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俺は、ちょっと不思議な人間らしい。
恋愛対象が女性ではなく、男。
こーいうのをゲイって言うらしい。
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その日は珍しく若井との2人での撮影だった。
FC用のオフショットや、幼なじみとしての、雑誌表紙のビジュアル撮影。
「ねえ元貴、今日俺ん家で呑まない?」
何を言ってるんだ此奴。
「この前美味しいお酒貰ったんだぁ〜、ほら俺一人だと寂しいじゃん……?」
此奴はこういう時だけはズルい。
上目遣いで見つめやがって。
「そういうことなら…少しだけ。」
ありがと、とはにかむ。
あ、そうだ……連絡。
涼ちゃん…、許してくれるかな、
仕事…で遅くなるって言っとくか、
「ごめん、仕事長引く」
と、1件だけメッセージを送っておく。
撮影が一通り終わり、帰りの車でぼーっと外を眺める。
「どーした?」
若井が顔を覗き込む様に話しかけてくる。
「……涼ちゃん?」
なんでこういう時だけ鋭いんだ…
心でも読めるのかな、?
「あ、…」
無造作に口を動かす。
言葉に詰まる。
──────────────────
いつの間にか寝落ちしていた。
てゆーか、ここどこ…
「ぁ、…おはよぉ、…へへぇ」
酔っ払っている若井が声を掛ける。
ウソだろ?ひとりで晩酌したの?
さすが太陽くん…
いやいや、そんなことしてる場合じゃない…
今何時?
待て待て、1時???
やばい流石に怒られる。
焦っている自分に生暖かい何かが唇を奪う。
「んふっ、……ぁ…?」
そう、若井が俺にキスをしていた…、
どういう状況ですか??
酸欠になりそうで背中を叩く。
「へへへ、…もときのふぁーすときす
…げっとぉ、」
うっそだろ…此奴。
涼ちゃんと進展してないからって、……
「サイテー、帰る。」
せっかく立ち上がろうとしていたのに、若井が俺を掴んで離さない。
休止期間中に筋トレをしていたと聞いていたので、とてもでは無いが俺では動かせない。
諦めて座ると、器用にシャツの中に手を回して来て、俺の腰をなぞった。
「ん”ぉ、…ッ、ふぅ……♡」
腰弱いのに、てか何してんのこの人?
彼氏持ちを犯して、…
冷静に考えたらヤバいって、…
「もときぃ、…おれさ、」
なにか発言しようとしていたが、寝落ちた。
え、…なに、?
てか早く帰んないと…
……この事がバレたら終わる。
人生終わる。
そう言って力が抜けた腕をどかして足早にその場を去る。