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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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僕の唯一の居場所は、探偵社だ


そして、もしそこを追い出されたとしたら僕はどうなるだろうか、、



飢え死にするだろうか、復讐に走るだろうか、、



きっと僕は何も出来なくなるだろう



みんなに、「役立たず」「出ていけ」なんて言われたら、、





嫌な想像が広がる



いつも通りの探偵社なのに、僕だけが違う





何が原因でこうなったのだろうか、、






なんで吸血鬼化したのだろうか、、





いくら考えても分からない






太宰 「敦くん、早く扉を開けたまえ」



僕は、太宰さんを見上げる



助けては、来れなそうだ




僕の手はゆっくりとドアノブにかけられる








ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


敦が帰ってこない




俺は、時計と手帳を交互に見ながらため息をついた



太宰が探しに行ったとはいえ、もう30分近く経っている



あの太宰でだ!


また、面倒な事に巻き込まれてないといいが、


















あれから 何十分か経ってからだ、


やっと太宰から連絡が来た


((国木田くん 敦くん見つけたからね))


と、また概要がわからない文で、不安が一気に怒りへと変わる





だが、ここで怒っても太宰には届かない、


少し、ペンを歪ませながら一呼吸置いて

部署 全体に届くように言う





「敦が見つかったそうだ!!」










ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「敦が見つかった、、」



私は歩いていた足を止める






みんな安堵の声をあげる中、私はただ立ち尽くすだけ






だって、これは私のせいだから





私が、敦に自分の手を出したから










敦の様子がおかしいのは知っていた



そして、敦が毎朝 早くに起きては洗面台のほうへと行き、ため息をついているのも、



何か思い詰めているのも、、







そう、これは、私のせい







ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【敦】



僕は、ゆっくりと扉に手をかける



「ガチャッ」という音の後、一斉に声をかけられる



「心配したんだよ」や、「遅い!予定が狂った」、「また、面倒な事に巻き込まれたみたいだね」等、様々だ





だけど、僕はその声を軽く流して、ある人の前に行き思いっきり頭を下げる





敦 「鏡花ちゃん さっきはごめん、」


僕は頭を下げたまま、鏡花ちゃんの返事を待つ



鏡花 「いい、、私のせいだから、」




冷たい声だ。僕は思わぬ返答に頭をあげる


敦 「違うよ、僕が勝手に暴走しただけだから、鏡花ちゃんは悪くないよ」


鏡花 「それでも、私は、敦を危険に晒した」


鏡花 「もう少しで、敦は一生のトラウマになる所だった」


敦 「それは、」




僕達は、お互い何も言えなくなり、ただ黙るだけになってしまった


鏡花ちゃんが僕のせいで責任を感じてる


それがとても嫌だった



太宰 「2人とも、お互いそれだと話が進まないじゃないか、」


太宰 「お互い謝って、終わりでいいでしょ」


太宰さんが僕の肩に手を置きそう言う


僕はその言葉に頷き、鏡花ちゃんの方を向き直る



敦 「鏡花ちゃんごめんね 」



鏡花ちゃんも逸らしていた目をこちらに向け、真っ直ぐに言った「私の方も、敦の事考えれてなかった。ごめん」っと。














それからは、僕は、怒られたり、慰められたり、しながら一日を終えた






結局、吸血鬼化の原因も分からずじまいだった












だけど、僕は満足してる


皆に認められたから



皆が受け入れてくれたから、




どんなに気味が悪いと言われようと、、




























ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あれから何年経ったんだろう、、





ようやく、乱歩さんの言葉の意味がわかった





あの日、皆に吸血鬼化してしまった事、原因が分からないこと、全てを言ったあの日


みんなは驚きつつも、僕を認めてくれ、何かあったら言ってよ!と優しい言葉を投げかけてくれた




だけど、乱歩さんだけは、、、いや、太宰さんもか、、



2人だけは僕に「これからは、大変になるね、」や、「苦労するね、」なんて言葉をかけた



最初は、これからの周りの目の事を言っているのかと思ったけど、、











僕は、少しため息をつく





皆がいなくなって、もう○○○年か、




守りたい人も、仲間も全員いなくなってしまった





あの小説でもそうだったな、、






最後は孤独




待ち望むのは死だけ









死ぬことも、老いることも許されない












僕は、初めて自分の異能を後悔した










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