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📖 第十六章:「来なかった理由」
翌朝。
教室はいつも通り、ざわざわしている。
でも――
○○:(……あれ)
いつも見えるはずの席に、凛がいない。
まだ来てないだけ、かもしれない。
そう思って、時計を見る。
でも、チャイムが鳴っても。
授業が始まっても。
――来ない。
○○:(……なんで)
胸がざわつく。
昨日のことが、頭に浮かぶ。
○○:「好き」
凛:「急すぎ」
○○:(……やっぱり、迷惑だったのかな)
ノートに書く手が止まる。
先 生の声も、ほとんど入ってこない。
――昼休み。
周りの笑い声が遠い。
○ ○は窓の外を見ながら、ぼんやりしていた。
○○:(……来ない)
スマホを開きかけて、やめる。
連絡先、知らない。
○○:(……当たり前だよね)
少しだけ、胸が痛くなる。
○○:(……避けられてるのかな)
そう思った瞬間、ぎゅっと苦しくなる。
――放課後。
帰 る準備をしていると、
先生:「○○、ちょっといいか」
先生に呼び止められる。
○○:「……はい」
職員室の前。
先生は、何かのプリントをまとめながら言った。
先生:「凛、今日休みなんだ」
○○:「……え」
思わず顔を上げる。
先生:「風邪だってさ。熱出てるらしい」
その言葉に、頭が一瞬真っ白になる。
○○:(……風邪)
安心と、さっきまでの不安が混ざる。
○○:「……そう、なんですか」
先生:「でな、これ」
差し出されたのは、今日の授業のプリント。
先生:「届けてやってくれないか?」
○○:「……え、私が?」
先生は少しだけ笑う。
先生:「お前ら、一緒に帰ってるだろ」
○○:「……っ」
思わず言葉に詰まる。
先生:「何回か見たぞ」
少しだけ茶化すような声。
○○は顔を少し赤くする。
○○:「……でも、なんで私に」
先生は肩をすくめる。
先生:「まあ、恋の応援ってやつだ」
○○:「……え」
先生:「こういうのは、きっかけ大事だからな」
軽く言う。
でも、その言葉が胸に残る。
○○:(……きっかけ)
先生:「無理なら他のやつに頼むけど」
少しだけ間。
○○はプリントを見る。
凛の名前。
昨日の、あの背中。
○○:「……行きます」
先生はにやっと笑った。
先生:「おう、頼んだ」
プリントを受け取る。
その紙が、少しだけ重く感じる。
――校門の外。
夕方の風が、少し冷たい。
○○は歩きながら、何度も考える。
○○:(……なんて言えばいいんだろ)
○○:「プリント届けに来た」
それだけでいいはずなのに。
それだけじゃ、足りない気がする。
○○:(……会うの、こわい)
でも、
足は止まらない。
○○:(……でも、会いたい)
小さく息を吐く。
夕焼けの中、○○は一人、凛の家へ向かって歩き出した。
コメント
1件
真っ赤な顔の凛ちゃまが脳内に…あ、尊い…
201