前置きがめんどくなってきた…
はい本編!
あ、今回キスシーンあるから多分r-15
※マフィ視点
m「…………」
周辺の空気が静まり返り、ただ、Chanceの静かなはずの寝息だけが、部屋の中に強く響く。
2人きりとなった部屋の中、まるで時間が止まっているようだった。
Chanceのすぐ側に横になり、その顔を見つめる。
あの頃とそっくりで、変わり果ててしまった姿
焦燥感の正体に気づかざるを得なかった。
果てのない後悔が全身を襲う
誰にでも間違いはあると思う
間違いと分かっていてもやってしまうこともある
けれど、あとに引けないって分かるのは、
取り返しのつかなくなった時だろう
間違いを犯したのは、自分自身。
そして、取り返しのつかない状況だった。
Chanceは賞金を奪った。
だから長年、借金を返せと探し回った。
だが実際、あれは正当なものに違いはなかった。
八百長試合だからこそ、本来勝つ想定ではなかったが、Chanceは己の運で確かに勝ち取った
Chanceは、何の不正も、何の罪も犯していない
家族の顔に泥を塗ったのは、Chanceじゃなく自分なんだ。
それでも認められなくて、責任をChanceに全て押し付けてしまった
その結果が今だ。
かつての、形だけとはいえ友達だった彼を、罪もないのに罰を背負わされた彼を、死ぬ寸前まで追い込んでしまったのは自分なんだ。
悪いのは自分なのに、勝手に涙が溢れてくる。
罪悪感か、それとも、何を感じているのか
歪んだ景色をもとに戻すため、目を閉じた時、冷たい手が頬に触れた。
c「……? 」
c「人…?」
Chance視点
再び目覚めた時に、景色は全く変わっていなかった。どうやらまだ売られたわけではないようだ。シランケド
…いや、全く変わってないかというとそうでもなかった。目の前に、でっかくて黒い壁がある
視界の上の方には黄色い何かがあり、少し動いてる。
視界がまだクリアじゃないので、触れて確かめることにした。
暖かい。むしろ熱い。そして、濡れている?
時々強張っているが、規則的に呼吸を感じる。
c「…人?、か? 」
正直今の自分がこんなに声がかすれていると思わなかった。とんでもなく喉が渇いている
…………いや、よくないかもしれない。普通に通報案件だと思うし、きもいかもしれない。
だけど、喉が渇いて仕方がない。そう。仕方がないのだ。
身を精一杯乗り出して、顔らしき所に近づいた。
水源は影に隠れながらも、綺麗な赤色が覗いていた。
舌を突き出し、流れる水を舐める
ほんの少しの水でも、喉が一気に癒される感じがした。でもそれはすぐに終わり、またすぐに喉の渇きが襲う。
……だが…。
涙を舐め取るたび、最初にあった抵抗感も徐々に薄れ、気がついたら肩にしがみついて、自分でも必死と思うくらいに誰かの顔を、頬を、目を舐めていた
黄色い顔のそいつは、しばらく身を引かせたり声をあげていたが、喉が渇いてる俺には関係なかった。
しばらくして、そいつが突然俺の頬に手を置き、顔を遠ざけた。
いや、どちらかというと位置を調整していた。真正面からそいつを見せられる状態になる
相手は荒い息を吐いていて、少し怒っているようだった。…しかし、どこかで見たことがある気が…
喉が痛くて口をパクパクとさせ、奴が顔をこれ以上近づけさせまいと力を入れても、俺はお構い無しに近づこうと必死になった
すると突然、一気に力が強まり、奴が口を開いた
m「……Chance」
低くて、芯のある声。さっき金縛りにあっていたときも聞こえていた。
そして、目元に影のあるこの顔
思い出してしまった。
Mafioso。
俺は過去、こいつのカジノによく遊びに行っていた。だが、ある試合の時以降敵対関係になってしまった。
