テラーノベル
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「顔がニヤけてるな」
「うるさい。先生が僕にメッセージをくれたんだ。頑張るしかないだろ」
「水島(ライバル)追い出すのに頑張らなきゃだもんな?」
「それだけじゃない。折り紙のうまいだし巻き玉子の缶詰を、世界に広めたい。作っているのは工場だけれど、先生に監修してもらったから味は間違いないよ」
とりあえず試作品はうまくいった。というよりこの日に合わせて間に合わせたというのが大きい。もちろん商品開発というのは膨大な時間がかかるものだということはわかっているが、まずはやってみなきゃ始まらないからね。
「それにしても面白いことよく思いついたな」
「まあね。僕のアイディアは冴えていると思うよ」
「恋愛以外は完璧な御曹司様なのにな」
「だからひとこと余計だっての!」
先生が作ってもらったお弁当と写真をスマホで撮影しておいた。食べるのがもったいないくらいで、冷凍保存してコレクションしたいところだけれど、せっかく作ってくれたのだから食べなきゃね。
「うん、おいしい」
慣れ親しんだ折り紙の味。揚げ物、煮物、玉子焼き…どれも最高だ。
「料理のできる女性を嫁にすると、毎日うまい飯が食べられていいなあ」
「でしょ? 先生は誰にもあげないよ」
「盗ったら×されそうだ」
「うん、×すね」
笑顔で言うと、潤が苦笑いしていた。僕は本気だぞ?
「恐ろしいこと言うなよ。まだ死にたくねえし」
「先生にちょっかいかけたりしたら、どうなるか覚えておいてね」
「しないしない」
お箸を持ったまま、潤がぶんぶんと顔の前で手を振った。
「君が遊び人だってことはよくわかっているんだ。僕と違って経験も豊富だし、潤が本気を出したらって思うと怖くなる」
「俺をそんな目で見ていたのか? 大事な睦月の奥さんを寝取るような男にしないでくれよ」
ふっと笑うその余裕な男っぷりが気に入らないんだよっ。
僕にはそんな余裕ないし。
「睦月。俺は女性に対して来るもの拒まずなだけで、誰彼構わず手を出しているわけじゃないぞ」
「僕からすれば同じようなものだよ」
「ぜんぜん違うんだけど」
「潤の女性関係の話なんか、今、どうでもいいし」
「なんかいちいち突っかかってくるよな。そうか、俺のこと好きか?」
「どうしてそうなるの。意味わかんない」
雨鈴蓮花🫧ラムネ中毒者🫧
11
不毛なやり取りだ。早くお弁当食べてしまって、フジノへ行かなきゃ。
14時からプレゼンが始まるから、13時半にはあっちの会社へ着いておきたい。
「なあ、睦月。ちょっと調べたら、先物がまた下がってるぞ」
スマートフォンを弄っていた潤が渋い顔を僕に向けた。
コメント
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さぶれさん、第72話読ませていただきました! 睦月くんの先生への一途な想いがにじみ出ていて、ほっこりしました。特に「折り紙のうまいだし巻き玉子の缶詰を世界に広めたい」っていうアイデア、彼らしくて可愛いですね。潤くんとの軽妙な掛け合いもテンポ良くて、思わず笑顔に。二人の関係性がいい感じに熟れてきていて、読んでいて楽しかったです!先生にだけは本気な睦月くん、応援したくなります🌷