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メリはやっと目を開いて、燐音を見つめながら困ったように言う。
「…………でも………………まだ始まったばっか………」
そして震える指でテレビを指さす。 その震える指先――その“まだ見たい”って気持ちと、“でも感じちゃって困ってる”っていう矛盾が入り混じった目。
燐音は、ほんの一瞬、見惚れた。
そのあと、にやり――と、悪戯っぽく笑って、
「……あァ、そっか。BluRay、まだ“1曲目”だったな?」
そう言いながら、ゆっくりとメリの隣に座り、肩を抱き寄せる。耳元で甘く囁く。
「じゃあさ――“観ながら”シよ?」
「……え?」
「お前が一番ゾクッとした曲流しながら、 俺が後ろから、妄想のとおりに、奥まで突いてやるから」
唇が耳をくすぐる。
「“映像の俺”見て、 “本物の俺”感じて―― イきな?」
そしてリモコンを手に取り、BluRayのタイムバーを少し進めて、“3曲目”へ。
「……さっき、お前が“投げキッスでイった”って言ってた瞬間、 一緒に迎えようぜ。今度は、ほんとの“俺”で」
「………え、うそ……」
構わず燐音はメリを後ろから羽交い締めにして、雑にパジャマの下だけを脱がす。
そして、ソファの上で、燐音の膝の上で、テレビか見える体勢でメリは抱かれた。
数分後、画面の中の燐音が投げキッスをしたとき、メリの身体がビクビクと震えてイった。
「………も…………燐音ぇ…………イったぁ…………」
メリが、痙攣しながら訴えたとき、燐音はやっと、腰の動きを止めた。そして、 ぐったりと震えるメリの身体を、そっと両腕で抱きとめる。
肩に額を預けながら、荒い息のまま、低く、優しく囁く。
「……なァ、メリ……今、映像と“本物”の俺……どっちでイった?」
息の混ざった声で、答えられる状態じゃないメリに向かって、微笑むように問いかける。
「……投げキッスした画面の俺? ……それとも、後ろから奥まで突いてた、今ここにいる俺?」
そう言いながら、震える背中をゆっくり撫でる。
「お前が一番感じるのは……どっちか、教えて?」
ぴとっと耳元に唇を寄せながら、 その震えが愛しくて愛しくて――今度は、優しさで包むように抱きしめる。
「………はぁ……はぁ…………それ……………答える必要………ある………?」
燐音は、息も絶え絶えに強がるメリを見て嬉しそうに笑う。
「……答えてくれたら、次はゆっくり抱いてやるよ」
メリは涙目で、まだ余韻でビクビクして、力なくソファに倒れる。 そしてぼそっと言った。
「…………耳元で…………イけ、っていうの………………ズルいって……」
燐音は、倒れ込むメリを見て、ふふっと息を漏らす。完全に満足げな、でも容赦のない“鬼の彼氏”の笑みだった。
「……あ〜あ♡ も〜〜うちょっとだったのになァ?」
「………なに、が……」
ソファに崩れたメリの隣にゆっくり腰を下ろして、 その涙目の顔を、優しく指で拭ってやる。
「俺っちさァ、メリのそういうトコ大好きなんだよなァ。 可愛くて、素直で、限界ギリギリなのに強がっちゃってさ……」
そのまま唇で額にチュッ。
「けどな? “答える必要ある?”とか言っちゃった時点で―― ゆっくりは、ナシ♡」
そう宣言すると、メリの耳にそっと囁く。
「“イけ”って言われてイった彼女は、 次、俺が“その言葉言わなくても勝手にイくまで”――
何回も突かれてもらうから、覚悟しろよ?」
メリはその言葉に目を見開く。
「え、やだ……むりむりむりむり……!」
でも燐音は、ゆっくり、ソファの上の彼女の身体を抱え上げた。
「ムリじゃねェよ♪ BluRay一時停止っと。 ……続きは、“今夜の記憶”に焼き付けようぜ、メリ」