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疲れてしまった青さんに寄り添う桃さんの話
青さんが少し病んでます、最初の方はほとんど話しません
関東生まれ関東育ちなので方言等はエセです、正しくありませんので目をつぶってください
名前お借りしてますが、本人様とは何一つ関係ありません
非公開での反応を徹底していただけると嬉しいです。
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時計の針が0時を回り街も眠りに付き完全に暗くなった頃、ようやく愛する自宅へ帰ってきた。
遅くなるかもとは言ったもののここまでになるとは自分も予想していなかったからまろには悪いことをしてしまった。
あいつ、飯ちゃんと食ったか?風呂入ったか?シワになるからスーツは脱いでて欲しいな、なんて次々と恐らく疲労困憊であろう恋人への心配事を考えていたらなんだか無性に会いたくなってしまい足を速める。
「ただいま〜、ごめん遅くなった」
あれ、部屋の電気付いてない。
まだ帰ってないのかな?今日は会社の飲みとかも入ってなかったはずだけど、、、
最近忙しそうだったから疲れて寝ちゃったのかも
「まろ?寝てんの?」
万が一寝落ちしていたとき起こしてしまわないよう電気を消したままリビングの扉を開くと、暗い部屋のなかにうっすらと人影が見えた。
寝てはいないようだが、電気も付けずソファで縮こまっている姿を見て「あ、今日はやばい日だ」なんて考える
まろには定期的に限界が来る
そりゃ、人間だから当たり前なんだけど普段は『ないこた〜ん、疲れたよぉ〜』なんて泣きついて少しずつ発散している疲れが溜まりに溜まってメンブレする時があるのだ。
言い方は悪いがこの時のまろは少し厄介で、普段はあんな甘えっ子ぶりっ子をできるクセして誰かが聞き出して慰めてやらないとなにも自分から言い出さずに1人で抱えて押し殺してしまう。
そこで恋人である俺の役目である
普段から疲れを隠すのが得意なまろと違って俺は疲れが顔に出やすいし、まろの察し能力が高すぎて限界が来る前にいっつもケアされてる。そのお返しをこういときにしておくのだ。
「まーろ、ただいま、ちょっと暗いから電気つけるね」
「、、、」
「思ったより遅くなっちゃった、でもね今回決まったコラボは俺たちにとって結構大きいものになると思うよ」
「てか聞いてよ、今回の企業の上層になんかすっごい嫌な感じの人がいてさぁ。どうせネットで遊び半分でやってる集団だろーって、俺たちはこんな真剣なのに」
「でもねぇ分かってくれてる人もいたよ。そういうときに思うよね、頑張ってきて良かったって」
このモードのまろに色々聞き出すのは得策ではない
元々自分の話をするのがあまり得意ではないタイプだから、聞き役に徹してもらって話したいって思ってくれるタイミングを待つのが一番だ
俺が話す時はいつもいい感じに相槌を打って、励ましてくれて、一緒に怒って喜んでくれる彼から返事がないのは正直寂しいけどちゃんと全部聞いてくれているのは分かっている。
「そういえばご飯が食べた?俺は今からだけど、こんな時間だし食べすぎたら太るかなぁ」
「、、、」
「食べてる俺見るの好きなの?そっか、じゃあ今日はチートデイにしちゃお」
長年一緒にいれば黙ってたって視線の意味は察せる
ま、正直分からないときもあるけど状況から判断すれば言いたいことは大体分かる
こーゆー意思疎通はほんといむしょー凄いよなぁ。今度教えてもらうか、参考にならなそうだけど
「まろも一緒に食べよ、色々買い溜めてるのがあるし、この間アニキが作り置き何個かくれたんだよ」
「、、いただきます」
「いただきまーす!」
いただきます、とかはちゃんと言うところに育ちの良さを感じる
こうやって爆発するまで溜め込んじゃうのは幼少期から真面目な家庭で育てられたのもあるのかも
まろの御家族とは数回会ったことがあるが、暖かくていい家族だったけど、厳格な感じで俺の母さんみたいな緩さはあんま感じなかったから。
