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アナザー・ジェネシス
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五感一人に集めしとき、
「無感情神・ファイルナ…」
能力を持って生まれてくるためー
「感生の子…」
「僕は、」
選ばれた子供なんだ。
ーとある少年の夢旅路の始まり
「こっらぁぁぁ!!まて、目隠れ野郎!!」
「うわっと危ない!」
「逃げんなぁ!!!!!」
荒野の角先出店で泥棒と怒鳴り声が響く。
よくみると怒鳴られたのは、右目を髪で隠して黒手袋をつけた華奢な少年。
その見た目に反し、目を見張る運動神経と凄まじい速さで走り去っていく。
「えへへ、ごめんなさぁぁぁい!」
「ふぅ、危なかった」
と言っても手に入ったのはジャガイモ二つ。
「家出って思ったより難しいな…」
少し離れた場所の空き家で少年は芋を口に放り投げる。
僕は一ヶ月前、ある夢のために家を出た。
無感情神・ファイルナ。僕と同じ感生の子を5人揃えれば現れるという神。
僕は幼少期、その神秘さに憧れた。
でも情報が少ない。とりあえずで来たチェイル付近の荒野もあまりいい情報が出てこなかった。
「あーあ。やっぱ都市部に行った方が効率いいのかな…。」
そんなことを考えてた矢先、あの出店地域である話を聞いた。
「知ってるか?言えば願いを叶える少女がいるらしいぞ」
「え?願い?」
「そうそう。どんな魔法か知らねぇけど、まるで元からそうであったかのように現実になるんだってよ。」
「ふーん…。この近くか…。」
隣に座っていた、僕に比べたら大柄な二人がそんなことを話していた。
願いを叶える少女…。
もしかしたら…。
そんな小さな希望を持って僕は二人の言っていた場所へ向かった。
「理想…家?」
そこには噂通りの小さな店があった。
確かにみると短い列ができている。
僕は半信半疑でその最後尾に並んだ。
やっと店の入り口を通り抜けるとすぐにその噂が本当だと確信した。
先頭の男性が「金をくれ」と言ったのち、目の前に大金が現れたからだ。
その次も、次も、次も願いを実現していき、気づけば僕の番になっていた。
噂の少女は特別な力なんて無さそうなごく普通の女の子に見えた。
全てを諦めているかのような魅力的な瞳と少し目立つ漆黒のピアスに目を奪われる。
そして何より右頬のテープに違和感を覚える。…怪我でもしているのかな?
彼女は黒いストレートの髪を揺らし僕に話かけた。
「あの…、願い事は…?」
「え、あぁ!ごめんなさい!」
僕は呼吸を調えて、思い切って聞いた。
は?と聞こえてきそうな顔を向けられる。
「えっと、その…。無理です。」
「え?」
なんだかあっさりと応えられてしまった。
彼女は困ったのち、帰るように言ってきた。
そりゃ、無理ならしょうがないけど…
でも本当に言ってる?だってなんでもって…
いや、弱気になっちゃダメだ!
ファイルナに会いたい。
その一心で叫ぶ
「いや、あの…」
「できるんでしょ!?!!!」
彼女のその美しい瞳に向かって聞いた。
「伝説を本当にしてくれよ!!」
「ですから…」
困っているのがわかる。
わがままですよね…わかってます。
でもごめんなさい!これだけはどうしても…!
「お!ね!が!い!」
「無理です!」
パシッッ!
彼女が振り払った手が僕の手袋にあたる。
そのはずみで取れてしまった。
「あ、その模様…」
「み、見るな!!!」
恐怖のあまり叫んでしまうほどに血の気が引いた。
この印は、僕が選ばれた子っていう証拠になってしまうのだから。
「忌子だわ!!」「え⁉︎マジか!!」「きも」
そう周りの人達が口々に言い始めた。
「あ…あ…」
分かってる。
みんなと僕が違うってことだって。
頭で考えるより先に僕はまた逃げを選んでいた。
「ねぇ、大丈夫?」
理想家さんの路地で手袋をはめ直している間にあの少女がやってきた。
何を言うんだろう。
「ご、ごめんなさい。私のせいで…」
そんな恐怖と疑問できっと今、ひどい目を向けているのだろう。
「それ、感情の印 だよね?忌子に生まれてしまったらつく、あざみたいな…」
「だったらなんだ!!君も、あいつらと…
人間と同じように俺を…、俺を…!!」
俺を…くだらない夢を持つ子供としてみるんだろう?
そんな恨みを込めて泣いてしまう。
音がして上を見上げると彼女が頬のテープを取っていた。
突然の行動に驚いたけどよくみると彼女にもあの印がある。
「君、それ…」
彼女は間を開けてはっきり言った。
「私も、…忌子だよ。」
信じられない。信じられないけど、
「二人目だ。」
バシッ!
「ねぇ!君!」
「は、はひっ⁉︎」
「僕と一緒に、あと三人いるはずの感生の子を見つける旅をしようよ!」
彼女の手を取り勢いよくお願いする。
いい加減でいきなりだけど、強く、そして誠実に。
「わけわかんない…。………あ、」
「…!あははは!」
知らないうちに笑い声が漏れる
「いや、ごめんw!いきなりだったよね、!」
少し早とちりしてしまった。彼女がオッケーする可能性は完全じゃないのに。
それでも彼女は言ってくれた。
「別に、びっくりしただけで、行ってもいいけど」
「え⁉︎いいの⁉︎」
「…ちょっとした家出って事で」
「うるさ、」
これが、僕と噂の少女…秀蘭との旅の始まり。