二日後,私たちはようやくノーアバリスにたどり着いた。
「あ!エアリス様とスカイ様ですね♪四聖様から聞いております!」
ノーアバリスの受付嬢らしき人が私たちに話しかけてきた。四聖様と聞いただけで他の冒険者たちは私たちを見てきた。ステータスは最弱,剣術は終わってる私と剣術だけできるスカイ。こんなチームに魔族は到底倒せないだろう。
「スカイ様は私についてきてもらえると。エアリス様はあちらの職員までお願いします。」
私はスカイとは別行動になるらしい。私を案内してくれる職員さんは…いかにも厳しそうなよくある片目だけの眼鏡をかけた女の人。絶対鬼教官でしょ。
「エアリスさんでしたね。…私はこのギルドの管理職をしていますロナウディア・マーレと申します。」
「よろしくお願いします。」
指で眼鏡をくいと上げる。これは鬼教官にしか見えない。
「では,こちらに。」
数分歩いていくと体育館のような稽古場のような場所が見えた。一体あそこで何を?手続きをしてさっそく依頼を貰うとかじゃなかったの?
「では,この水晶を一つ一つ触ってください。」
用意されたのは属性を図る水晶。この水晶が一つでも光れば私はその属性ということだ。まずは火属性の水晶を触る。しかし,何も光らない。そうよ,私はエルフなのだから。そして次に水,雷,大地の順で触っていく。一つも光らなかった。そして最後の風。
「…ひから,ない?」
「なぜでしょうか…」
魔法が使えなくても最悪主属性はある。すべて当てはまらないのならいったい私は何になるの?本当に人間でもエルフでもなくなってきたじゃない。
「まさかとは思いますが…少し待っていてください。」
鬼教官(仮)のロナウディアさんは急いでどこかに走っていった。何が始まるのやら。そうだよね,こんな主属性を持っていない奴なんて初めて見るわよね。私自身でも驚いているのに。
「すみません,ではこれを」
小さな水晶が4つ。これは初めて見た。これも属性を図る水晶なのかな。主属性を図った水晶よりも少しだけ小さい。言われた順に水晶を触っていく。
「あれ,この二つ以外光りましたよ。」
初めの二つはとても光り輝き,最後の二つは主属性を図った時の水晶と同じように何も起きなかった。
「やっぱり。…あなた,その…。主属性ではなく副属性を扱うこのができるみたい。」
副属性を主に使い戦うことができた者は数少ないらしい。最後に見つかったのはおよそ1000年前,人間だったらしい。その人間は主属性がなく,魔法が使えなかった。しかし,神の子に選ばれてからその聖属性を受け渡した後も聖属性や光属性を扱うことができた。その話は伝説として語り継がれているそうだ。
「光った水晶は光と聖。あの伝説と全く同じなの。この魔法を扱えるのは現に四聖様だけ。」
「でも,どうして神の子ではない私が聖属性を?その伝説の人間は神の子に選ばれてるのでしょう?」
「伝説の話なので私にも詳しくはわかりません。でも,これであなたが特別だということは分かった。」
そういわれるとなんだか照れちゃう。特別なこの属性,だから四聖様は私が聖女に向いてるって言ったのね。というか聖属性と光属性の違いって何なのかしら。後で図書館に行って確認してみようかしら。
「では,ギルドの方に一度戻りましょうか。」
稽古場のような場所からギルドに戻るがスカイはまだいない。何をさせられているのかは怖くて聞き出せなかった。私と同じように属性調べ?いや,でもスカイは一応魔力が少ないだけで魔法は使えるしなぁ…。
「では,エアリスさん。level上げのために依頼を受けますか?」
「…じゃあ依頼を一度見せてほしい。」
現に今ある依頼は二つ。野草の採集とlevel4の魔物の討伐依頼だ。安全な採集はlevelアップ量が少ない。levelはギリギリだけどlevelは多く上がる討伐を受けようと思う。
「じゃあ、これで。」
「はい、ではこの近くの森やダンジョンどこでもいいので飛コウモリ10匹を狩ってここに持ってきてください。」
依頼が書かれた紙がステータス画面に入っていく。このステータス、依頼表というものが入っていてすぐ見れるから本当に便利。
「じゃあちゃっちゃとやっちゃいますか。」
自分の属性試しにもなるから早くやってしまおうと思うが飛コウモリはすばしっこい。
「あぁ、止まってくれればな…って、あ。たしか光属性にそんなのなかったっけ。」
昔、図書館で色々な属性図鑑を読破したから覚えてる。光属性には停止(ストップ)というそのままの意味の魔法が存在する。これが私に使えるのなら!
「停止!」
エルフ特有の杖を出し、飛コウモリに対して魔法を放った。
「止まった!」
本当に私は光属性なんだなと感心した。嬉しい。止まった飛コウモリに短剣を投げた。ちょっと自分が卑怯なやつだとは思うがlevelの為だ。許して。
数分魔法を駆使して飛コウモリを10匹討伐することに成功した。
「ロナウディアさん!ご依頼の飛コウモリです!」
ロナウディアさんは速すぎる帰還に少し驚いていたが、報酬を渡してくれた。さて、私は図書館に行きますか。
to be continued→
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