私は弱い。
いつもアイツらとの戦いで負ける。
カオス 「しかしまぁ、エクスデスって本当に頭良いよなぁ」
アルテマ 「やっぱりエクスデスさんの防御力には勝てませんね…!」
どれだけ賢くても、どれだけ防御力が高くても、力が無ければ意味が無い。
いつも調査で足手纏いになってしまう。
私 「ゲホッ!うっ…」
バハムート 「エクスデス!大丈夫か!?」
私 「済まない…」
バハムート 「少し休んでいろ。後は私達が戦う」
私 「待て…私も役に立たなければ…」
バハムート 「無理をするな、これ以上はお前の身体が持たない」
バハムートはきっと私を心配して言っているのだろう。
でも、それが凄く心に来るんだ。
弱いと決めつけないでくれ。
私だって力になりたいんだ。
お前達を守りたいから、お前達の為なら戦えるから。
私には何が出来るんだ。
カオスみたいな勇気を持てない。
ゼロムスみたいに物事を見極められない。
アルテマみたいに笑顔に出来ない。
バハムートみたいに優しくなれない。
ゾディアークみたいに強くなれない。
あのお方は何故私を選んだんだ。
弱くて、情けなくて、自分の事しか考えられない。
もう、無理だ。私は六神に相応しくない。
私 「失礼します」
至高神様 「どうした?」
私 「私を、人間に戻して頂けないでしょうか?」
至高神様 「…何故だ?」
私 「私は弱い、このままではアイツらに迷惑が掛かります。だったら居ない方がマシです」
至高神様 「そうか。ならば一週間時間を与える、そしてもう一度答えを聞かせろ」
私 「…分かりました…」
一週間経っても、私の考えは変わらなかった。
弱い奴はすぐにマイナスな思考になる。
そして、足手纏いになり、他の者に迷惑が掛かる。
存在意義なんて無い。もう全てを忘れよう、アイツらとの想い出も。
ゾディアーク 「何をしている?」
私 「ゾディアーク…」
ゾディアーク 「お前、人間に戻るんだろ?」
私 「どうして…それを…」
ゾディアーク 「あのお方とお前が話しているのを偶然聞いてな、それだけだ」
私 「…たな…」
ゾディアーク 「ん?」
私 「私みたいな役立たずが居なくなって良かったな!どうせお前も、私を弱いと思ってるんだろ!?何も出来ない!存在価値なんて無い!こんな私は必要ないんだよ!」
私は思わず怒り任せに怒鳴ってしまった。
ごめん、ゾディアークはそんな風に思って聞いた訳じゃないのに…
私…馬鹿だな…
ゾディアーク 「…弱い…か…そうだな、お前は弱い、私は余裕で勝てる」
あぁ、やっぱりそうだよね。ゾディアークはずっとそう思ってたんだ。
ゾディアーク 「だが、それで存在価値を決めるなんて、お前は馬鹿か?」
私 「え?」
ゾディアーク 「存在価値を強さで決めるな。この世に生まれようとした奴は全員存在価値があるはずだ。そう言ったのはお前だろ?私が強さに狂った時、お前がそう言ったんだろ」
そう言えばそうだった。ゾディアークはバハムートへの嫉妬でおかしくなった。
大粒の雨が降る時、ゾディアークは外で鍛錬をし続けていた。
私 「ゾディアーク、このままでは風邪をひいてしまう。戻ろう」
ゾディアーク 「…」
ゾディアークの目は光を失っていて、命令を受けて動く様な存在、まるで使命かの様に鍛錬をし続けている。
私 「…悔しいのか?」
ゾディアーク 「当たり前だろ…どんなに頑張ってもアイツに勝てない!私には、力が全て
なんだ!」
私 「存在価値を強さで決めるな。この世に生まれようとした奴は全員存在価値があるはずだ」
ゾディアーク 「…私に…存在価値なんて…」
私 「あるだろ?私と笑って、私と生きるんだ。私は、今度こそお前に、希望を
届けるから」
ゾディアーク 「あはは、何だそれ」ニコッ
ゾディアーク 「忘れたとは言わせないぞ。私と笑って、私と生きるんだ。そう言ったのは
誰だ?」
私 「そんなの…」
ゾディアーク 「何だ?気を使って言ったとは言わせないぞ?」
私 「…」
ギュッ
私 「えっ…?」
ゾディアーク 「大丈夫だ、誰もお前の事を存在価値が無いなんて思わないし、私が
そうさせない。お前は私を救ってくれたんだ。だから、必ず守る」
私 「何を言っているんだ、救ったのはアルテマだ」
ゾディアーク 「お前は私の親友と似てるんだよ。馬鹿真面目で、優しくて、お節介で、
最後まで私に気を使う馬鹿な奴だよ…」
高橋 「僕も佐藤も、お母さんもお父さんも烏丸のことが大好きだからね」
ゾディアーク 「…今は何してるんだろうなぁ。佐藤と話してるのか?」フフッ
私 「…そんなに、似ているのか?」
ゾディアーク 「似すぎて怖いくらいだ」ニコッ
私 「…そうか、ゾディアーク」
ゾディアーク 「何だ?」
私 「ありがとう」
ゾディアーク 「お礼は物で返してくれ」
私 「物?例えば何だ?」
ゾディアーク 「お前の笑った顔とかな」
私 「…やっぱり狡いな、お前は」
コメント
4件
力が全てじゃないって何とも心に響きますね、、、😭😢 エクさん最後に改心出来て良かった、、、(;;)✨
エクスデス〜😭 やっぱりエクスデスとゾディさんは良い!! 感動ストーリーありがとうございます…´ω`