「けい」様
リクエスト、誠に有難う御座いました🙇
ご期待に添えていると良いのですが……。
※本作は、「kn×shk 甘え方と愛し方」の番外編です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
kr×sm「君の気持ち」
sm side
居酒屋から出ると、秋の澄んだ空気が鼻を通った
居酒屋特有の酔っぱらい達の熱気や、お酒の匂いは嫌いではないが、残暑の残る今の季節では、夜の澄んだ空気の方が好きだったりする。
って、今はそんなことどうでもよくて。
問題は俺の腕を引き、無言で前を歩く彼のことだ。
いつもは柔和な笑みを浮かべ、さりげなく俺を気遣ってくれる優しい彼が、今は此方を見向きもせずに俺の腕を力強く引いている。
やっぱり、怒ってるよな……?
そりゃそうか。
俺だって今の時間まできりやんが帰ってこなかったら、心配で探しに行くもんな。
前を歩く、彼の背中からは怒りが漂っているようで、腕が強張る
sm「きりやん……?」
俺はそっと彼に声を掛ける
kr「……」
sm「どこいくの…?」
kr「…………俺の家」
暫く間を置いた後、彼はそう答えてくれた
そのまま会話が盛り上がる筈もなく、俺達は無言で歩き続け、やがて彼の家の前に到着した
カチャンッと軽快な音がし、玄関の扉が解錠される
彼が扉を開けてくれ、俺はそのまま室内へと入る
扉が後ろ手にバタンと音を立てて閉まる
その途端、彼がガバッと抱きついてきた
sm「え……?」
kr「はぁー……」
彼が俺にもたれ掛かり、溜め息を吐く
怒られると身構えていた俺は拍子抜けし、頭が混乱している
sm「きりやん……?」
kr「………かった」
sm「……?」
kr「……スマイルが無事で良かった…」
そう言い、彼はぐりぐりと俺の肩に頭を押し付ける
sm「ッ……」
そんな彼の反応を見て、俺の心に寂しさが広がった
sm「……なんで」
kr「ん?」
sm「……なんで、怒らないの?」
kr「え……?」
彼はパッと顔を上げる
sm「……お前は、いっつもそうだよな。
俺が我が儘言ったり、今日みたいに時間を守らなかったりしても、いつも俺に優しくしてくれて、許してくれる」
kr「うん……」
彼は不思議そうに眉をひそめる
そんな彼の反応を見て、まずいと思ったが、俺の口からは止めどなく言葉が溢れてくる
sm「きりやんは良い彼氏だよ。
家事もしてくれるし、いつも笑わせてくれて、それに……すき…も、毎日言ってくれて……
正に理想の彼氏だと思う。
……だからさ……だから……」
不安になるんだよ。
家事も、自分の気持ちを伝えることさえ ろくに出来ない俺と比べて、お前は色んなものを持ってる。
いつ他の誰かに取られても可笑しくない位に、お前は魅力的なんだよ。
だから不安になる。
いつも優しいと、俺に興味が無いのかと思ってしまって、いつ捨てられるんだろうって怖くて堪らない。
俺はきりやんが好きだから、
きりやんが居ないと生きていけないから。
sm「……ッ……だからッ……おれッ……」
突然、息が苦しくなって、俺は胸を押さえる
sm「はッ……ぁッ……かッ……はぁッ……はぁッ……」
kr「ちょっ、スマイルッ!?」
彼が慌てて俺の背中を擦る
kr「落ち着いて……、ほら、吸って……吐いて……吸って……吐いて……」
彼の声に合わせて呼吸をしようと試みる
けれど、俺の身体に入ってくるのは、僅かな酸素だけだった
俺は必死に彼の服にしがみつく
sm「はッ……あッ……きりやッ……くるしッ……」
kr「ッ……ちょっと待ってて!」
すると、彼はバタバタと足音を立てながらリビングの方へ行ってしまった
sm「はッ……あッ…………きりやッ……まッ……」
立っているのもしんどくなって、俺はその場にうずくまる
心も呼吸も苦しくて、その苦しみは時間が経てば経つ程、大きくなっていって。
何で、もっと早く彼に言わなかったんだろう。
何で、彼に相談しようとしなかったんだろう。
と、今更になって後悔が胸に押し寄せる。
sm「はッ……はッ……はッ……」
段々と意識が朦朧としてくる
俺の視界がゆっくりと傾いていき、身体が床に激突した
だけど、もう痛みも感じなくて、俺は瞼を閉じる
その時、キッチンの方から『あった!』と声が上がった
バンッと扉が音を立てて開き、彼が俺に駆け寄ってくる
kr「スマイルッ!」
彼は俺の身体を起こすと、口元に紙袋を当てた
kr「スマイル、ほらここで息吸って……」
彼は俺の背を優しく擦りながら、声を掛け続けてくれる
sm「はッ……はッ……はッ……はッ……はぁッ……はぁッ……」
kr「そうそう、上手上手」
sm「はぁーッ……はぁーッ……はぁーッ……はぁ……はぁ……」
段々と呼吸が楽になってきて、俺は彼にもたれ掛かる
kr「ふぅ……落ち着いた?」
そう言い、彼は優しく笑い掛け、俺の頭を撫でる
sm「ん……」
あぁ……まただ。
また、彼に迷惑を掛けてしまった。
sm「きりやん……」
kr「ん?」
sm「ごめん……いつも迷惑ばっか掛けて」
