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なつの手をぎゅっと握り
今まで怖くて付けれてなかった
テレビをつける。
ちょうどやっていたニュースは俺等に
当てはまるものばかりの詳細のニュースで
「なぁ、…なつ、もうすぐ警察…この家
突き止めてくるかもな、」
息をしていないなつの手を、まだ温もりがあると錯覚して握りしめていた
その指から、
ボキッ“
と――異音が響いた。
「あ……」
一瞬で冷や汗が背筋を伝う。
なつの指は、もう意思も力もなく、
ただの“物”のように折れた。
なのに、いるまはその手をそっと撫で
ながら、まるで聞こえているかのように
囁く。
「痛かったか……ごめん、なつ……ッなぁ、
これからどうしようか……」
笑ってみせるが、目元は泣いていた。
テレビの音量が上がったのか、リビングに
無遠慮なニュースキャスターの声が響く。
『廃墟の遊園地からはペアリングが
発見され、現在も行方不明のままの
2人が…』
「違うよな、なつ……」
「なぁ、ここは俺たちの家だよな?
誰にも渡さねぇよな……」
気づけば、なつの身体を抱きしめたまま、
その耳元に顔を寄せて――
「ねぇなつ、返事して。
なぁ、 俺が死んだら一緒に
来てくれるんだろろ? ……俺、今度こそ
ちゃんと、できる気がするんだ。」
無理矢理の笑顔。
だけどその奥にあるのは――
とっくに壊れた心。
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気づけば、いるまはフローリングの上で
寝落ちしていた。
汗で湿ったシャツ、粘つく空気。
腐臭は慣れてしまえばただの
部屋の一部みたいに思えてきていた。
…なつの身体は、もう、
原型をとどめていなかった。
肌は黒ずみ、浮かび上がる無数の虫――
音もしないほどに小さな命が、
静かに蠢いていた。
「……なつ……」
いるまは、腐敗した指にそっと触れた。
ぶよぶよとした感触に、昔のぬくもりを
探そうとしたが、あるはずもない。
虫が近寄れば全力で追い払っていた。
だが今は、数匹が顔の上を這っていても、
目を伏せるだけだった。
「ごめんな、なつ。俺さ、ずっと……
ここにいたかっただけなのにな。
おまえがいれば、それでよかったのにな。」
手をのばして、朽ちた頬にそっと触れる。
皮膚がぺろりと剥けた。
「……なつも、こんなんじゃ……
静かに眠れないよな……」
つぶやくその声は、半分笑って、
半分泣いていた。
もう現実を直視できる精神なんて、
とっくに残っていなかった。
「……ごめんな、成仏してやんなくて……
俺のせいで、ごめん。」
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部屋の隅で、テレビだけがまだ映像を
流している。
「近隣住民からの異臭通報があり…」
その声も、もう耳には届いていなかった。
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もうすぐ終盤かな
リクもちょっと募集とかするかも