テラーノベル
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そしてメリバです。すごく短い。
小学校の頃からアイツとは一緒に居た。
未来を約束し合って、笑いあって、偶には喧嘩もして、そして泣きあって抱き合った。
「なぁ、結婚しよ?」
「·····結婚?」
初めてじゃない温もりを分け合った時、ふと牛沢がそう言った。キヨはぽかんとした顔で牛沢を見上げる。
「·····俺、結婚相手決まっちゃった。」
「ッは?」
「この歳になっても作らない俺に親が辟易しちゃってさ、」
苦笑した。キヨも嫌がっていたのだ。牛沢は目を見開いてから少し思案して、
「·····俺が、迎えに行くよ。」
額に口付けを落としてはキヨに笑いかけた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
なんて約束したのを彼は忘れただろうか。忘れただろうな。何年前の話だって言うんだ。
協会のど真ん中。白い純白のドレスに身を包んだ新婦と同じく白で揃えたスーツを着た新郎が並んでいた。
「では、誓いのキスを。」
神父がそう言った。キヨはすうっと目を細める。
( ·····うっしーの嘘つき。 )
身を屈めようとした時、バンッと大きな音が鳴った。入口の方からだ。今更なんだよ、とキヨが扉に目をやった時、ひとつの小さな影がそこにはあった。
「血がついてるわ!」
「誰かッ、!!」
口々に参列した者たちが声をあげる。その時、ステンドグラスの光がその影に差し掛かった。
「ッ、!!」
キヨは目を見開いた。血に塗れて、冷や汗を流しながらこちらを見て笑う牛沢が立っていたから。
そのまま牛沢はナイフを片手にズカズカとキヨに歩み寄って、
トスッ────。
軽い音だった。キヨはそのまま後ろに倒れていく。牛沢も乗っかるようにして倒れ込む。
「遅れてごめん、」
「·····遅刻だよ、うっしー。」
「こんな迎え方でごめん、」
「謝んないで。来てくれただけ嬉しい。」
その時に気が付いた。牛沢も新郎を思わせるような白いスーツに身を包んでいた。だからこそ血がよく見えたのだと、今になって理解した。
「うっしー、血、すごいよ。」
「お前もな、俺らはそう長くは無い。」
牛沢が眉を下げた。キヨもそっか、と息を吐くように言ったっきり黙った。今になって傷が主張を始めたから。
「キヨ」
「···なぁに?」
互いに掠れた声。無駄に息が漏れるのを塞ぐように牛沢が口を付けた。
「·····結婚しよう。」
牛沢がキヨの薬指に結婚指輪を通す。牛沢の薬指にも同じものが嵌っていた。そして再び誓いのキス。
そうして、2人の意識は抱き合ったまま暗転して行った。
︎ ︎︎︎︎︎
コメント
1件
ああ……これ、最初から覚悟して読んだつもりだったけど、胸にくるなあ。「遅れてごめん」「遅刻だよ、うっしー」ってやり取りがもう、ずっと昔から約束してきた二人だからこその軽さで、逆に重いよ。白いスーツに血が滲む演出も、駆け落ちの形がこれしかなかったんだなって納得させられる。第1話でこの濃度、続きも読まずにはいられないな……。
にょーん
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51
#gtky
ぁ
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225