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まふゆ「早速だけど…どうする?」
まふゆの苦々しい表情を見て、司も顎に手を当てる。
司「大人に協力を仰ぐのが手っ取り早いが…明確な虐待では無いしな…」
その言葉に、奏は僅かに拳を握った。
奏「こんなに…苦しんでるのに」
まふゆが、握られた奏の拳を、解すようにそっと開いた。何も言わなかった。
まふゆ「1つ、提案があるの。…一か八かだけど。」
おずおずと、まふゆが言った。その様子は、目は、震えは、成功するのは本当に賭けであることを明らかに、物語っていた。失敗すれば類の救済が完全にできなくなってしまうことを、司と奏は、嫌でも察してしまった。
思わず首の後ろをさすったのは、誰だっただろうか。自分なのか、自分以外の誰かなのか、もう分からなかった。
司「聞こう。何でもいい、今は何かが欲しい。」
怒りも、焦燥も、今は要らない。ただ、実現可能な、希望が欲しい。
まふゆは息を吸って、吐いた。それから、震える腕を抑えつけた。
まふゆ「お父さんを、味方につけたい」
司も、奏も、同じ様に目を見開いた。確かに、大人に相談できれば、とは言った。だが、それは“第三者の大人”と言う意味であって、問題の沼に浸かっている大人と言う意味ではなかった。
話を聞けば、まふゆと類の父親は母親に加担するでも、辞めさせる訳でもない、完全に無関心・無関係を貫いているらしい。
司「…傍観は、加害だろう」
この人は加害をしないからと、助けを求め、無視される。その時の絶望は、加害と言っても差し支えない。実際に司が感じた事ではない。小学生の時の、頭の良いイジメられっ子が言っていた言葉で、司はそれを深く理解し、心に留め、今の司の発言に至った。
奏「…方法の見立てと、成功の確率は、あるの?」
誰もが、慎重に発言していた。
まふゆ「ある。勝率は、高くない。ハッキリ言うと、低いけど。…私には、これ以外の案は出てこない。」
奏「味方につけられたとして、その後は?」
まふゆ「…分からない。でも、確実に良い方へ傾くはずだから。」
司(失敗したら、母親の類への束縛が激しくなる、か…。)
次の日
司(今日、まふゆが父親を説得すると言っていたが…)
結局、まふゆの案を取ることとなり、昨日は解散となった。まあ、どうやって父親を味方に付けるか、など“説得する”しか出てこなかったが。
えむ「司くん、今日むむーって感じだけど大丈夫?」
司「むむ…?あ、ああ。大丈夫だぞ!」
えむと寧々には何も話していない。類の過去も、現在も、オレたちがどうにかしようとしている未来も。
司(とにかく、今は練習に勤しまねば…!)
まふゆが動くのは、父親が仕事から帰ってきていて、尚且つ母親が風呂で居ない夜。だからオレは、それまでワンダーランズ×ショウタイムとして練習をしていた。
寧々「一回台本読み辞めて、演出確認しよ」
司「そうだな!」
ワンダーランズ×ショウタイムには、演出家が居ない。各々が考えた演出を持ち寄って、できる範囲のものを行なっていた。
司(類なら、どう演出するだろうか…)
コメント
1件
うわあ、ここでまふゆが父親を味方につけるって提案するのか…。司の「傍観は加害」って言葉がすごく刺さる。小学生の頃のいじめられっ子の言葉をずっと覚えてる司の人間性も見えたし、類がいない舞台で「類ならどう演出するか」って考えるシーン、じんときたよ。この話、誰も正解がわからない中で一歩踏み出そうとしてる感じがたまらない。続きがすごく気になる!
#兄弟パロ
かの
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#暁山瑞希
ねる
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