STEP

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「…やっぱ帰ろうかな。」

自身の背丈の何倍もある大きな鉄製の門に手をかけたところで、ピタリと動きを止めそう呟く。変わったことがしたい！と突然思い立ちこの仕事に応募したはいいが、思っていたよりも本格的なものだった。

「執事とか、俺絶対無理だって、！！」

一応形だけは、とスーツに身を包んだはいいものの、細かい作法など全くもって自信が無い。引き返すか、引き返さないか、と何度か不思議なステップを踏んでいたところで、背後からがさりと物音が聞こえた。

「、！？」

人のいないと思っていた空間に響いた音に慌てて振り向くと、そこにはメイド服を纏った女性がいた。手にはカゴの様なものを持っており、不審そうな表情を浮かべている。

「あの、…どうかしましたか？」

「あ、えっと…今日、執事？みたいなやつで応募したんすけど……」

分からない、分からなさすぎる。こんなバイトの面接みたいな感じで話すべきなのか、それとももう少しかしこまった感じで話すべきなのか。後先考えずに行動した過去の自分を責めていると、突然女性が声を上げた。

「、あ！！もしかして若井様でしょうか？」

「は、はい！俺です！」

「……っふふ、ご主人様よりお名前を伺っております。どうかご緊張なさらずに。」

少しだけ声が上擦ってしまった俺の様子に僅かに頬を緩ませた女性が優しい言葉をかけてくれた。ひとまずは不審者扱いされなくて済みそうだ。そんな安心を胸に、門を開き先を行く彼女の背中を追いかけた。

別世界線の❤️💙×💛です。

米津玄師様の「春雷」の歌詞パロとなっております。

様々な要素を含みますので、何でも行ける方のみご覧下さい✨️

完全に思いつきなので、更新は遅めです🐌🌿‬

ゆるーくお待ち頂けると嬉しいです🤤💞