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目の前には、黒い影のような巨大なツイステッドが迫っていた。足はすくみ、後ろにも逃げ場はない。
「……やばいかも……」
僕、Astroは冷静を装おうとするが、心臓が早鐘のように鳴っていた。
その時だった。
「Dandyスーパーハイパーキュアキュア!」
眩しい光とともに、Dandyが堂々と名乗りをあげた。
ポーズも完璧で、妙に似合っているのが腹立たしい。
「す、す、Sproutスイートキュア……!?」
Sproutは顔を真っ赤にしながら、ぎこちないながらも決めポーズ。
どう見ても羞恥心の塊だった。
「Dyleキュアー……」
完全に諦めきった声で、Dyleは肩を落としながら名乗る。
ポーズも投げやりで、逆にシュールな迫力があった。
「shellyジュラキュア!」
Shellyはキラキラのポーズでノリノリ。
「恐竜パワーでみんなを守るよ!」とまで叫んでいる。
「……キュアクエスチョン」
Veeは眉間にしわを寄せ、心底イヤそうに名乗った。
ポーズはやる気ゼロ。それでも変身衣装は派手で、本人の表情とのギャップがひどすぎる。
「ワン!」
Pebbleはマスコットキャラのように跳ねて、背中にリボンまでついていた。
……似合ってしまっているのがまた悔しい。
そうしたプリキ〇ア5人組(マスコットキャラクターのPebble付き)はあっという間に巨大ツイステッドを倒してしまった。
その後、またもや勝利を示す為に皆でポーズをとった。
そしてDandyが、こちらに振り向き、僕に向かって手を差し伸べてくる。
「さあ!Astroも一緒にプリキ〇アになろう!」
「…な、なるかそんなもーーーん!!」
思わず叫んだ瞬間。
……目の前に広がったのは、見慣れた天井だった。
自分の部屋。静かな空間。
「……夢、か」
額にはうっすら汗。心臓のドキドキがまだ残っている。
いつの間にかベットから落ちていたのだろうか、気付くと冷たく硬い部屋の床で寝ていた。
「……奇妙な夢すぎる………」
ため息をつきながら天井を見上げた。
だがその時、窓際からかすかに……
「ワン!」
……聞こえた気がして、僕は慌てて布団をかぶった。