テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する


















…目が覚める

いつもと変わりない薄黄色な部屋……


(じゃない…?………!!!?!)


「っぐ……ぅぅ”う”う”う”……!!!」


ようやく何かが変化したことへの反応よりも早く、全身の痛みにその場で縮こまってしまう

これまでの繰り返しで幾度も死を繰り返してきたことで痛みには人以上の耐性は持ち得ているが、それでもこの痛みには身悶えしてしまう。


…十数分経っただろうか

体感数時間後にようやく収まってきた所で、ようやく現在の状況を整理し始めた


(…来ている服は初期スーツ、そして警棒。何故か怪我の一つも無し。

…それ以上に…)


軽く辺りを見渡す

死臭が空気中を満たしているこの場は、薄汚い建物に囲まれつつも広大であった。

天井が無いことに違和感を覚える


「………。」


明らかにメインルームでも廊下でもエレベーターでもない

ならば…


「…L社の…外?」


直前の記憶を辿る


(アブノーマリティを……私が産みだした?

確かに一部アブノーマリティは人間から生まれることもあるけど…だとしても既存のアブノーマリティが生まれるの?


…いやそもそもどうして外に…)


そこまで思考が働いた所で、私は今最も大事なことを思い出す


「…!!ハンス!!! 」


(私だけがL社の外へ出られた訳ない。なら何処かにハンスも居るはず……

なら、私がするべきことは…)


今すぐにでも走り出そうとするが、そもそもこの場所が何処かも分からないことに気付く


「……もう少し探索してみよう。」




多少辺りを探索したところで、分かったことが…いや、『思い出した』ことがある

この場所が裏路地であること

そして私達が働いていた事務所の近くであることだった

現に私の目の前にはとても懐かしい事務所があった

私は事務所の中へ入る


「………」


事務所内は埃舞っている上、窓も割れていた

何年使われていないのだろうか


………?


(何年…?正確には分からないけど…私がL社にいた年数は数年や数十年程度じゃないはず…)


考えれば考えるほど疑問が出てくる

埃を被り、ズタズタになった布の塊に腰を掛ける

……ハンスもL社の外へ出ているとすれば、時間は限られている


(……………ツヴァイ協会…!)


数百年前の記憶を辿り、今必要な情報がある場所…ツヴァイ協会を思い出した

なら、今すぐにでも向かうべきだろう


「待ってて、ハンス。」


私は足を運んだ






道など覚えている筈も無い為、思った以上に時間を掛けてしまった

それでも何とかツヴァイ協会へたどり着くことが出来た


私は事務所内へ入る



「……失礼します。」





「………誰ですか貴方。

ツヴァイ協会に用があるなら電話口でアポ取って下さい。」

「…ツヴァイ協会のフィクサーであってる?」

「……ツヴァイ協会南部6課、情報部のイサドラです。要件は?」


出て来たのはツヴァイ協会の制服を着こなす小柄な少女だった


「………元■■■■事務所のスミレ。

……L社について知りたいことがあるから来た。」

「………あ~………少し上の人を呼んできますね。」


やっぱりツヴァイ協会のフィクサーも変わってる…前のツヴァイ 南部6課の情報部の人は……



…誰だっけ)


そう考えていれば、二人の人影が近づいてくる


「……スミレ君…だったかな?

ツヴァイ南部6課、部長のウォルターだ。

取り敢えず中へ入りたまえ。」


同じくツヴァイ協会の制服を着こなす男性が出てきた

言われた通りに中へ入る




「…それで、元■■■■事務所のスミレ君…と言ったかな?

一体どういった要件でツヴァイ協会へ?」


…私は話せる限りを思い出しながら話した

■■■■事務所でハンスと共に働いていたこと

煙戦争に参加し、L社の創設者に脅されてL社に入社したこと

L社から逃げ出し、今はハンスを捜していること


その全てを伝えると、ウォルターは困惑した様子で


「………君は煙戦争に参加したのか?」

「?…はい。」

「私の記憶が正しければ、煙戦争はもう十年も前に終戦したはずだが…」

「……十年も前…?」


L社とL社の外で時間の進みが違うことはある程度察していたが…


「なら、L社は…」

「Lobotomy社ならばつい最近に倒産した。」

「倒産…!?」


そこからウォルターはL社について色々教えてくれた

L社から光が数日間放たれ続けたこと

その光の影響で『ねじれ』という現象が発生し、ツヴァイ協会も対応していること

その後L社は突如として撤廃され、事実上の倒産となったこと


「…そんな………」

「…これがツヴァイ協会の知り得る情報の全てだ。 」

「え、L社の社員については…」

「…ツヴァイ協会には知り得ないことだ。

…まぁ、君も元L社職員ならば働き手も無いだろう。…ツヴァイ協会はどうだ?普段は厳しい書類選考があるが、今は人手が──

…あっ!ちょっと待て!!」


スミレは背を向けてその場から逃げ出した


「……■■■■事務所のスミレ…… 」

「……部長、言われた通り数年分の事務所情報を纏めた書類持ってきましたけど…何に使うんですか。 」

「あぁ、ありがとうイサドラ君。



……■■■■事務所…


スミレ 依頼進行中に殉職。


ハンス 行方不明


■■■■事務所をハナ協会の決定の元廃業とする。


───●●●● ●●:●●」



「……あの子は一体何なのだろうか…」




この作品はいかがでしたか?

49

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