テラーノベル
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___時は現代日本。
人々の汚れた思考回路が渦巻く世界。
そんな中、日本のとある場所では・・・___。
「ほら、作戦会議ですよ」
「えー・・・どうせいつも何もしないじゃないですか」
「煩いです」
作戦会議が行われていた。
「ある事についてなんですけど」
そう言っても、みんなは全然話を聞いてくれない。
「ちょっと、皆さん聞いてます?」
「でさ〜・・・」
くっちゃべっている人も居るし、寝ている人も居る。
溜息をちいさく付くと、会議の主は徐ろに銃を懐から取り出す。
そして目にも止まらぬ速度で、寝ている八幡さんの髪の毛を打つ。
「・・・え」
その瞬間、皆の声はぱっ、と小さくなる。
「ほら、八幡さん起きてください。会議の時間ですよ」
八幡さんはゆっくりと目を覚まして、特に何の反応もせずに髪の毛を触る。
「またじゃん、めめさん、あとでちゃんと切ってね」
「はいはい、分かりましたから。会議、ちゃんと受けてくださいね」
「それで、あることについてなんですけど」
皆はこっちを向いて、真剣に話を聞いている。
これも努力のお陰ですね!
「・・・というか、めめさん。あれ」
そう言って、こっちをlatteさんが指差す。
めめさんがこっちに気づくと、険しい顔をして近づいてくる。
「はあ、また盗聴器と小型カメラですか。・・・みぞれさん、どうにかしておいてくださいね」
「ええ、なんで私・・・」
そう言いながらも彼女はこっちに銃を向けてくる。
___銃声音が、響く。
ざざざ、と言うノイズ音と共に、何も記録できなくなる。
「ああもう、本当に嫌になりますよ・・・」
「毎回処理させられる私の方が言いたいですよ・・・」
私がそう言うと、みぞれさんは顰めっ面で言う。
「おっと、どうしたんですかみぞれさん」
「ひぇ・・・嘘ですよ、ごめんなさい」
「じゃあ会議に戻るんですけど」
そう言って私がスクリーンを指差す。
「今回はちょっと依頼が来まして・・・」
「お、依頼とはめずらしいですね」
そう、不透明な紙を揺らしながら言うのは、うちの幹部のガンマスさん。
この人は色々不思議なところもあって、報告書も提出しない問題児ですがわりと助かっています。
「・・・この組織に加入したい人が居るんです」
私がそう言うと、何人かがぞよめく。
こんな組織に入りたい人はいるのか、とか。
まあ、酷いことを言うのですね。
「今失礼なこと言った人は死体処理班にさせますよ〜」
「ごめんなさい」
「まあいいですけど、とにかく!うちに加入したい人が居るんですよ。」
その人は、薄汚れた衣服でうちに駆け込んできた。
・・・あれは、皆が寝静まった嵐の日だった。
私は、皆さんの残した仕事をやっていました。
その時、どんどんとドアを叩く音と、少女の声が聴こえてきた。
「助けてください!誰か!誰かいませんか!?」
とにかく、私は働かない頭で緊急事態だと思って、玄関の方へと歩いていった。
ドアを開けると、二人の少女が雪崩込んできた。
姿を見ると、どうやら姉妹のようだ。
姉の方は高校生ぐらいで、妹の方は中学生ぐらいだろうか。
「助けてください!私達、あの人に追われていて!」
少女が指を指す方には、いかにも反社っぽい見た目の男。
男はこちらを向くと、銃をこっちに構えてくる。
「・・・っ!」
私は懐から銃を取り出すと、その男に向かって打つ。
少女たちは腕の中でがくがくと震えていて、まるで生まれたての子鹿のようだ。
眉間に球を打つと、男は二度三度痙攣してその場に倒れ込んだ。
「・・・大丈夫ですか?」
私がそう問いかけると、妹のほうが顔を上げて話す。
「・・・あ、ありがとうございます、」
まだ声が震えていて、よほど怖かったんだと痛感する。
姉の方を見ると、異常な程震えていた。
「・・・あ、あの、姉はパニック障害持ちで、すみません」
姉の方を見ると、ひゅーひゅー、と息をしていた。
