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空が明るい。朝か?
昨晩はあまり寝れなかった。
というより、一睡も眠れなかった。
Xをぼーっと見るだけ。
我ながらツイ廃だと思う。
X、というより、SNSは面白いものだが、それのせいで眠れない。というのは少し困る。
まあ、自分自身の問題なのだが。
ふとスマホの時計に視線を移すと、時刻は7:30と表示されていることが分かる。
出勤は9:00。電車で30分かかるから8:10には出たい。よって、残された時間はまあまあ短い。
そう判断した俺は、ベッドを出た。
物や雑貨はあるものの、相変わらず部屋は無機質な空間である。
俺にとっては暮らしやすいが、他人がみたら無機質すぎて不安になるような部屋だろう。
とりあえず、朝食を摂ろう。
先日買っておいたパンがあるはず。
そう思い、冷蔵庫を開ける。
ほとんど空だ。
誰が見てもそう思うだろう。
「はぁ…」
一応パンはあるから、今日はそれでいいが、
明日からが問題だ 。
今日買い出しに行かないと困る 。
仕事の帰りにコンビニかスーパーかに寄ろう。
そう思いながら、パンを手に取った。
時刻8:00。
出発するには少し早い。
と思い、ソファーに腰を下ろす。
無意識にXを開き、スクロールする。
事件とか、お役立ち情報とか、アイドルとか …
どうでもいい物ばかりのはずが、無意識に見てしまうのが人間なのだろう。
いや、俺だけか?
というのはどうでも良くて。
気づいたら時間が近付いている。
会社のバッグを手に持ち、時計と一応の眼鏡をつけ、近所の駅に向かう。
バッグの中にはメモ帳、ペンを入れているポーチ、リングファイル、スマホと財布。
忘れ物は無いだろう。
はぁ、憂鬱だ。
満員電車で、押され、揺られる。
日常ではあるが、そろそろ脱出したい。
が、こんな俺を雇ってくれる会社なんてだいたいブラックのみだろう。
まあ、既にブラック気味だが..。
「次は〜 ーーー….」
電車内が妙にざわついているせいで、アナウンスが全く聞こえていない。
別に支障はない。降りるタイミングは体感でわかる。
30分ほど電車に揺られ、降りる駅に着いた。
未だざわついている電車内を後にし、早足で会社に向かう。
「おはようございます 」
「おはよう、若井くん。机の上の資料からスライド作って、お客さんにメール返して、資料作ってね。終わんなかったら残業か家でしてね。」
「. …..はい。」
お前よりずっと多くやってるのに…
もういい。始めるか. .
えーっと、資料 ….。
……
机の上のメモを読み直す
・スライド
・メール返信
・資料作り
「くそ…。」
上司にバレないよう、そっと呟いた。
時刻は12:00。
退勤は17:00….計算上だが。
普段残業して25:00に帰る。
あ、スライド終わった。
次は . .、メール… 。
午後18:00。 メール返信が終わった。
ここからが難関。資料作り。
正直腰が痛い。
彼奴はもう帰えるようだ。
「若井くん、お先ね」
「お疲れ様です。」
憎い。殺したい。
「…..ふぅ..」
時刻、22:00。
資料作り、終了。
笑い事じゃない 。勤務時間どうなってるんだ。
この会社本気でまともじゃないぞ 。
そうやって頭の中で警報は鳴るのに、行動に移せない自分が1番憎い。
早く辞めたい。
そう思い、帰宅する準備を始めた。
退職届を出す予定はまだない。
会社からの最寄り駅は、朝よりもずっと空いていた。
いるのはサラリーマンと浮かれた酔っ払い。
その中を割ってつかつかと歩いていく。
楽しくない…。
繰り返し、繰り返し。
どうにか変えたい。
変わらない。
変えれない..。
半ば鬱状態で電車に揺られていた 。
「次は ーーー駅。ーーー駅です。右手のドアが開きます。」
「……」
俺は早足で家路についた。
いや、家路ではない。
「確認」がしたかっただけだ。
駅を出ると、家と反対方向に向かう。
大通りの左手、こぢんまりとした花屋。
開いているだろうか…?
「あっ、!」