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昔、人狼が現れる時代に、一匹狼がいました。
彼は夜な夜な人を食べていたがまさかの赤ちゃんを噛んだ日、その赤ちゃんは呪われ人だった為、感染して狼になってしまった。
どうしようと自分で育てるにしても狼なのに狼の言葉を話せない一匹狼は、森の深くに住む、狼の崇拝者、狂人の家の前にノックをして人狼になりたての赤ちゃんを置く事になりました。
誰だと開けた狂人は扉を開けたら人はおらず、悪戯かと思って閉めようとしたらそこには籠の中に赤ちゃんが。
狂人は1発で、狼になりたての赤ちゃんだと分かって預かる事に。
育てる為には人の肉を食べなきゃいけない。そうして狂人が食事として人の肉を調達して生肉を小さくきり、あげる事に。
大丈夫かと不安になりながら小さな一口サイズをあげた瞬間にモグモグと食べる赤ちゃん。
嬉しくなって顔を明るく笑顔になった狂人は懸命に育てていきます。
そうした中、狂人の正体を知る一匹狼は度々家によって窓際から覗いては良かったと幸せそうな笑みを浮かべて帰る。
赤ちゃんは成長する度に窓に映る一匹狼を見ては誰だろうと首を傾げてはすくすくと大きくなったある日、17になった時、狂人に尋ねました。
『貴方は人間ですよね?俺の父や母は誰ですか?』
育て親として複雑そうにしかし、寂しそうに狂人は口を開きます。
『お前の両親は実は遠い場所にいるんだ。俺にお前を預ける日に人に狼だってバレたら家族共々殺される。だから、この子を育ててくれと言われて人である俺といれば占い師がきても俺は白しか出ないし、俺の子供だと言えば占い対象から外れる。お前を守る為にお前の母さんと父さんは離れるという辛い決意をしたんだ』
狂人は優しい嘘をつきました。捨てられたなんて聞いたらきっと泣いてしまうと悟ったからでしょう。
それを聞いた17歳の狼の男の子は寂しそうに俯きながら、いつか両親に会いたい。育ててくれた事には感謝してるが、自分は何者だろうと。
そうこうしてる内にとある日に新聞が配達されました。新聞には例の一匹狼が狼として疑惑があり、占おうとした所、今住む森から走る様に逃げ去って、お城のある町へと逃げた事。
狼の男の子は直感で、家族だと思い、夜中にリュックサックを背負って育て親の狂人へ手紙を置いて、こっそり家を出ました。
“狂人様へ、俺は父と母を探しに行きます。俺は貴方に育ててもらって本当に幸せです。何も利益も無いのに狼である俺に毎日食事やお風呂、愛情、沢山の物を与えてくれました。俺の両親は俺が狼だってバレない様に貴方に託したみたいですが、貴方が狼の味方をしてるとバレたら、貴方も処刑されてしまいます。だから、俺は貴方の為に家を出ます。今まで有難う”
狼の男の子も嘘をつきました。
この手紙を見た狂人は泣いて泣いて手紙の文章は滲んで、彼と過ごした日々を思い出す様に写真を抱きしめて眠りました。