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ウルボside
僕は偶然出会ったけけさん、もかのすけさん、Mayさん、そしてヒナミィさんと一緒に行動することにした
こんな僕がいても足でまといになるだけと彼らに言ったけど…
人は多い方がいいでしょとの事
確かに僕一人では何も出来ない
逆に助かったのかも
とりあえず安全だと思われる屋上に着く
外の景色は怪しげな夜の景色が広がっていた「さて…とりあえず色々探索はしたものの……見つけたのはこの謎の御札だけ?」
持ち物を確認するけけさん
「そうだね……問題はこの御札何に使う物なのか調べる必要がある。とりあえずもかちが持ってて」
Mayさんがそう言ってもかのすけさんに御札を渡す
「調べるってなると…図書室とかに何かあるんじゃない?」
ヒナミィさんが提案する確かに唯一探索していなかったのが図書室だ
「じゃあ行こうか」
もかのすけさんがそう言うとけけさん、Mayさん、僕で行けば良いのでは?との提案をヒナミィさんからされる
ヒナミィさんは行かないとのこと
何度も理由を聞いても答えになってない回答が来る
こんなことをしても埒が明かないのでもかのすけさんとけけさん、僕で行くことにした
Mayさんとヒナミィさんは屋上で待機
そんなこんなで僕達は図書室に無事到着し化け物が来ないと信じて探索した
三人でそれぞれ探索し始める
本棚の上や椅子の下など周りを探索していると僕は倉庫のような場所を見つけた
中に入るとそこには奥に大量の段ボールが山積みになっており地面には様々な本がちらばっていた
そして大きな棚の上には美術品の肖像画などが飾られ、収納されていた
僕は順番に探索をする
額縁の裏、山積みになっている段ボールを探るしかしこれといったものは特になかった
「何もないかぁ……ん?」
床をふと見れば、他の本とは違い赤く染まっており目立つ本を見つける
「題名がない……どんな内容なんだろう」
ふと気になりページをめくる
そこに書かれていたのは
【都市伝説のミステリー】
僕は一度本を閉じる
心臓がバクバクとうるさくなった
本当にこういうものは苦手だけど今は少しでも情報を持って彼らの役に立ちたい
意を決してしばらく読んでいた
トイレの花子さんやこっくりさんなど
学校でよく見る者ばかりだ
そんな中聞いたこともない都市伝説が目に入るそのページには【ケロケロ様】と書かれていた
下に内容が書いてあるはずだが──破かれている
それもズタズタに
これではどんな都市伝説なのかはっきりできない
「ケロケロ様?そんな都市伝説あったっけ……」
他のページも目を通したがケロケロ様に関するものは記されていなかった
ページを中間までくるとパラりと御札のようなものを見つけポケットの中にしまう
本の一番後ろまでたどり着く
すると何かがドシャっと沢山の物が落ちていく音が後ろから聞こえてきた
「ひっっ…!な……なに?」
恐る恐る後ろを振り返る
山積みにされていた段ボールが崩れて大量の本が床に散らばっていただけだ
「なんだ……びっくりしたぁ…早くここから出て報告しに行かなきゃ」
そう思い僕は赤い本としおりを持って倉庫の部屋を開けようとしドアノブに手を取り回す「………あれ?」
“開かない”
その時、後ろからぐちゃりと何かが落ちた音が耳に入った
「……え?」
恐る恐る後ろを振り返る
そこには生首だけの男の子が首から血を大量に流していた
瞬間、僕は一切声が出なくなる
息が荒い
男の子の目がギョロっとこちらに目を合わせた
僕の意識は──そこで途切れた
もかのすけside
「けけさーん!そっちなんかあった?」
俺は少し離れた本棚を探索しているけけさんに聞いてみる
「いやー?特にないぞ」
情報は一切なし
これじゃあ来た意味がないな
そう思いながら長く時間を探索していたせいか疲れてきた
「ウルボくーん!そろそろ戻ろー」
俺はウルボくんを呼ぶ
しかし返事が返ってこない
どうしたのかと思いウルボくんが入った倉庫の扉を開ける
「ウルボくーん?……?!」
暗闇の中、顔を青ざめさせてその場に倒れているウルボくんを見つけた
「ウルボくん!!大丈夫?!」
俺はすぐに彼に駆け寄る
