バッシャーン、と響く教室。クラスメイト、というかクラスが一緒になっただけの他人がこちら側を見る。
メガネをかけ直し見上げると、そこにはいるまがいた。いや、悪魔の間違いかもしれない。
「……無様(笑)」
何がだろう。姑息な手段を使っているあなたの方が、余程無様ではなかろうか。そう言いたい。漫画でも見て、憧れたのではないか。
なんの反応も示さない奈津を見て、いるまはよく思わなかったのか、舌打ちをして教室から出て行ってしまった。
大人しめの女子の数名が心配そうに見るけれど、その必要は無かった。
「えっ……。」
そんな声を上げる女子がいた。
「……あーあ……バレちゃったか。」
どうやら、気づいてしまった人もいるようだ。
この学校は少し前に建てられた西館、教室がある南館、あまり使われていない東館の3つの校舎がある。
薄汚れた床やついていない蛍光灯。東館は物置や書庫、手前側には生徒指導室、事務室等がある。一言で言うと、生徒が普通に過ごしていたら使うことの無い物が集まったという感じだ。
奈津が今いるのは東館である。
誰もいないから、気を張ることもないので、よく使っている。生徒の中で1番利用しているだろう。
東館の奥側にあるトイレは、さらに不気味である。そんな所で、鏡を見る。
「……バレたかな。」
人より整った顔。
それを自覚したのは小学生の頃である。人から好意を伝えられるのが日常だったからだ。
あまりいいものと捉えていなかったが、他の人は羨ましいらしい。なので、嫉妬されることもあった。嫉妬が行き過ぎて、虐められることもあった。
それを防ぐためにこんな格好をしたのに、結果は変わらなかったのは残念だ。
それより___
舌打ちして出ていった、あの細い背中。抱いてみたら、どんな感じだろう?
あの悪い顔も、変化はするのだろうか?
「…どうだろ。」
どうして、頭から離れないのだろう?
コメント
2件
ぐへへ...(キモ 続きが楽しみすぎます...✨ 最後の🍍くんの言葉が...もう...天才ですよね... 続きも楽しみです!!