俺がそう言うと、彼は驚いたように目を大きく見開いた
kr「どうしたの?急に」
スマイルが謝るなんて珍しい、と彼は茶化すようにそう付け加えた
kr「それに、別に迷惑だなんて思ってないよ。
全部、俺が好きでやってることなんだから」
sm「でも……」
kr「スマイル。
俺はさ、お前のことが大好きなんだよ。
スマイルが居ないと生きていけない位にさ」
そう言い、彼は少し哀しそうに笑った
気付かなかった。
彼も、俺と同じ気持ちだということに。
kr「……w…重いでしょ? 引いた?」
俺はぶんぶんと首を振る
sm「ぉ…おれも、きりやんが好きッ……」
俺がそう言うと、彼は嬉しそうに笑い、ぎゅっと俺を抱き締めた
sm「きりやんッ……すきッ……すきだからッ……」
kr「うん」
sm「おれッ……ちゃんとッ……きりやんのことッ……あいしてるからッ……」
kr「うん」
sm「だからッ……お願い……俺をッ……俺をッ……」
kr「うん」
sm「すてッ……ないでッ……」
すると、彼は大きく目を見開いた
そして、優しく微笑むと俺の額に口づけを落とした
kr「捨てないよ。
ずっと一緒にいようね、スマイル」
そう言い、今度は深いキスをしてくれた
そのキスは、これまでのキスよりも温かくて、甘かった。
kr「スマイル、もう寝よっか」
sm「ん……いっしょに、ねよ……?」
kr「ッ……!ふふっ、そうだね。一緒に寝よう」
彼が俺をお姫様抱っこし、立ち上がる
ふと、互いの視線がぶつかる
俺達は微笑み合い、再度口づけを交わした
kn×shk「酔った君」
shk side
あの日から1ヶ月が経った
あれから、自分から甘えてみようとはしたけれど、1週間も持たなかった。
我ながら不甲斐ない結果である。
まぁそんなこんなで、どうやってきんときに甘えられるかをソファの上で模索していると、リビングの扉がガチャりと開いた
kn「シャークん、ただいま」
shk「ん、おかえり」
俺はソファから起き上がり、彼の元へ駆けていく
きんときは、腕にぶら下げていたビニル袋を、机にドンッと置いた
shk「何買ってきたの?」
kn「お酒」
彼は袋からお酒の缶をジャンっと取り出した
shk「きんときが?」
kn「うん、ちょっと飲みたくなって。
付き合ってくれる?」
shk「もちろん。おつまみある?」
kn「それはもうバッチリ」
shk「じゃあ、ちゃちゃっと洗い物済ましてくる。
あ、お風呂沸いてるよ」
kn「ん、ありがと~」
そうして各々用事を済ませた後、俺達は2人並んでソファに座った
kn「はい、これ」
きんときが俺に缶ビールを手渡す
彼は缶チューハイを飲むようだ
shk「ありがと」
カシュッと、炭酸の抜ける音が部屋に響く
kn「じゃあ、乾杯」
shk「乾杯」
俺達はコンッと缶をぶつけ、缶を呷った
ビールの強炭酸が喉を刺激する
後から来るホップの苦味が、良いアクセントになっている
shk「ぷはーッ!」
kn「ふふっ、良い飲みっぷりだね」
shk「まぁな。よし、今日は久し振りに飲むぞー!」
kn「お、おー!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
shk「んん……きぃとき~」
あれから数時間後、俺は見事に酔っ払ってしまった。
あの日から、外出してもお酒は控えるようにしてたから、その反動でどうしてもペースが早くなってしまったのだ。
kn「シャーク~ん、もう寝るの~?」
shk「ううん、きんときといっしょにいる……」
kn「……w シャークん酔ってるの?」
shk「うん……」
そりゃそうだろ、結構の数を空けてしまったし、身体も暑いし、頭だって働いてな……
ん?
kn「ふふっ、そっかそっか。
シャークんはノンアルでも酔っ払っちゃって、甘えたさんになっちゃうのか~」
shk「へ……?」
俺はパッとテーブルの上にある缶ビールを手に取る
そこには確かに、”ノンアルコール”と書かれていた
kn「シャークん」
俺は恐る恐る彼の方を向く
その瞬間、俺は彼に押し倒される
shk「き……きんとき、これはちがっ……」
kn「今日は酔ってた、何て言い訳させないから」
そう言い、彼は俺に深い口づけをする
shk「ッ……」
俺は、この状況を望んでいたかのように弾む心に戸惑いながらも、彼からの愛情に溺れていった
コメント
4件
リクエストにお応えいただき、また、素敵な作品本当にありがとうございます、、、8時ずっと待ってました 期待に沿っていただくどころか飛び越えて行っていただき、感謝の気持ちしかありません🙏 krさんのスパダリ感最高すぎて無事にやられました。過呼吸ネタも好きなので、好きの過剰摂取でしたし最後のknshkも良すぎて、私の語彙力で気持ちを伝えられないのがもどかしいです!!!!!!!とにかくありがとうございました😭
ええ可愛い〜😭😭😭 😊さん大好き👓さん尊い…😊さんが「すてないで」って言ったとき自分も目かっぴらきました…w 🦈さん〜、可愛すぎますよ〜😭その発想は天才すぎます…😇✨️✨️