テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
昼休み、一年生A組の教室はいつも通りのざわめきに包まれていた。しかし、今日はいつもと少し様子が違う。
「ねぇ、聞いた? ミユ先生とコビー先生、絶対付き合ってるんだって」
その言葉をきっかけに、次々と生徒たちの間で話が広がる。
「マジで? 職員室でも距離近かったし!」
「放課後も二人だけで教室に残ってたって……」
教室全体が、小さな噂でざわつく。コビーとミユのちょっとした仕草や視線のやり取りが、すべて証拠に見えるのだ。
放課後、教室で資料整理をしていた二人も、この噂の拡散を知らずに作業を進めている。
「……あの生徒たち、今日は妙に目が光ってるね」ミユは鋭い視線を巡らせ、警戒を強める。
「ええ、油断できませんね」コビーも穏やかに微笑むが、内心では少し緊張している。
その直後、女子生徒のひそひそ声が廊下から聞こえた。
「やっぱり先生たち、付き合ってるんじゃない? この前の放課後とかも見たし」
ミユはすぐに教室の窓際に移動し、鋭く生徒を見渡す。
「……さもないと、明日の課題が増えるわよ」
コビーは資料を手に取りながら、優しくミユの肩に触れる。
「大丈夫です。今日はまだ噂で終わっているだけですから」
しかし、生徒たちはますます興味を増し、話題はあっという間に広まっていく。
「今日も先生たち、なんかイチャイチャしてたって!」
「もう絶対カップルだよ!」
二人は互いに小さく目で合図し、表面上は何事もなかったかのように振る舞う。
ミユの厳しさとコビーの穏やかさが、生徒の観察眼をかろうじて抑え、秘密を守っているのだ。
しかし、日常の中での小さな仕草や微笑みは、少しずつ生徒たちの間で「先生カップル説」を確実に固めつつあった。
教室の静けさの中で、二人はわずかに肩を寄せ合い、秘密の恋の存在を静かに確かめる。
生徒たちの興味が高まる中、二人の関係はますます特別で、そしてスリリングなものになっていった。