きっと小さい頃から認められるために頑張ってきたんだろうな、努力を見せれば褒めて貰えるだろうにそういう泥臭いところは隠して。
「そういえば今日事務所で会ったんだけどいむがなんか伝えたがってたよ、歌ってみたの話だったかな。伝えといて〜って言われたけど忘れちゃった、あとで聞いといてやって」
「そうそう、いむで思い出したんだけど最近りうらとほとけ仲良いよな〜。なんかりうらオタクなのは俺と変わりないのに、全然嫌がられてなくて羨ましいよ」
「、、、」
「どうしたのなに、嫉妬?可愛いとこあんじゃん、心配しないでよー、りうらへの愛は本物だけど俺が愛してんのはまろだけだからさ」
「というかそんな目で見てくるけど、お前も最近アニキに好き好き言い過ぎな」
あ、ちょっと笑った、俺が嫉妬してるって知ってニヤニヤしてんな
俺は大人で広い心を持ってるとはいえ恋人が他の奴にずっとメロメロになってていい気になるわけがないだろ
なんて、思いを込めてブスくれた顔をしてやる
「あれ、今気付いたけどお風呂もう入ったの?パジャマになってる」
「、、まだ」
「えー風呂キャン?お互い満員電車で絶対やばいよ、一緒に入ってあげるから入ろうよ」
「ん、、、」
「なんかまろと風呂入んのとか久しぶりだね、普通に成人男性2人入るには狭いよなー」
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「いふさん、ちょっと暑いんで離れてくれん?」
「いやや」
「なんでだよ、せっかくの風呂なんだからゆったり入ろうって〜」
確かに成人男性2人がのんびり入れるほどの広さはないが、少しは余裕があるはず。
はずなのに、まろの足の間に座らされてピッタリ後ろから抱き締められている
こういうシチュエーションって普通のカップルだったら盛り始めるんだろうなーなんて思うけど、生憎お互い疲れていてそんな体力はない
確かに素肌が密着している感覚はなんだかむずむずするけれど
「ちょっ、肩に顔埋めないで!髪の毛がくすぐったい!」
「、、、」
「もー!ちょっと話すようになってきたのにこういうときばっか黙って!」
全くこいつは、、、
聞いてくれる様子もないので放置しておくことにしよう、湯船に浸かっていないはずの俺の肩から水滴が流れ落ちていることは見て見ぬふりをしてやる
今すぐ頭を撫でてお前はよくやっているよと伝えてやりたい衝動を抑える。まだ、その時じゃない。
今やったら多分何も話してくれないだろうから、俺が慰めてやったことに満足してきっと抱えているものを発散できないだろうから。
でもいい兆しだ、少しは返事するようになったし涙も出たしそろそろ話してくれるだろう。
普段だったら鼻歌どころではない歌が響いてライブのようになっている浴室に、お湯が揺れる音とまろが鼻を啜る音だけが反響していた。
「今日はもう寝ようよ、洗濯とか残ってる家事は明日の俺らに任せちゃお」
「ほら、おいでおいで」
2人で寝れるようにって家を買う前から2人で悩みまくって厳選したキングサイズのベッドに腰掛ける
疲れをとるのに良質な睡眠は必須だ、俺たちの生活を支える大切な大切なベッドである。
まろも俺の隣に腰掛けて、2人でボーッとする。
勝負はここからだ、俺が疲労のあまり寝落ちする前に話し始めてくれ。
ここからはひたすら待ちの姿勢でいるしかない、不用意に突かずただお前の隣にいるよってことを示してやるだけでいい
「、、、、ないこぉ」
「ん?」
「ないこ、、、ないこ、、」
「大丈夫、ここに居るから。疲れちゃった?」
「おれ、もう無理かも、頑張れない。何やってもダメや、上司のミスも補えないし、リスナーのみんなの期待にも応えられてないのかもしれへん。もっともっと頑張らないといけないのに、俺がみんなの中で1番ダメなんやから、みんなより頑張らなあかんのに、俺もう頑張れない、もう無理やぁ、、、」
