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最近、のあは気づき始めていた。
うりが時々、少しだけ遠くにいるような感じがすることに。
目の前にいるのに、
どこか届かない。
そんな感じ。
ある日の放課後。
空はオレンジ色に染まっていた。
いつもの帰り道。
でも、その日は少し違った。
「うり。」
のあが急に立ち止まった。
「ん?」
「聞いてもいい?」
うりの胸がざわついた。
「……なに?」
のあは少し迷ってから言った。
「うりって、何か隠してる?」
風が吹いた。
沈黙が流れる。
うりは笑おうとした。
でも、うまく笑えなかった。
「別に、何も…」
そう言いかけた時だった。
のあが言った。
「うり、最近ちょっと透明っぽいよ。」
うりの心臓が強く跳ねた。
やっぱり気づかれている。
実は――
うりは普通の人間じゃなかった。
うりは、
幽霊だった。
でも、自分でも理由がわからない。
なぜここにいるのか。
なぜ、のあだけが自分を見えるのか。
そして最近、
体が少しずつ薄くなってきている。
消えてしまう前兆。
それを知っているのは、うりだけだった。
「……ねえ、うり。」
のあの声が震えていた。
「どこか行かないよね?」
その言葉は、まっすぐだった。
うりの胸が締めつけられる。
言えない。
本当のことなんて言えない。
でも――
うりは思った。
(ずっと一緒にいたい。)
初めてだった。
こんな気持ち。
「行かないよ。」
うりは言った。
でもそれは、
少しだけ嘘だった。
なぜなら――
うりの手が、
その瞬間少しだけ透けたから。
のあは気づいてしまった。
目が大きくなった。
「……うり。」
沈黙。
そして。
のあは泣きそうな顔で言った。
「消えないで。」
その一言が、
うりの心を壊しそうになった。
夕焼けの中で、
二人は立ち尽くしていた。
そしてこの日から、
のあは決める。
うりのことを、全部知ると。
たとえ――
どんな秘密があっても。