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地雷さんや苦手さんは🔙
⚠️本人様とはなんの関係もありません
ここから伏せ字なしです
これは彼の、僕に対しての忠告だった。
「甲斐田さん、入ってはダメですよ」
…僕はこの意味を知らなかった。
【甲斐田晴 KEEP OUT】
僕の名前は甲斐田晴。
今日はろふまお塾の収録日だ。
そのため今は事務所に行く支度をしている。
「あ!そういえば…!」
最近の僕には朝のルーティーンがある。
それは…
「おはよ〜…ハヤトくん、!」
そう言って、僕は棚の上に置いている茶色いクマのぬいぐるみを両手で持ち上げる。そして、ぬいぐるみを思いっきり抱きしめた後、また棚の上に戻す。
収録に行く前にぬいぐるみを抱きしめる。
これが僕の日課だ。
このぬいぐるみの名前は“ハヤト”。
あの人の名前と同じではないかって?
…ぬいぐるみにこの名前をつけたのは、僕なりの理由があるのだ。
僕は、加賀美ハヤトが好きだ。
この気持ちに気付いたのは多分、ろふまおを結成してからすぐくらい。最初は尊敬に近かった気持ちがいつの間にか恋心に変わっていた。
…彼は、人気者だ。
人脈が広く、人望がある最高の人。
僕はそんな人に告白する勇気もなく、何年も片想いを拗らせ続けている。
そんな彼に3ヶ月ほど前、
収録終わりにあるものを貰った。
それがこのクマのぬいぐるみだった。
「甲斐田さんがよければ、貰っていただけませんか?知り合いから貰ったのですが…どうしても家の雰囲気に合わなくて」
彼が渡してきたテディベアのぬいぐるみは、確かに彼のカッコいい雰囲気の部屋には、到底似合わないだろう。
そこで僕が貰うことになったのだ。
好きな人から貰った、僕の大切なもの。
…ハヤト
僕はそれから、彼に絶対伝えることの出来ない自分の気持ちを、このぬいぐるみを“加賀美ハヤト”だと思って、毎日気持ちをぶつけるようになった。
そして、今に至る。
「でも、コイツに気持ちぶつけてても…虚しくなるだけなんだよね」
収録前、毎回ハヤトくん(ぬいぐるみ)を抱きしめているのは…本人と会った時に気持ちを抑えられるように、今のうちに全て欲を吐き出すため。
いつか、
この気持ちを自分の中から捨てなければいけない。分かっているが…実行できない。
時計を見ると、いつの間にかいつも家を出ている時間になっていた。
「…そろそろ行かなきゃ。ハヤトくん、行ってくるね」
パタンッ
ジジッ…
「おはようございま〜す」
僕が楽屋のドアを開けると、いつも通り…僕の想い人が既に楽屋に居た。
「おはようございます、甲斐田さん」
「…っ」
彼のニッコリと笑う顔を見ると…どうしてもドキリとしてしまう。ダメだ。この感情は捨てなければ…存在してはいけないものなのに。
僕は思い切って彼から目を逸らして、自分が持っている荷物をしまいに行った。
すると、突然後ろから
「あ、そういえば甲斐田さん」
と彼から声をかけられた。僕は少し動揺して「は…っはい!」と返してしまう。
それが面白かったのか、「はっはっはっ」と笑いながらこちらを見ていた。
「なんで声かけただけで、そんな動揺してるんですか」
「だっだって…!びっくりしたから…」
「それは失礼しました笑。あの、甲斐田さんが良かったらなんですけど…」
「今日、私の家に来ませんか?」
「…へ?」
いつぶりだろうか。
彼の家に行ったのはもう随分と前のことだ。
…正直、好きな人の家に行けるのはとても嬉しい。嬉しすぎる。
「そ、それって不破さんともちさんも来るんですか?」
「いえ、甲斐田さんのみです」
「…はい?」
どういうことだ。
ろふまおメンバーで行くのではないのか。
今まで彼の家に行く時は、必ず誰かと一緒だった。
…なのに、一対一?そんなの耐えきれない。もしうっかり想いが溢れてしまったら…もう彼とはやっていけない。ろふまおも解散になるかもしれない。
「でも、何で急に…」
「何か理由がいるんですか?私はただ、甲斐田さんと宅飲みしたいだけです…ダメですか?」
「う”っ…」
社長が少ししょんぼりとした顔でこちらを見て来る。好きな人にそんな顔されたら、そんなの…!!
