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1.自分自身
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『久しぶり!』
突如としてその懐かしい声が聞こえてきた。
そう、俊夫である。
『まさか、お前が本当に来るなんて思わなかったわ~(笑)』
『なんで?』
『だって明って酒飲まなそうだからさ~(笑)』
『酒なんていくらでも飲んでるけど。』
『この頃俺の職場にいる上の人らが指示厨で。』
『そっか~、そりゃ大変だろうな~』
『俺なんかはな、まともな就職先未だに見つからないんだよな~』
就職先をまだ見つけていないようだ。妙だな。
まさか俊夫がそんななんて。
『そっか、じゃあお勧めの仕事教えてやろうか?』
『ううん大丈夫、自分でなんとか見つけてみるわ!』
『なら頑張れよー。』
『やる気ねぇ~(笑)』
『あはは(笑)』
俺と俊夫は思春期の頃からの親友で、こんなくだらない長話だけでも盛り上がることだってあった。
女子はもちろん、ワイワイ系の男子も寄っては来ない。
静寂な夜の中での、賑やかな居酒屋で送った楽しい時間だった。
『じゃ、またいつか会おうぜ!』
『次会うときもここで待ってよっかな~(笑)』
『いいって、どうせ別のところで待ち合わせするってなんだから。』
『それもそうだな(笑)』
『っつーかお前、足元ヨロヨロだよ?』
『マジか、流石に飲みすぎたかな…?』
『タクシー呼んであんの?』
『呼んでない。』
『俺、呼ぼうか?』
『いや、ヒッチハイクで乗せてもらうからいい。』
『酔った状態じゃあヒッチハイクできないだろ?、全くもう~…』
俊夫は携帯をズボンのポケットから取り出し、タクシー会社を宛に電話をかけた。
『…あ、すみません。酔ったのは僕の友達で…』
『予約制?、分かりました…』
『いつなら予約空いてますかね?』
『日が明けてからですか、はい、ではその時間予約入れておきます。はい、は~い…』
(通話を切る)
『空いてる時間、4時からの朝イチだってさ。』
『へー…』
『俺んちここから近いけど、泊まってく?夜遅くだし危ないからさ。』
『…そうする。』
「そうする。」とは言ったものの、実は心の奥底では抵抗している気がした。
でも俺は俊夫に手を引いてもらって、ふらつく足元を動かした。
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