「まろは十分頑張ってるでしょ?ずっとお前の隣で見てきた俺が言ってるんだから間違ってるはずがない。大体上司の尻拭いとか、まろがやらないといけないことじゃないでしょ、テメェのケツはテメェで拭けって言ってやれよ」
「まろは1番ダメっていうけどなんでそう思うの?俺たち6人全員持ってる武器違うんだからさ、比べられるもんじゃないよ。ほらいむみたいに唯一無二の声も持ってないし、初兎ちゃんみたいにラップがうまかったり作詞できたりするわけじゃないけどさ、あいつらだってまろにはなれないんだから。あいつらバカだしな、俺らになれる可能性ゼロよゼロ」
「せやけど、、、」
「ね、まろはさ頑張れないっていうけど、頑張らなくてもいいんじゃない?正直俺から見たら今のまろは頑張りすぎなくらいだし、この約5年間一回も休まずに走り続けてんだから、ちょっとくらい休憩したって誰も怒んないって。怒る奴がいたら俺とアニキでボコボコにしてきてやるよ」
「なんそれ、、w。アニキ巻き込まれやん」
「ちょっと単独で乗り込むのは自信ないからアニキ連れて行かないと、きっと熱々に熱したフライパン持ってきてくれるよ」
「怖すぎ」
「普通に死を覚悟するよな」
「、、、俺みんなの前に立ち続けてええんかな」
「当たり前でしょ、みんな他の誰でもないお前を求めてんの。それはリスナーもだし、俺たちメンバーもだよ」
「試しに『あ』とか投稿してみ、まろのことが大好きな人たちからいっぱい反応くるよ」
大方アンチコメントでも見かけたのだろう
普段はなんとも思わなかったとしても、疲労で精神が参ってるときに見るアレは中々心にくるからな
しかもそっから色々考え込んでしまう、うちのメンバーはそういう奴が多い
「嫌なコメント見た時はねぇ、頭の中でお前どこの誰だって歌うといいよ」
「ないこは強いなぁ、、」
「まろのおかげでね、お前がいなかったらとっくに全部辞めてる。俺のちょっとした変化にもすぐ気付いて悩み事全部ぶっとばしてくれるからだよ」
「俺はさ、まろみたいに小さい変化気付けないからもっと日常的に分かりやすくしてよ、ばぶまろに逃げてないで」
「ばぶまろを逃げっていうのやめてくれん?」
「幼児退行モードにならないと正直になれないくせによく言うわ」
「ま、なんて言われたのかは知らないけどさ。例え全人類がまろのこと嫌いになっても俺は絶対お前の隣にいるから。一生隣で、しつこいくらい、まろのことが好きで必要で大切で愛してるって伝えてやるから安心してよ」
「ぅ、、、」
そう言って笑いかけると、まろは顔を歪めて嗚咽しだす
大人になってから泣くことってほんとにないからな、泣き方忘れるんだよ
「も〜、泣くの下手すぎ、ちゃんと息して」
「うぅ〜、、ひぐっ、、、ぐす、、、」
「なんでこんなになるまで溜め込むかなぁ、、、俺ってそんな頼りない?」
「そういう、わけっ、ちゃうけどぉ、、、」
「ごめんごめん、意地悪言った。言えないんだもんね」
「もう、そんな擦らないの、明日腫れるよ」
一回出たら止まらないのか涙が止まらなくなっているまろをベッドに倒し、電気を消して俺も横になる
もう寝て、全部忘れよう
「ほら、もう寝よ」
「ん、、、」
「俺たちはこんな疲れてても社会は回ってるからさ、明日は来ちゃうし。明日の朝ギリギリまで寝て、一緒に出勤しよう」
「、、せやな」
「あ、仕事行きたくないとか思ったでしょ」
「そりゃ思うやろ」
「はは、そうだね。可能なら俺も昼まで寝てたいよ」
「2人でブッパしよや」
「バカ言わないの、大きいコラボ決まったって言ってるでしょ。まろも慕ってくれてる後輩がいるのに無断欠席とかカッコつかないよ」
「それもそうやな」
「でしょ?だから少しでも長く寝れるように、もう寝よ」
「ん、おやすみ」
「おやすみ、愛してるよ」
「俺も愛してんで」
「知ってる」
こんなにお互い大変な夜だったんだから、翌朝本当に2人してギリギリに起床しドタバタ準備しながら家を出たことには目を瞑って欲しい。
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