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あなたに会いたいから――。
夏の終わり。
少し肌寒くて、秋の匂いがした。
「そろそろ夏が終わるねぇ〜」
彼はそれに答えるように、こくりと頷いた。
「そういえばさ、そろそろ体育祭だね。」
彼はまた、こくりと頷いた。
2人で横並び。
この時間は大事な時間。
「じゃあね私、こっちだから」
彼は私が見えなくなるまで手を振ってくれた。
いつもの帰り道。
彼の姿が黒くなるまで私は後ろ歩きでひたすら歩く。
見えなくなった時、やっと私は前を向く。
私はまた前を向いて歩き出す。
君が見えなくなる時になるとカラスがなく。
君がいなくなる時になるとわたしがナク。
そんな日常が続いていた。
中三の頃から始まったこの生活。
――中二の春――
周りがざわざわ騒がしく談笑している。
「この後スタバ行かないー?」
「ってかさぁ〜今日の担任やばすぎて笑えたわ〜」
女子中学生の愚痴を言う話し声。
「お前この前告ったの?!」
「家帰ったらゲームしようぜ〜!」
男子中学生の帰宅時に話す声。
私はみんなが帰るまで、人気の無い階段に正カバンを抱えて座り込んでいた。
私の学校のグラウンドは校舎裏にあったから、
正門を通る学生は部活動生にはどうせ分からなかった。
吹奏楽部の混じった楽器の音。
運動部の走るかけ声の音。
怒鳴る先生の音。
体育館シューズの滑り止めが床と擦れる音。
男バスへの黄色い声援。
私にはそんなのどうでも良くて、ひとりで坂を下る。
そこで毎日会う男の子。
メガネで大人しそうな男の子。
最初は無視していた。
だって不気味すぎるじゃん?
毎日同じ洋服。
毎日同じ体勢。
毎日同じ時間。
さすがに怖かった。でも、面白がって、声をかけてみた
「ねぇ何かいるの?」
でも、返事はかえってこなかった。
私は諦めて、その日は家に帰った。
そして次の日。また同じように声をかけた。
「ねぇ?何を見ているの?」
けど、返事は帰ってこなかった。
私はまた諦めて家に帰る。
また次の日。同じように声をかける。
「ねぇ、何してるの?」
ビクともしない。返事はかえってこなかった。
私はまた諦めなければならない。
……そんな日々が毎日続いた。
でもある日、彼はそこに座っていなかった。
誰かを待つような優しい目をして立っていた。
さすがな私はその日は声をかけなかった。
でも目の前を通り過ぎようとしたところで彼は私に
「あのッ!僕を愛してくれませんか?」
いきなりの言葉に驚いた。
「愛す、?」
――愛してるって言えばいいのだろうか。
――え、愛するって何?
――愛してる?愛する、?
――アイ?愛?わたし?
――愛してる。愛してる。愛してよ。
――愛って、。
私は頭が真っ白になりそうなくらい沢山考えた。
「えっと、どういう、?」
一息ついて出た言葉がそこにあった。
すると彼が口を開いてこういう。
「僕に毎日声をかけ続けてくれて、愛してくれそうだから。」
理由になってない。っていうかどういうこと。
理解が追いつかない。混乱している。
ほんとに。よく分からない。彼の人間像
「なんで、私以外の人に他に声掛けられてないの?」
彼はこくりと頷き、
「警察の人は何度も来た。夜の2時ぐらいなのかな、?」
彼は空を指さし、ちょうどあそこに月がでてた。
月の位置で時間は分かるのだろうか、、
スマホは持ってないのだろうか、
夜の2時って親は心配しないのだろうか、
色々頭をよぎった。
でも最後は確かに。
――私が××さないと行けないのかもしれない。
そう思ってしまった。
それが彼との初めての出会い。
私の帰り道での出来事だった。
その後のことも知らず。 私は彼に飲み・・・・・・こまれ・・・・・・。
助けて
……