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感情媒体
あの日もこんな天気だった
決していいとはいえない曇り空。
貴方が消えそうで怖くてこわくて
少し触れただけで折れそうな
君の手を握ったそのひ
君が、溶けた、そのひ
知らなかった知らなかったよ
どうして教えてくれないの
足りない
たりない
理解が追い付く前に
死にたかった
晴れの日が好き
君の笑顔が輝くから
雨の日が好き
滲んだ涙を消せるから
それなら曇りのそらは?…
人間って脆いの、儚いの
すぐに折れちゃう木の枝みたい
養分がないと死んじゃうの
凍てつく冬の寒さに震えて
凍えて凍えて虚しいよ
あったかいのがいないから
もう日常には戻れない
あの日僕はなにかを無くして
感情かな?
君に対する感情、もう哀しいしか
わかんない
きっとあの日、感情を
何か、ナニカと交換したから
感情を媒体にして、
手に入れたのはチケット
使う?遣うの?
チケットで、その切符で、
もっと、もっと遠いところへ
北極よりも南極よりも
もっともっと遠いところ、
さあ、切符は手にいれた?
これはおらふくんとおんりーの話。
曇った空の下、おらふくんは、
なくなってしまった。
おらふくんは雪のような子だから、
溶けた、のかもしれない。
余命だった。重い病気でね。
あの時からおんりーは、
おかしくなった。笑わなくなった。
チケットは、薬。
薬で死ねることは、俺が教えた。
俺のせいだ。
おらふくんはどうにもならない。
持病、俺たちが会う前からの。
せめて、せめておんりーは。
おらふくんの願いだった。
あの2人、可愛かったなあ。
おんりーに、薬の情報を、与えない。
これが唯一の選択肢。
さあ、直そう。