「いっ行かせてもらいます…」
「ふふっ良かったです。じゃあ収録後、すぐに行きましょうか」
…好きな人の家に1人で行くことになってしまった。
そして、ろふまお塾収録後。
「今回もキツかったですね…」
「ゴリラでも体力消耗されるんですね」
「剣持ぃ?」
皆、地獄の8本撮りで疲れ切っていた。
「甲斐田ぁ〜…今日久々に俺ん家で飲まね?」
「えっ…」
突然、不破さんから誘われた。
「なんで今日なんすか?」
「だってお前、今日配信ないやん。な?」
…今日は加賀美との先約がある。流石に断らなければいけない。
「不破さん、ごめん!今日は先約あってさ」
「…そーなんや。ならええわ」
そう言うと、不破さんはそっぽを向いてしまった。少し、申し訳ない気持ちが溢れた。
そうして、
僕は社長の家に行くことになった。
「あ、買って来たお酒はそこの机の上に置いていてください」
「はーい」
…それにしても、やっぱり彼の家はデカい。
タワマンなだけあって、リビングや玄関などは広すぎるし、部屋がいくつもある。
いつも通りに振る舞わなければ。
変に意識してしまうと、空回ってしまう。
この想いだけは、隠さなければ。
「あ、しゃちょ〜!トイレ借りてもいいですか」
「いいですよ。場所分かります?」
「…多分覚えてます!」
部屋がいくつもあって、正直どこがどこの部屋なのか分かっていないが、ドアを開けていけば分かるはずだ。
「確かここだっけ?」
ガチャリとドアを開けると、そこは物置き部屋だった。たくさんの物が置いてある。
「違ったか。あんま覗かない方がいいよね。人の家だし」
ドアを閉めて、改めてトイレの場所を探す。
それにしても部屋が多くてどれだか分からない。
「ん…?なんか此処、ちょっとだけドアが開いてる…」
真っ暗な部屋のドアがほんの少しだけ開いており、隙間ができていた。
「なんの部屋なんだろう…」
単純に気になったし、トイレかもしれない。
そう思い、ドアノブに手をかけた。
「甲斐田さん、入ってはダメですよ」
ドアを開ける直前、ドアノブの上に置いていた手をいきなり掴まれた。
「へ、社長?」
彼が僕の手首を掴みながら、笑みを浮かべていた。
「甲斐田さん、そこには入らないでください」
彼はいつもより少し低い声をしていた。
僕は…わずかに怖いと思ってしまった。
「あ…ごめんなさい。入られたくないところもありますよね、トイレが見つからなくて…」
「…トイレの場所分かるか聞いたでしょう。素直に分からないって言えば良かったのに」
「うぅ…すみませんでした…」
僕がそう言うと彼は掴んでいた手を離した。
「…そういえば、この部屋なんですか?」
「…ここは絶対に入らないで欲しい部屋です」
そこから僕は無事トイレに行き、2人でお酒を飲み始めた。
僕は好きな人である社長と飲めること、久々にお酒を飲むことが嬉しく、沢山飲んでしまった。
「…え”!?」
気がつくと、僕はソファに横たわっていた。
いつの間にか寝てしまっていたようだ。
リビングにある時計を見ると、今は深夜1時のようだった。
「…流石に泊まりはやばい…帰らなきゃ、」
まだ酔いが回っているのか、立ち上がるとふらふらしてしまう。
「…そういえば、社長どこ?」
起きてから辺りを見渡しても、彼の姿が見当たらない。別の部屋にいるのか。
僕は不安定な足取りで、彼を探しに行った。
だが、
どの部屋を覗いても彼の姿はなかった。
後覗いていないのは…彼に「入ってはダメ」と言われた、あの部屋だけだ。
「…多分いるよね、?」
入ってはいけない…分かってはいるが、流石にお暇させていただくわけにはいかない。
それに、後で怒られればいい話だ。
僕は一応、ドアに耳を近づけて、物音がするかを確認した。
『あっ…んっ…♡ハヤトさ…♡好き♡』
「…え」
ドアの向こうからしたのは、僕の声だった。
『ハヤトしゃ…♡はぅ…んん♡』
「…これって…僕が家で…」
この声は…僕だ。
…僕が自慰している時の…。
何故、?何故…?
