夢を見た。
手を引かれて進んでく夢
何の変哲もない夢
だからこそ怖い夢
歩く度に音がする砂を踏んで
自分の意志に反して足が進む
寂しくないけど不安なの
ちっちゃい頃に習わなかった?
い、か、の、お、す、し
毎日、毎日同じ夢
ちょっとずつ進んでいく
怖くなって
迷惑かも知れないけれど
貴方の隣で眠る夜
毎日、毎日うなされて
きみに迷惑かけちゃうな
それでもきみは明るくて、
お泊まり会だねって笑って、
不安を表に出さないの
大好きが大嫌いに変わるのは
何かきっかけがあったから
もう視たくない夢
怖いよりも虚しい夢
ある日ね、また夢を見たの
手を引かれて海のお散歩
お散歩って言えるほど
優しいものではないけどさ。
冷たい海底を進んで
海溝が見えて怖くなって
手を離しちゃったの
哀しそうな背中
もう手を握ってくれないんだ
走って行っちゃう
行っちゃダメって言いたいのに
なぜか声がでないの
仕方なく暗くて寒いその道を
貴方を追っかけて進んでく
心の奥へ
意識の深淵へ
でも何故だろう
貴方は確かに通った所
何故か僕だけ通れないの
拒否されてるの?
目覚めた時
横には君がいた
「…つめたい」
ゴーレムってさ、
村の守護神なんだよね
敵から大切な人を護る
不屈の守護神。
僕もゴーレムなのにさ。
ねぇ、夢の呪いって怖いよね
都市伝説でさ、
自分の見た夢を人に伝えたら
その人が夢の続きを見て、
夢の中で死んで。
現実世界でも死んじゃうの
でも、思い出して、
い、か、の、お、す、し
ついて行かなければ済んだ話
これも、
おらふくんと
おんりーちゃんのお話。
まず、読者諸君、
こんな話は聞いた事ある?
ある男の子が夢を見た。
穴に向かって行く夢だった。
怖くなって母親に話した。
次の日母親がその夢を見た。
母親が友達に話した。
友達が夢を見た。
夢の中の景色は段々と、
穴に迫って来ていた。
医者に相談したら、
その夜医者は不自然な死を遂げた。
これがあの夢の呪い。
怖いよね。
それと同じようなものを、
おんりーちゃんは
どこかで拾って来たようだ。
おらふくんは何とか
おんりーちゃんを助けようとした。
自分が犠牲になってまで。
おんりーちゃんから夢を聞いた
おらふくんは、誰にもそれを
話すこと無く、
不可解な死を遂げた。
意識の深淵、
あれはいわゆる
三途の川みたいなもんだ。
死んでしまう人しか通れないから
だから拒絶していた。
おんりーちゃんをね。
いかのおすし。
最初から、聞かなければ良かった。
関わらなければよかった。
だからおんりーちゃん達を
今、助けるためには、
俺が犠牲になればいい。
なぁに、どうせ小説。
何回でも生き返れるんだから。
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