彼の近くには赤い本と俺たちが見つけた御札が落ちていた
とりあえずその二つを俺が持ち、けけさんにウルボくんを運ばせる
急いで屋上に戻る途中化け物と遭遇したが俺らは全力で走る
あとからけけさんに聞いた話だが、その時でもずっとうなされていて静かにお母さんと呟いていたらしい
悪夢を見ているのだろうか
屋上につくとウルボくんを壁に寄りかかるように寝かせた
「大丈夫かな……ウルボくん」
ヒナミィが心配そうに彼を見つめ、そういったするとウルボくんは苦しみだす
足をジタバタをさせ汗を流していた
みんなが慌てるそんな中、メイメイが彼の両肩を掴み彼の名前を大声で呼んだのだ
ウルボside
僕は人生がうまくいってないと思っている
何事にも挑戦して、何度も失敗して成功したとしてもほんの少しだけ
僕は一体何がしたいのだろうか
未だにわからない
何が特別で、何が一番幸せなのか
それは人それぞれ違うと思うけど僕にはそんなものはないと、小さいころからそういわれたから
大好きだとか愛しているだとかそんなの知ったこっちゃない
何もかも闇だらけで僕なんか居なくたってどうにでもなる
よく学校とかでグループ分けやらあるがそんなもの消えてしまえばいいなんて思う
僕がいたところで何も変わらない
他の人だけで充分だとそう言えるのだろう──いっそのこと、殺された方が楽なのかもしれない
誰にも見つけられず、静かに死にたい
水の泡になって消え去りたい
なにかに必死になってやり遂げる
そんなことがあったら何か変われたのかな
悪夢ばっかり見せてくる
今でも聞こえてくるのだ
あの言葉が
きもいだの邪魔者だの役立たずだの消えろだの居なくなれだの
──もう何も聞きたくない
僕は耳を両手で塞ぐ
〈あんたなんて産まなければよかった〉
母から口癖のように言われたあの言葉が頭によぎる
嗚呼、なんでこんなにも僕は残酷な人間なのだろうか
涙が零れそうになる
僕はただ一人になるのが怖いんだ
誰に頼ろうたって誰も助けてくれないから必死に努力した
勉強もスポーツも──
お母さんとお父さんに褒めて貰えると思ってた好奇心を抱きながら家に帰る
けどそんな期待は叶わなかった
親はいつも喧嘩する
毎回不倫の話で揉めているのだ
またかと思いながら僕は引き出しの中に満点のテストの紙をしまう
そのたびに涙が零れ落ちた
大声では泣かず、布団の中でうずくまり、静かにする
慰められた事もなければ褒められた事もない
みんなは楽しそうに親について喋るところを聞く
そんなお母さんとお父さんがよかった
そう言いそうになる
小さい頃の僕は当時の親が大好きだった
最初のころは家族みんなで遊園地に行ったり、キャンプしたりと楽しかった
そんな幸せな時間をこのまま止めてくれたらどんだけ幸せなのだろう
もうわからない──何もかも
愛する家族なんて、大切な友達なんて僕には居ない
僕をちゃんと見てくれる人なんているはずがないから
だからここに逃げてきた
それでも僕はずっと悪夢を見ている
こんなゲームに巻き込まれるなんてどんだけ運が悪いのだろう
心臓が締め付けられそうな痛み
息が続かない
悪夢ばっかり見せないで……
たまには──誰かに愛されたい
誰かに見てもらいたい
誰かに褒めて欲しい
こんな僕にも、幸せな夢を見させて
この暗闇から出させて
「……ボル…んっ!…ウルボくん!!!」
誰かが僕を呼ぶ声が聞こえ、僕はハッとして目をぱっちりと開けた
暗闇だったはずの景色が一気に明るくなる
僕の体は壁に背中を寄りかかり座り込んでいた目の前には僕の両肩を掴んでゆさゆさと揺らし、焦っていたMayさんの姿があった
僕達はいつの間にか図書室から抜け出し、屋上に戻ってきていたのだ
Mayさんは僕がはっきりとしたことに気づくと安心した様子だった
「よかった……ウルボくん。大丈夫?」「は……はい。僕はもう大丈夫ですよ…」
少し息を切らしているけど問題はないと思いMayさんに言う
話を聞けば、二人が探索を終えて僕を呼んだらしいが一向に返事がなく様子を見に行く部屋の中に入ると僕が倒れていたらしくずっとうなされていたらしい
「本当に焦ったよ……けど無事で何よりだ」
けけさんは笑顔でそういった
もかのすけさんやヒナミィさんも心配そうに僕のことを見ていた
