テラーノベル
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音楽番組収録後、主演者同士で話をしているとりょうちゃんが前から親交があるアイドルグループの1人に引っ張られていくのが目に入る。
セットの端でコソコソ近い距離で話をする彼らは出来ないなんだかめちゃくちゃ親密そうに見えた。
「ね、涼架くん。久しぶりに···どう?俺の家で」
「亮平くん、忙しいんじゃないの?···今日は遅いし···」
「明日そんなに早くないから。涼架くんと久しぶりにゆっくりしたいし、ね?」
さり気なく、細く長い指がりょうちゃんな頬を撫でていく。
背の高い彼の優しい笑顔の奥でその瞳は真っすぐにりょうちゃんを見つめて離さない。
ただの仲がいい間柄の会話かもしれない、でも若井との情事を見てから俺がりょうちゃんを見る目は少し変わっていた。
もちろんいい大人なのはわかっているけど、彼から恋人の話を聞いたことはなかったし性的な匂いがない人だと思っていた。皆と仲良く出来るけどどこか一線引かれてて越えられない部分があって、それはそのせいだとも思っていた。
···でも、あの夜、隣で微かに漏らした声はびっくりするほどいやらしい声だった。時々聞こえる言葉も、匂いも、音も···まさか、あのりょうちゃんから出ているものだとは信じられなくて、けど同時に魅力的だった。
アイドルの彼と目線を交わすりょうちゃんの周りには確かにあの夜の空気を纏っている。
りょうちゃんの後ろから近づき長袖からチラリと見えた細い手首を掴むとびっくりした顔で2人が俺を見た。
「すみません、次がありまして。今日はありがとうございました、共演出来て嬉しかったです」
にっこりと笑って、けどりょうちゃんを掴む手には力を込める。
「···こちらこそ、ありがとうございました。じゃあ、涼架くん。いつでも連絡してね···待ってるよ」
「うん···ありがとう、ございました」
若井はまだ他の出演者と話をしている··· 声もかけずにひと足早く控室に戻る。
「元貴···?ねぇ···ねぇってば!手、離して···痛いよ···」
それでも振り払わないところに優しさを感じる。
その優しさを若井だけじゃ足りずに他の人にも向けてるの?
「···若井だけじゃなくて、あいつも?他にもいるの?凄いね、気づかなかった」
「な、何言ってるの?どういう意味?別に亮平くんとは友達で···どうしてそこで若井が出てくるの?」
目線が泳ぐ。
わかりやすく動揺しているりょうちゃんの手を引いて触れそうなくらい顔を近づける。
「なにが友達、だよ。そういう関係なんでしょ?いやらしい、大人な関係?若井が知ったらどうなるかな···きっとめちゃくちゃ傷つくだろうね。自分以外にも好きな人が抱かれてるなんこと。あいつの前でも若井としたみたいに気持ちいいって声上げてるの?俺の隣で抱かれるのは興奮した?」
すらすらとりょうちゃんを傷つける言葉が溢れていく。
でも俺も傷ついた。若井と付き合ってるなんて、俺はショックだったよ。
しかもあんな風に抱かれて、あげく浮気なんて。
誰でもいいのかよ。
じゃあ···俺は?
きき
35
勝手に女神のように綺麗なものとして崇めてたのは俺だ。
まだ若井だけを好きだと、一途だと言うなら納得出来たのにてモヤモヤと、した黒いきもちに首を絞められたように苦しくて堪らない。
「···ご、ごめ···ごめんなさい、あの時···起きて···?なんで···そんな風に、言う···」
がくっ、と膝から崩れ落ちたりょうちゃんは床にぺたん、と座り込んだ。
「···なんで、って···」
そんなの。
決まってるでしょ。
傷つけても、若井に裏切り者と言われても手に入れたいくらい。
君が、好きなんだよ。
コメント
5件
切ない、、、❤️さん、、、

好きすぎる…
もうヤバい、5話でここまで刺さるとは思わなかった…! りょうちゃんを崇めてた主人公が、あの夜の現場を見てから見方が変わっちゃって、嫉妬と独占欲が混ざった黒い感情をぶつけるシーン、めっちゃリアルで苦しかった。「誰でもいいのかよ」って台詞に全部詰まってるよね…最後の「好きなんだよ」で一気に救われたような、さらに深みにハマったような複雑な気持ちになったわ。続きが気になるー!