テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ドササッ
研究室で物音が聞こえた。博士は顔を上げると、目の前にはミツキ達が
「おや、おかえりなさいクロネ。それと天満達も」
『たっだいま〜☆博士〜!!』
と、クロン、いや、クロネは博士が使っていたパソコンへと移った。
「あー、戻ってこれたァ・・・」
カネンいや、カネリははぁと疲れたようにため息を付く。
「でも楽しかったぁ!ねぇ!トキ」
「そうだね。銀子」
「あー、イチャイチャは外でやって」
疲れたカネリは2人のいつものじゃれ合いにツッコミを入れなかった。
ちなみに、銀子とトキは付き合ってません。
「私たちが飛ばされて何日ですか?博士」
と、風音が聞くと、博士は時計に目を向けた。
「そうですねぇ、精々4時間程度ですね」
「「「4時間!?」」」
飛ばされた先では2週間だったのに、こっちでは4時間程度しか経っていなかった。
博士は首を傾げた。
「よく分かりませんが、私が発明して使う暇もありませんでしたね。これはボツですね」
と、博士は持っていたビー玉を電磁砲で破壊した。
「・・・さ、そろそろ帰りなさい。もう夕飯の時間でしょ?」
外を見ると、空は橙に染まっていた。時計を見ると、5時を示していた。
「うわぁ、ほんとだ。じゃ、博士またあしたー」
「「「また明日〜」」」
「はいはい、また明日」
と、博士はヒラヒラと天満達を見送った。そして、ふと、机の上にある写真立てに目がいった。
写真立てには、かつての恩師であり、先生だったあの人と、同じ仲間たちが写っていた。それを見て、博士は微笑んだ。博士の後ろの棚には白い仮面が置かれていた。
✵✵✵✵✵
仲間と別れ、蓬莱と天満は帰路へと帰る。
そして、家のドアを開けた。
「こら!!」
ふと、そう怒るような声が聞こえ、2人は苦笑しながら顔を見合せた。
「だめでしょ!?まだ腕本調子じゃないんだから!」
「大丈夫だよ、ちょっと重いもの持っただけだよ」
「ダメなものはだーめっ!もう!また生徒さんに怒られるよ!」
と、話し声が聞こえた。
「ただいま。父さん、母さん」
「ただいまー」
そう返すと、2人は振り返った。
──白い髪は肩まで切ってあり、優しげな瞳の女性。
「おかえりなさい。2人とも、早速だけど2人とも聞いて!?お父さんがね!また利き腕で重いもの持とうとしたのよ!」
「・・・お父さん・・・」
じとっと言うように蓬莱はジト目でお父さんを見た。
お父さんは苦笑しながら目を泳がせた。
──銀色の髪に、一部だけ水色。そして、そして、瞳は空のような快晴。
利き腕は赤く火傷のような痣が広がっていた。
「まぁまぁ母さん、妹よ。あまりお父さんを責めないであげて?」
「あ、天満・・・!」
「ご飯食べ終わった後に説教すればいいじゃん」
「天満!?」
あっさりと売られたお父さんは思わず驚いた。
それをお母さんと蓬莱と、お父さんと天満は笑った。
「・・・ねぇ、お父さん、お父さんのお母さんたちの話してよ!」
「えー?今から?」
「私も聞きたい」
「蓬莱も?」
すると、お母さんはくすりと笑う。
「・・・いいね、私もその時のこと聞きたいな?“すまないさん”」
そう彼女は微笑むと、お父さん、いや、“すまない”は少し恥ずかしそうに微笑み、そして、こたえた。
「・・・わかったよ。君にも聞いてほしいな“エウリ”」
2人は見つめ合い、そして微笑む。
「・・・そうだね。それじゃあ・・・」
壁には様々な写真が飾られていた。すまない先生と生徒が映る写真、2人の結婚式の写真、そして、“双子”が生まれた時の写真が壁に飾られていた。
・─────・END・─────・