テラーノベル
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今日はいつもにまして怒涛の1日だった。
その上寒く、鼻を啜りながら帰路を歩く。
鍵を差し、捻った瞬間、何かが違うと感じた。
換気扇が動き、中から音がする。
ああ、居るんだな。とか物色してんのか?とか、
色々な事を考えていた。
鍵を抜き、扉を開けると家が暖かかった。
中からはいい匂いがする。
アニメで見る、幸せな家庭の匂い。
「……」
『お帰りなさい。今ご飯温めますね』
「ご飯…」
帰宅後手作りのご飯を食べれるなんて思ってもいなかった。
追い出すメリットはなく、むしろデメリットしかないこの状況。
俺は歓迎するしか無かった。
温かいご飯を口いっぱいに頬張る。
栄養バランスの良い食事に懐かしさを感じ、つい涙腺が緩みそうになった。
「…聞きたいことがあるんだけど」
『どのことについてですか』
『人を殺したこと?』
『なんで貴方にお世話になっているか?』
『なんでも答えます』
「いや、そんなんじゃなくて」
彼女は自分の行いに負い目を感じているのか。
どちらにも捉えられる対応に、瞳が揺れる。
「名前、教えて欲しいんだけど」
『…は?』
何を言っているんだ。という顔をしている。
想定外の質問だったようだ。
『……えと、だけど』
「えとさんね、
ごちそうさま。えとさん」
「寝る時はベッド使っていいから。
人が使ってたのが嫌なら布団でもいいし」
『……他に、
聞きたいことないわけ、?』
「別に、最低限のことが知れればいいよ。
過干渉はしない」
『………』
彼女はどこかバツが悪そうに食器を片付け始めた。
驚きを隠せないのか、はたまた慣れたのか。
えとさんは敬語が外れていた。
今まで一人で静かだった部屋に、生活音、人の足音、声…様々な音がして
なんだか変な感じだ。
「…逆にえとさんはさ、
俺の家でよかったの?」
『……優しそうだし、いざとなっても勝てそうだったから』
……中々に失礼だ。眉間にシワがよる。
『というか、貴方の名前聞きたいです』
「あれ、言ってないっけ。
ゆあんだよ」
『ゆあん………くん』
「くんって、笑そんな歳じゃないのに」
少し気恥ずかしくなり、逃げるように風呂に入った。
彼女の人を殺した発言について、触れるべきなのか。
あっちから話は振ってくるが、あまり発言したくなさそうにも見える。
『ん…、』
この家で寝れるくらい安心しているんだ。
触れないでおこう。
コメント
4件
一 つ 一 つ の 行 動 が 書 か れ て る の が め ち ゃ 好 き 😻🎵 く ー ち ゃ ん の 書 き 方 物 語 に 吸 い 込 ま れ て る 感 じ が し て 余 計 ド キ ド キ す る 😖💖 お 互 い 名 前 聞 き た か っ た の 意 思 疎 通 し て て か わ ち す ぎ る ‼️‼️‼️
仲深まりつつあって可愛いー!もう既にお互いがお互いの事を思い合っててすき😻