「あ…!そうだ。本…!」
図書室で見つけた都市伝説が書かれている本と御札のことを思い出し焦る
するともかのすけさんが僕の目線に合わせるようしゃがみ、手元に一冊の本と御札を持たせていた
「大丈夫。俺らのほうで回収したから」
「そうでしたか……ありがとうございます」
僕は少し俯くけけさんたちのおかげで戻ることはできた
──やっぱり何も出来ない役立たずだとまた言われるのかな
「本当に大丈夫か?どこも痛くない?」
心配そうにもかのすけさんがこちらを見る
他のみなさんも心配そうに見つめていた
不思議に思った
なぜそこまで心配をしてくれているのだろう
僕は呆然としていた
「あれ?ウルボくん?」
けけさんが僕に声をかけ、顔を覗き込む
「え…えっと、大丈夫ですもう落ち着きましたから」
僕は笑顔でそういった
そのあと、この後どうしようかと向こうで話していった
僕はまだ休んでほしいとみんなから言われたのでそのまま夜の景色を眺める
いつこの地獄が終わるのだろうか
そんな不安を抱きながら光り輝く満月を眺めた「ウルボくん。そんな顔してどうしたの?」「あ…もかのすけさん……」
もかのすけさんは僕の隣に座る
「聞いてもいい分からないけど……何か嫌な夢でも見たの?」
話を聞くと私がうなされているとき、お母さんと呟いていたのを気にかけていたらしい
「……少し昔の夢を見ていました」
僕はボソッと言う
〈あんたなんて産まなければよかった〉
また浮かんでくる母の言葉
心が締め付けられるような感覚が襲う
「僕は何もできなかった。ただの邪魔なお荷物ですから……」
──僕は何を言っているのだろう
自分でも意味が分からなかった
「どうしてそう思ったの?」
どうして?
考えてもよくわからなかった
その場に合わせて空気を読み表情や言葉を変える
まるでピエロのようにして本性を隠していた
それでもいつしか報われるのだと
ずっと願っていたけどやっぱり何もできないのが僕なんだ
「ウルボくんは自分のことどう思ってる?」「………わかりません。僕自身何がしたいのか……」
僕は失笑するだけ
「……そっか」
「僕のいる意味はどこにあるのか。誰かに必要とされたかったと何度も思っていました」
どれだけ努力してもどんだけ心を傷つけられても我慢した
それでも誰にも届かないのが現実だ
「……ウルボくんはよくやったよ」
もかのすけさんはそう言って僕の頭を撫でてくれた
「過去に何があったかは知らないけど、少なくとも俺たちの中ではウルボくんが必要だ。
怖いのが苦手な君だけど、それでも頑張ってくれてた。俺も負けてられないと思ったし。だから…もしひとりじゃ何も出来ない状況にあったら必ず俺たちを頼りな」
──君はひとりじゃないそう言いながら僕の肩を軽く叩く
「………ありがとうございます」
僕はまた俯くこんなことを言われたのは初めてだ
嬉しかったそんな中、ぐちゃぐちゃと嫌な音がする
もかのすけさんがその音に気がつくと僕の耳元でヒソッと言った
「絶対に音を立てないで。声も出さないこと」
「はっ……はい…」
そう言われ僕は扉から離れて端っこに座り込むもかのすけさんはヒナミィさん達のところへ急ぐ
まだ体力が回復してないからか体が重い
けど何故音を立てちゃ行けないんだろう
そう思った次の瞬間、屋上の扉が吹き飛ばされる大きな音が耳に響き渡り、耳鳴りがした
次の光景を目にすると僕はもかのすけさんが言ったことをすぐ理解できた
化け物が音に気づいて食べてしまうのだから
僕は自分の口を自ら手で抑える
少しの音でも出したら全てが終わってしまう
緊張感が走る心臓がバクバクとうるさい
早く逃げなきゃ
ドロドロとした物がズリズリと引きずりながら体を移動させていた化け物を僕は初めて見る
そして漂う鉄の匂い血だもう何人も食べたのだろう考えるだけでゾッとするしかし化け物は僕の横を通り過ぎて行った
“絶対に音を立てないで。声も出さないこと”
もかのすけさんの言葉が頭によぎる
音を出せば化け物が勘づいて追いかけてきて来るから忠告してくれたのだろう
息を殺し、気配を消すバクバクと心臓がうるさいが今はそんなこと関係ない
早くここから出なければ
みんなで逃げなきゃでもどうやって?
