テラーノベル
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梅雨の時期に入る六月
雨の音が毎日聞こえるのが当たり前になってきた。
校庭に植えられた青くなっている木々は絶え間なく水滴をこぼす。
湿気がジメジメとしてとても嫌な時期とも言ってもいいと思う…
四限目が終わった後
僕はお弁当を食べることにした。
まあおかずは漬物少し
それ以外は白米だけ
「あれーまたおかず少ないじゃん」
喜川が言った。
「ハンバーグいる?」
守内が言う。
これがとてもありがたい…
唯一腹が膨れるのがこの昼ご飯だ。
特に喜川の卵焼きが美味しい
甘さと塩味が絶妙で出汁がいい…
想像しただけでよだれが出るな
僕はそれを我慢して
頂いたありがたいおかずを食べ始めた。
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放課後がまたやってきた
ゲームができないことは喜川と守内には伝えたから大丈夫だろう。
(趣味時間減らすのってやっぱり辛い)
でもデシタルデトックスになるのはいいかもしれない。
そう考えながら
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街に着くと
やはりオルゴールの音色が聞こえる。
「本当だったんだ…」
そして目的地の店に着いた。
木製のドアを開ける
チリンチリンと鈴の音がした…
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「ああ、いらっしゃい」
またアシメの女の人がいた
敬語じゃなくてタメ口になってる…
そんなことは置いておき僕は聞く。
「えーっと何すればいいですか?」
「あ、言ってなかったね。うーんと何か裏口の部屋にあるキッチンでさ、あるもので何か作ってくれないかな?」
「え」
裏口って何だ?部屋?
困惑していると女の人が指を指して「ここ」という。
よく見るとそこにはドアがあった。
暗くてよく見えない…
しかも錆びついてるなーと思いながらも
中に入ってみることにした。
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「えっ何でここだけ綺麗なんだ?」
僕は店内と部屋の差が出ていることに驚いた。
綺麗な白い壁と畳性の床
美しい模様と光沢で高級感を放つ大理石のキッチン
下に収納スペースがあるアンティークなベッド
和風なカフェにありそうなモダンテーブルと椅子
「いや…だったら店も綺麗にしたほうがいいのでは?ここもう豪華すぎて客凄く来るよ」
と、その時ドアの向こうから鈴の音が聞こえた。
(お客さんかな?)
そう思いながらも言われたことを思い出して、キッチンに向かった。
冷蔵庫の中は…卵、牛乳、砂糖、バニラエッセンス、と水道水か。
「いやピンポイントでプリン作れるじゃん…作ろうかな」
材料
卵…四個
牛乳…400ml
砂糖…120g(カラメルは50g砂糖を使うよ)
水…60ml
湯…大さじ2
バニラエッセンス…少しの量
まず…鍋を用意して砂糖と水を合わせて、火にかけて飴色にする。
飴色になったら鍋を火からおろし、お湯を加えて混ぜる(ここ地味に面倒くさいんだよね)んで、プリンの型にカラメル入れて冷蔵庫に入れる…っと
んで次は鍋に牛乳と砂糖70gを入れて沸騰しないように砂糖を溶かす…(あ、やべ焦げそう)
セーフだった…危ない
次にボウルを用意して卵を割り入れよく混ぜる…(腕辛い)で、さっきの危なかった奴を粗熱とってから入れる…混ぜて漉す。(バニラエッセンスもこの時加えようかな)
漉したプリン液をカラメルを入れたプリンの型に入れて、天板に置き、オーブンの中に入れて…あっつ!(熱湯七分目まで注いだらこぼれた)170度で二十分蒸し焼きにする。
焼き上がったら粗熱とって冷蔵庫にしまう…と冷蔵庫にしまったその時
「買います!!絶対買う!」
「それでは代償をくださいな」
「んーとタピオカミルクティーでいい?」
「タピオ…?」
「あれーおねーさん知らないのか」
「まあそれでいいでしょう。はい
かりめん…?仮面じゃなくて?
僕は気になって仕方がないのでドアの隙間から覗くとこにした。
そこに立っていたのは
明らかに高校生ギャル系の金髪の人。
バックには流行の物がたくさん飾ってある。(まさに女ギャル)
金髪の人はその商品を受け取ると
足早に店を出て行った。
そして金髪の人が行ったあと…僕は女の人に聞いた。
「あの人が持っていった商品って何ですか?」
女の人は少し黙って話し始めた。
「あれは仮面(かりめん)という
結構昔の妖怪《あやかし》の仮面女
というのをモチーフとした商品で」
「あの仮面を被ると
「理想…」
「あの子の願いは
というものでした。」
確かに自分の顔を理想のものにしたいという人は多いと思う。これは凄いな…
「あの子の代償はタピオカ…?というものでしたが、そんなに大事なものなんですかね」
「あー…それ普通にお店で買えます」
「あ…そうなのか」
女の人ギャルに騙されて可哀想と思った僕なのでした。
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