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次の日の朝。
教室の窓から入る光はいつもと同じだった。
でも、のあの気持ちは昨日とは全然違っていた。
(うりは……普通じゃない。)
昨日見た光景が、頭から離れない。
うりの手が透けた瞬間。
あれは見間違いじゃなかった。
昼休み。
のあはうりを校舎の裏に呼んだ。
風が静かに吹いている。
少しだけ緊張した空気。
「うり。」
「どうしたの?」
うりはいつものように笑った。
でも、その笑顔はどこか弱かった。
のあはまっすぐ聞いた。
「昨日のこと、本当のこと教えて。」
うりの表情が止まった。
しばらく沈黙が続いた。
遠くで部活の声が聞こえる。
でも、ここだけ時間が止まっているみたいだった。
「……もし、言ったら。」
うりが小さく言った。
「のあ、怖がる?」
のあはすぐ首を振った。
「怖がらない。」
少し間をおいて言った。
「だって、うりだから。」
その言葉に、うりの胸が揺れた。
逃げられない。
もう隠せない。
うりはゆっくり話し始めた。
「俺さ……たぶん、幽霊なんだ。」
静かな空気。
のあは驚かなかった。
ただ、うりを見ていた。
「やっぱり。」
「え?」
「なんとなく思ってた。」
うりの目が少し見開かれた。
のあは続けた。
「でもね。」
一歩近づいた。
「それでも、うりはうりだよ。」
その言葉に、うりの目が少し潤んだ。
でも――
まだ言ってないことがある。
一番大事なこと。
うりは少し下を向いた。
「俺……最近、消えかけてる。」
風が止まったように感じた。
のあの表情が変わった。
「どういうこと?」
うりの声は小さかった。
「多分、長くここにいられない。」
その瞬間だった。
のあが強く言った。
「ダメ。」
うりは驚いた。
「絶対ダメ。」
のあの目に涙がたまっていた。
「やっと会えたのに。」
うりの心が揺れた。
「うりが消えるなんて、嫌。」
その言葉は、本気だった。
そしてこの時、
のあの中で一つの決意が生まれた。
(絶対に消さない。)
理由があるはず。
うりがここにいる理由。
そして――
消えない方法もきっとある。
のあはうりの手をつかもうとした。
少しだけ、すり抜けた。
でも。
ほんの少しだけ、触れた。
その瞬間、うりの体が少し光った。
二人は同時に気づいた。
「今……」
「触れたよね。」
もしかしたら。
まだ――
希望はあるのかもしれない。
でも、この恋には
まだ誰も知らない真実が隠されていた。
それは、
のあに関係することだった。