屋上は柵以外何も無いあるとすれば僕の場所より遠くにある
投げれるものすら無いというのにどうすれば考えていた
その時、ふと壊れてしまい床に倒れている扉を見る
ここは本当の世界では無いく仮想現実の世界だということを思い出した
これなら─────
May side
化け物は真っ直ぐこっちに歩み寄ってくる
鉄の匂いが強く、息が出来なくなりそうだ
ズリズリと引きずりながら移動する
化け物の後は赤く血のような液体が流れていた
もう既に何人もの犠牲者が出たのだろう
けけさんはヒナミィの口を手で抑えていた
声を出そうとしていたのを防いだのだ
すぐに声を出そうとするからひとまず安心したもかちがこっちこっちと合図を送ってくる
俺たちは静かに移動していたそして扉に向かっていた最中
「んー!!……ぷはっ!けけくんなにし…むぐ!」
ヒナミィの声が聞こえた
その音を聞き化け物はこちらに目をギョロっと向ける
けけさんが再度ヒナミィの口を抑えて黙らせる──がその必要は無かった
もう既に化け物の触手がこちらに勢いよく伸びてきていたのだから
これで死ぬのだとみんなが察する急いで走る
間に合わない──そんな時だった
「どいてくださぁぁぁぁいっっ!!!」
ウルボくんの大きな声が聞こえた
小さく屈んで先程壊れて落ちていた扉を両手で持ち上げ、化け物に向かって走ってくる
俺たちは咄嗟に避けた
ウルボくんは化け物の前まで来ると扉を大きく振りかぶり、そのまま上から振り下ろす
ぐしゃりと化け物の体は床に打ち付けられ、ピクピクとして動かない
「はぁ…はぁ…」
ウルボくんは疲れたのか息を切らす
「今のうちに逃げよ!!」
ヒナミィがそういう彼女は先に屋上の出入口に着いていた
みんなで屋上から離れ体育館に足を運んだヒナミィに強く言いたかったが目の前の光景に目を背くことが出来ない
そこには少女の幽霊が真ん中に立ち尽くしていた
少女はボソボソと泣きながら何かを呟いている
《おにいちゃんどこ?》
そう何度も何度も繰り返して
《かえりたい……おにいちゃんと…おうちに……》
何処と無く悲しそうだった
するとウルボくんは少女に近く怖いのが苦手な彼だったはずなのに今の彼は何か違う気がする彼は少女の目線似合うようにしゃがんだ
「……お兄さんに会いたい?」
そう聞くと少女はコクコクと小さく頷いた
そしてウルボくんはこう聞く
「…例えどんな姿になってても………?」
彼の言葉を聞いて、俺は一瞬理解が出来なかった
けど彼の言っているお兄さんは────
“あの化け物の事だろう”
赤い本には都市伝説の内容が書かれている
しかしとあるページを見れば微かに文字が書かれていた
その文字はとても幼く所々読めなかったが──
【おに……んを、た…け…ほうほう】
この少女は何がしたいのか分からない
確実に言えることはお兄さんと帰りたいということだけ
俺らはどうすればいいのか困惑しつつ少女に近づいた
「ハナ………レロ”」
低く、ドロドロとした音が後ろから聞こえた
振り返るとそこには先程の化け物が入口を塞いでいたのだ
「やばいぞ!これじゃあ逃げ道が……」
けけさんがそう一言発した次の瞬間、無数の触手が俺らに一直線に伸びてくる
それも物凄い速さで向かって───
「──ッ!」
ウルボくんが俺らを庇うように両手を広げ前に出る俺はその場から動けず、ただ見ているだけだった
