テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
アメリカの大平原には、プレーリードッグたちがタウンを作って暮らしていました。その中心部のコテリーに住む、群れのリーダー、オデリア・ジェンからリーダーの座を奪った若オス、ピータの妻の一人、ジル。これはピータの妻、ジルの物語です。
ジルは立派なお母さん。群れのリーダー、ピータの子を生み育ててきました。少しずる賢いところもあるけれど、生きるためなのですぐ行動に移します。ピータには、ベルというもう一匹の妻がいます。一夫多妻制なので浮気ではありません。ジルの方が先に妻になった、先輩です。ジルは、後輩のベルをとてもかわいがっていました。
ジルとピータがどうやって出会ったかって?では、その出会いのお話をしましょう。
当時、ジルは独り立ちしたばかり。独り立ちする直前、ジルの母、エミリは、コヨーテ一家の嫡男、ランドに襲われました。母のエミリが殺される頃には、ジルの兄妹は全滅していました。真っ昼間、ギル・ジンというアナグマに襲われたのです。たまたま、外にいたエミリだけが生き延びました。タウンの端っこに巣穴を構えていたので死亡率が高かったのです。巣立ったあとも、幼いころ、兄や姉が殺されていったことと、母のエミリが殺されたことが、衝撃で忘れられませんでした。二度とこんな思いはしたくない。安全なタウンの中心部に行こう。と、決め歩き、タウンの中心までやってきました。その時はたまたま恋の季節。たくさんのオスが近づいてきますが、ジルが結婚したのは新しく群れのリーダーと君臨したピータとでした。安全な中心部に巣穴をかまえていたのでそれもあったのでしょう。
こうしてジルとピータは結ばれました。その3年後、ピータはベルを妻にします。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!