羞恥心と、恐怖心が一気に頭を襲ってきた。
…開けなきゃ、
僕はドアノブに手をかけた。
「甲斐田さん、入ってはダメですよ」
「っ!」
部屋の中から声がした。
彼の声が。
「な、中で何してるんですか社長!!」
僕が大きな声で彼に呼びかけても、返事がない。ただドアの向こうで喘ぎ声が聞こえるだけだ。
流石に、もう限界だった。
「…開けます」
ガチャリ
「へ…?」
「ああ、だから入ってはダメですよと言ったのに。私からの忠告を無視しましたね」
ドアを開けると、
そこには…
部屋一面に僕の写真が貼ってあった。
それも、全て盗撮写真のような物ばかり。
大きなベッドの横には机があり、
パソコンから動画が流されていた。
「嘘でしょ…」
そこには、僕が家のベッドの上で自慰している様子をばっちりと映した動画が、垂れ流されていた。
たまらず、僕はパソコンを慌てて閉じ、電源を切った。
「…社長、なん、で…こんな、こと、」
震えて上手く喋ることができない。
足も震えて、
その場にしゃがみ込んでしまった。
そんな僕を、
彼が見下ろして不気味に笑っていた。
怖い。
怖い。
怖い。
「貴方がいけないんですよ?私、気持ちを抑えていたんです。だから、忠告もしたのに」
そう言うと、彼は棚の上に置いてある物を手に掴んだ。
それは…注射器だった。
「いっ…嫌!!ねぇ、社長…!!」
「“入ってはダメですよ”。でも、貴方は入ってしまった…私の気持ちを受け入れてくれるってことですよね?今まで隠してきた気持ちを…ははっ…嬉しいです♡」
「まっ、待って!!お願い!!!ま…」
突然、彼にキスをされた。
喋っていた途中だったため、容易に舌を入れられた。
「はっ…んんっ///しゃ…んぅっ」
「はぁ…ふっ…」
前の僕だったら…嬉しい行為だったのかも。
でも、今の僕には恐怖でしかなかった。
「あぅ…///社長!やめ…て、」
「何故です?貴方も私のこと好きでしょう?必死に私の名前を呼んで、自慰する姿は本当に魅力的でしたよ♡実は、毎回私のオカズにして抜いていたんです」
「な…どこで、あんなん…!盗撮…!ここにある写真も、全部…!」
「クマのぬいぐるみですよ。あれに、盗聴盗撮カメラを仕込んでおいたんですよ。ハヤトくんって…嬉しかったですよ?♡」
「は…」
ああ、もう全部…
社長は手に持っていた注射器を、僕の首元に持って行き、針を当てた。
「大丈夫ですよ…♡すぐ気持ちよくなりますから」
「…甲斐田くんどこ行ったんだろうね」
「…心配よな」
ここは、ろふまお塾の楽屋。
収録前だがまだ1人、メンバーが来ていない。
「飲みに誘った日以降、連絡つかんのんよな」
「え…それ結構やばくない?だって前の収録3日前でしょ」
「社長は甲斐田と連絡取れたん?」
「…いえ。取れませんでしたよ」
「帰りました」
私が家に帰ると、
あの部屋から微かに声が聞こえてくる。
手洗いや服着替えを済ませ、声が聞こえる方へ向かう。
ガチャリ
「晴…♡帰りましたよ」
「あ♡んん…///はぁん♡はやと、しゃ///」
「どうですか?ローター、気持ちいいです?」
「うん♡きも、ちい…///これ、しゅきぃ///」
私は、
甲斐田晴という愛おしい人を監禁している。
もちろん、誰にも言っていない。
私が外出している間、逃げないようにと足を鎖で繋ぎ、ナカのローターをつけっぱなしにしている。
…まあ、逃げることは絶対にない。
私が打ち込んだ薬は強烈な惚れ薬兼媚薬。
裏ルートでしか手に入らない物だ。
1年前くらいに知り合いに頼んでいて、
やっとこの間手に入った薬。
晴は、私のことが好きすぎて
逃げるという判断ができなくなっている♡
毎日毎日愛を育み、愛しい日々を過ごす。
本当に幸せだ。
「はやとしゃ…♡はるぅ…んっ、もう…がまん///でき、ないよぉ…はっ、ふぅ♡」
「ははっ…♡今挿れますよ」
こうやって向こうから求めてきてくれる。
『甲斐田さん、入ってはダメですよ』
この忠告を破って、
晴は自ら私のモノになってくれた。
私の愛情を、受け止めてくれた。
「…ずうっと一緒にいましょうね♡」
甲斐田は行方不明になった。
そこから、ろふまお塾も休止となり…
同期の2人や俺たち、他のライバーも必死に甲斐田のことを探しているが、一向に見つからない。
「…いつまでも落ち込んでいても仕方ないよ」
「そうですよ。気分転換でもしましょう?」
もちさんと社長が、激しく落ち込んでいた俺を励ましてくれる。
もちさんも、泣きそうな顔をしているのに。
社長は
…何故か、少し笑っているように見えた。
そうして俺たちは、
社長の家に行くことになった。
励ましパーティーみたいなものだ。単に社長の家がデカいという理由で、彼の家ですることになった。
そして、もっと沢山甲斐田の情報をみんなで協力して集めるということも行うつもりだ。
「あ、社長〜トイレどこやったっけ?」
「僕もトイレ行きたいんですけど」
しかし社長は「少し待っていてください」と言って、どこかの部屋へ行ってしまった。
しばらくして
帰って来ると、俺たちを案内してくれた。
「ねえ、ふわっち。ここの部屋さ…」
「さっきから物音がするんだけど」
「物音…?」
俺たちは気になって、
その部屋のドアを開けようとした。
「剣持さん、不破さん、
入ってはダメですよ」
end
最後まで
読んでくれてありがとうございました!
ちなみに、加賀美が剣持と不破を案内する前、甲斐田のところに行き、無理矢理喋れないように口にガムテープを付けて、手を紐で縛っていました。
甲斐田は加賀美に対し、愛情というよりも依存という気持ちが強くなって、本当の気持ちがなくなりました。
短編でしたー!
なかなか連載の方内容が長くなりそうで、
もう少し待っててくださいー!
それより、今日の超重大発表楽しみですね!
では、また!
コメント
4件
こういうのもマジガチ好きです!(*^ω^*)
これぞ ほんと の 「 ずうっといっしょ 」って こと !?!?