ウルボside《かえりたい……おにいちゃんと…おうちに……》
少女は悲しそうに言っていた本当の家族というのはこういうものを言うのだろうか──
しかし今はそんなことを考えないようにしようそして何故かあの化け物と雰囲気が似ているような気がした
寂しく、どこに居るのかも分からない自分の大切な妹を探そうとする化け物等しく、会いたい人と会えずここが何処なのかも分からない場所で泣いている少女
もしかしたらこの子達は兄弟でどちらもお互いを探しているのでは無いのかと僕は考える
家族の愛というのを僕は知らない
それでもあの化け物と会いたいのなら力を貸す他ないと──
“例えどんな姿になっても会いたいのか?”
僕がそう聞くと少女は小さくうんと応えた羨ましいふと思った次の瞬間化け物が入口を塞ぎ何かを伝えようとしているが僕には聞こえなかったけどこちらに敵意を向けているのはハッキリと分かる
そして触手が一直線に伸びてきた
───僕は怖がりだ暗いところにいるもの、誰かと話すことも、1人で何かを成し遂げようとすることも全てが怖い愛されようと頑張っても何も得られない
けど────この世界でなら強く慣れる気がしたんだ
僕は何も出来ないかもしれない
出来損ない、役に立たないのかもしれない
そしていつの間にか僕は彼らを庇うように前に出た強く目を瞑る死ぬ覚悟を持って…
「ウルボくん!」
Mayさんの声で僕はハッとする
目の前を見れば、Mayさんが御札を片手で持ち前に突き出していた
無数の触手は御札の前でカタカタと震わせながら止まっている
「え……」
僕は言葉が出なかった
化け物の触手は御札に吸い込まれて行く全てを吸い込むと御札は黒く染まり化け物は居なくなった
それと同時にもうひとつの御札が光だし少女を包み込んだ
彼女はニコッと笑ってありがとうと一言言ったあと御札に吸い込まれて行った
そしてふたつの御札は地面に落ち、灰になる
「……っ…はぁぁぁ…びっくりしたァァ……」
Mayさんはどっと疲れたのかその場に座り込む
「もう!!!ウルボくん毎回ヒヤヒヤさせないでっっ!」
もかのすけさんが怒りながら僕に言ってくる
「へ?!ご……ごめんなさいぃぃ!」
僕は涙目になりながら言った
正直物凄く怖かったけど安堵があまりにも大きかったのか僕もその場に座り込む
「まぁまぁ……とりあえず生き残れたしこれでよしとしないか?」
けけさんがもかのすけさんの肩をポンと軽く叩く
「みんな無事で良かったよぉ…」
「ヒナミィは何もしてないじゃん……」
ヒナミィさんが言ったことをすぐにMayさんが返す
確かにヒナミィさんは何もしてない
その後僕以外の4人は口論していたが僕はそれを見てて正直笑ってしまった
本当に仲良しなんだなと改めて思う
『プレイヤーの皆様。おめでとうございます。ゲームクリアです』
突然黒さんのアナウンスが響き渡る
『他の皆様がお待ちしております。けけ様、もかのすけ様、ヒナミィ様、May様、そしてウルボ様。次のエリアの準備がございますので目の前の扉からお入りください』
そう言われると床からズズズと木製の扉が出てくる
けけさんが扉を開くとそこには生き残った人達がそれぞれ話し合っていた
いわゆるフリータイムと言えばいいだろうか
『パンパカパーン!!みんなお疲れ様〜!』
ゲームマスターさんの元気な声が響き渡る
そして次のゲームが始まるのだった