『 おい 、糞青鯖 ! 』
いきなり病室のドアが勢い良く開く。
「 …、えぇっと? 」
少年は驚いた様子で、
病室のドアの方へ視線を向ける。
「 げっ、チビ中也じゃないかい… 」
男はドアを開けた少し背の小さい男を、
” 中也 “と読んだ。
その男は『チビ』と云う言葉がどうも
引っかかるらしく、しばらく長身の男に
唾を吐きかけるような暴言を連呼していた。
「 敦ィ、大丈夫か? 」
一間置いてからその男は少年へ声を掛けた。
少年は勿論その男を知らないが、
心のどこかで安心し、
「 ええ、大丈夫ですよ。 」
と、くすっと笑う様に少年は答えた。
長身の男はその言動に吃驚したのか、
目を見開いて、
「 えぇ ?!
蛞蝓の事は覚えているのかい?!! 」
と、病室にらしからぬ大声を出した。
「 あ、違うんです 違うんです ! 」
手を前に出し、必死に振らしては
誤解を解こうとする少年。
「 な …、
何故かこの方とだと安心して。 」
照れ臭そうに笑う少年を前に、
喜び崩れる”中也”
屈辱とその顔の尊さで感情が
ぐちゃぐちゃになる”太宰”
なんでぇ、だなんて阿呆顔を晒しながら、
少年____、”敦”は記憶喪失から
1日目を過ごした。
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝ ♡250
コメント
1件
更新遅くなり すいません ... 泣 また 遅くなるかも しれません🙏🏻 気長に待ってて 下さい ... ✍🏻