その姿を見ると、幼い頃のトラウマが蘇ってくる。
「っ、!深呼吸、深呼吸をしてください!」
そう叫ぶと、意識がおぼろげながらも深呼吸をしていて、次第に目に光が宿る。
「・・・あ・・・あ、ありがとうございます、・・・あの、私は茶子と言います・・・妹の方は菓子です」
そう拙いながらも、名前を教えてくれる。
緑色のふわふわとした髪の毛をしているのが、茶子さん。
ピンクの、縦ロールの髪型の人が菓子さん。
「・・・・・・あの、事情を聞いてもらってもよろしいでしょうか、帰る家もなくて」
その一言を聞いて、何かわけがあるんだなと思い、とりあえず組織にあげる。
「・・・あの、親が夜逃げしてしまって、ああ、親は借金持ちだったんですけど」
「茶子、話の順序を考えなさい」
先に落ち着いた菓子さんは、そう茶子さんに言う。
「あはは、ごめんね・・・」
「・・・あ、私の親が借金持ちで、毎日返済に追われていたんです。・・・でも、今日朝起きたら居なくて・・・多分、逃げられたんだと思います」
そう薄汚れた寝間着をぎゅっと抑えながら言う彼女を見て、今の現状が痛いほど伝わってくる。
「・・・だから、今借金取りの人がうちに来ちゃって・・・どうにかしようと思ったんですけど、無理で・・・こんな状況になってしまいました・・・」
泣きそうになりながら言う彼女たち。
ああ、この子達も環境に恵まれなかったんだな。
「・・・あの、お金も、住むところも無いんですよね?・・・・・・じゃあ、うちで働きません?」
「・・・へ?」
まあ、ここだったら少しはらくに暮らせるだろう。
・・・ちょっとうるさいかもしれないけど。
「・・・・・・いいんですか!?」
「ええいいですよ、最近人手不足でね」
「ありがとうございます・・・!本当に感謝してもしきれません・・・!・・・ところで、ここはどんな所なんですか?」
「・・・・・・組織です」
「なんのですか?」
「・・・・・・マフィアの」
「・・・・・・え」
私が話し終わると、iemonさんが引いた顔をしている。
「・・・・・・いやいやいや、別にいいんですけど・・・・・・」
「どうしましたか?」
「・・・・・・許可、取ってます?」
「・・・・・・・・・取ってますよ〜やだなあ」
「絶対取ってないやつだ」
「ところで、いいんですか?」
「え?まあいいですけど・・・・・・」
「じゃあ入ってきてください」
「え」
私がそう手招きすると、少女二人はかくかくした動きで部屋に入ってくる。
「・・・あの、えっと、ちゃ、茶子です!よろしくお願いします!」
そう言って茶子さんは、深々と頭を下げる。
「・・・まだ皆様の許可が取れていないでしょ、・・・あ、菓子です。」
そう自己紹介をしている最中。
何人かが吹き出す。
「ふっ・・・ww」
「ええちょっと!なんで笑うんですか〜!」
そう茶子さんが言うと、菓子さんが焦って訂正する。
「ああちょっと茶子!すいません・・・」
「・・・ところで、皆さん」
「・・・この二人を、加入させて良いですか?」
私がそう言うと、二人は途端に暗い顔になる。
・・・彼女たちは何を勘違いしているのだろうか?
「・・・ええ、是非とも。楽しくなりそうですしね!」
「いっぱいお話も聞きたいし〜!」
「・・・・・・え?」
「ほ、ほんとうですか!?ありがとうございます!!」
彼女たちは先ほどと一変して、キラキラと目に光を宿す。
「ええ、ええ。是非とも。うちでいいなら」
「本当にありがとうございます〜!命の恩人です!」
そう茶子さんが言う。
「・・・・・・まあ命刈り取る側だけど」
そう誰かが小さく言うと、茶子さんが小さく笑う。
「・・・ふふふ、」
ここからどうなっていくかは分からないけれど、賑やかにはなるかな。
良くわからん話が書けました。
⭐️と🍬が加入する以前の、プロローグのようなものです。
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