ、くそ…寝顔までかっこいいのやめろよ…こっちが寝れねえ)
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