覚えがないといえば嘘になる。どうやら八百長試合のはずが、俺が勝ってしまい、賞金を持っていってしまったのが敵対する原因だったそうだ。
正直、その事をもっと早く、試合の時に知っていればと後悔した。運に任せて、本気で遊んでいたせいで、Mafiosoは恥をかき、俺は追われる身となって、人生を転落してしまったのだから
問題は、Mafioso、いやソネリーノ一家が俺のことをひどく恨んでいるだろうということだ。
熱もあって、喉が渇き、昔より体力の落ちている今、どう頑張っても逃げ出すことは不可能だ。
Mafiosoの頬が赤くなっていくのが見える。相当キレているのだろう。
俺はこれからどうなるんだ?きっとただ殺されるだけじゃ済まない
多分俺を助けたのもこいつだ。俺を生かして、生き地獄を味あわせるために
水分を失っている身体に涙はでない。絶望は乾いた笑いを引き出した。
突然、Mafiosoの顔が急接近した。慌てて目をつむる。
その瞬間、生暖かく、しっとりした何かが唇に触れた。
荒い吐息が顔全体に広がる。
c「…っ、ん…ふッ…」
嫌な予感がする。その何かは唇を濡らして、潜り込み、ガタガタな歯達をなぞるように動いた。
その感覚に、身体が震える。
時折、歯のない隙間にその暖かい何かが入り、何とも言えない感覚を引き出す
怖い。だが、どうにもできなかった。
喉の渇きが、湿ったそれを求める。そして、胸の奥の方で、この地味に嫌な感覚をさらに求めている
そして、恐怖がむしろ、抵抗を止めようと急かしてくる
そうして固く止めた歯を、口を開けた
同時に勢いよくそれは奥に入り込み、口内に
水分と熱を大量に送ってきた。
嫌とも言えない感覚が増すに連れ、身体が勝手に震え、反応する。
思わず閉じていた目を開けてしまった。
目の前全体にMafiosoの顔が広がる。
宝石のような赤色の瞳がかすかに揺れていた。
そして、あの湿った何かがMafiosoの舌だったと知った。
しばらくしてMafiosoは口を離す、互いの舌を銀色の糸がつなぐ。だが、すぐにMafiosoは近づき、今度はさっきよりも深く、強い。
c「…ッ、!んっ…、ゥ…ぅ゙…!!」
口の中で舌が絡まる程、熱がさらに強まり、頭の痛みが増した。
c「ふ…ぅ…、ッぇ…!、!んチュ…、!プはァっ、!」
その感覚に耐えきれず、口を離そうとした。
だが、後頭部を大きな手で掴まれ、さっきよりもさらに深く舌を入れられるだけだった
c「…!ァ、…ガ、?!…〜〜ッ!ム…、ゥぅ゙」
c「モ、うグッ…フッ…ん゙ゥ、〜!ン、ふぅ゙……ウぅ 」
どれくらい経ったかわからない。
頭を、肩を掴まれ、逃げ場のない状態で、
深くて、濃厚なキスが続いた。
長くて熱い彼の舌が歯に触れ、自分の舌を絡め、口内を漁るたびに不思議な感覚に身をよじらせようと必死になる。
舌が喉奥に触れ、苦しいはずなのに、もがきながらもまた触れることを期待してしまう。
なんだか、おかしくなってしまったようだ。
病気のせいなのか、相手がMafiosoだからか
それともこの状況によるものなのか
自分が自分じゃないみたいだった。
しばらくキスが続き、意識が朦朧とした頃、Mafiosoが再び口を離す。新鮮な空気を喉に取り込もうと必死になり、喉からカヒュー…カヒューと変な音が鳴る。
Mafiosoも顔をこれでもかというほど赤らめた状態でこちらを見つめ、変わらぬ荒い息のまま。銀の糸が千切れても尚口から垂れてるものだから、思わず吸い取ってしまった。
これは一体どんな悪夢なんだ。
いや、どんな悪夢でもいい。夢ならば
どうか夢が覚めたあと、いつもの冷たい路地裏でもいいから、
この状況が現実でない事を非常に強く願った
コメント
2件
最高すぎる😭😭😭かわいい