TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
シェアするシェアする
報告する

一匹の鳩が、目をぱちくりしながら青年の前をうろついている。青年は、何もないよシッシと手で追い返した。

彼ははたと、どきっとした。自分自身もうろついていることに気づいたからだ。面接をしても、今自分がやったようにして追い払われる。日々を泳ぐのに必死で、何かしようとは思うけど、思うだけで何も進んでない。水平線の向こうが見えない。

「バカだなんて笑わないでほしいんだけど」段に佇む青年の頬が、赤味を帯びはじめた陽に照らされている「地球って本当に、丸くて一つなのか?」

「確かに、一つだった」旅人の口調は確信に満ちていた「でも、何で?」

青年は、イスラム、キリスト、ブルーモスク、アヤソフィア、アジア、ヨーロッパとブツブツ言いながら、プラスチックのさじで紙コップの中をかき混ぜている。底の粉が湧き上がり、渦巻きの筋ができた。

「一つって割りには、みんなバラバラに見えるからさ」と青年は言った。

旅人はコーヒーを飲んでいる。

天国のアリストテレス

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

22

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