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星導は目を覚さない。倒れてから一週間くらいが経った。その間に佐伯に説明した。
あの日星導は守ってくれていたのに、それを伝えようとしていたのに聞く耳を持たずアジトを追い出したこと。体調不良ではなく、おれらが勝手に任務に参加しないように手をまわしたこと。連絡を全て無視していたこと。
佐伯は泣きながら謝った。僕があのときちゃんと受け身をとって怪我せずにいたらみんなも冷静にるべくんと話せたかもしれないのに、ごめん弱くてごめん。ごめんね。
みんなはいやおれらが悪いんだ。佐伯は悪くない。みんな自分を責めた。
二週間後
交代で見舞いにきていた佐伯は静かだった病室で声を聞いた。
「死ねなかったんだ、おれ」
佐伯は顔をあげた。すると目の前の星導は目を細く開け口を開いていた。
🤝「るべくん!!よかった、、起きて」
と泣きながらみんなに連絡してから、スマホを握った手の力が抜ける。今、るべくんはなんて言った…?限界で倒れたんじゃないの?死のうとしてたってこと…?
🤝「るべくん…死にたかったの?」
🐙「あ…まぁ、そうだね。みんなに嫌われちゃったのに生きてるの意味がないしね、医療班にどうやって連絡とるかも最初は考えてたけど、そのままにしておけば死ねるし諦めたんだよね」
🤝「みんなるべくんのこと大好きだよ、ただすれ違っちゃっただけで」
星導は諦めた様な顔で笑い、
🐙「でもね、すれ違えば嫌うこともあるし、信用を失えばもう簡単に今までどおりの関係には戻れないんだよ。そう、だから諦めたんだ。みんなのことも、自分のことも」
ゆっくり穏やかに話するべくんはもう生きるのがどうでもよくなったみたいで涙がもっと溢れてきた。
🐙「ごめんね、泣かないで…死ねなくてごめんね」
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佐伯から連絡がきてみんなで急いで駆けつけた。
部屋に入ろうとすると話し声が聞こえた。
「……そのままにしておけば死ねるし諦めたんだよね」
久しぶりに聞いた星導の声から死にたかったとしか思えないような言葉が聞こえる。みんなは部屋に入れずその場に立ち尽くす。おれらがそんな状況にまで追い詰めてしまった。このまま俺たちは入ってしまっていいのだろうか、そんなことを考えていると1人が動いた。
🦒「るべ、久しぶり」
びくっとして星導は宇佐美の顔を見る。
🐙「ひ、久しぶり…」
🦒「るべはあの襲撃の時毒を打つ敵が見えていたのか?」
🐙「うん…リトも見えてるものだと思ってた」
🦒「おれは別に見えてたわけじゃないんだけどきりんちゃんからの指示が多かったから多分それで避けれていたのかもな」
🐙「そうだったんだ…」
🐙「ご、ごめんね、中途半端に死にきれなくて、嫌いなのにお見舞い来させちゃってごめんね元仲間だからって、リトは優しいもんね」
宇佐美はばつが悪そうな、そして少し怒った顔で
🦒「おれはるべのことが嫌いって言ったか?」
🐙「言ってはないけど、でも嫌いになったのは分かるよ」
🦒「いーや分かってないね、おれはずっとるべが好きだよ。記憶を失ったときも、失う前のように友達になれて嬉しかったし、またおれを忘れても、生まれ変わってもおれはるべの友達になりに行く。」
そして、リトはベットに腰をかけ、ゆっくり星導の体を自分に寄せて抱きしめた。
🦒「不安にさせてごめん。1人にさせてごめん。ちゃんと話を聞かなくてごめん。諦めさせてごめん。そして、これからはずっとおれが側にいるからごめんね。ずっと離してやらないから」
うっうぅっ…と宇佐美の肩を濡らしながら幼い子供のように泣き出した。
🐙「うぁっっうっ、うぇ、怖かった、怖かった、みんなに嫌われるのが怖かった、おれは、まだ生きてていいのっ、?」
🦒「生きてくれなきゃ困る」
佐伯も泣きながら抱きついてきた。
🤝「僕もるべくんのこと大好きだよ、いなくなったらやだよっ」
佐伯の声を聞きながら廊下にいた5人が入ってきた。
💡「るべ…ほんとにごめん、守ってくれてありがとう、話聞かなくてごめんっっ」
🥷「ほしるえ…ほしるえがいなくなっちゃ、たと思った…僕のせいで…ごえん、ごめん、ごべん」
🤣「生きてて良かった…ごめんね、るべのことを嫌いになることは絶対あらへん、守ってくれてたのに信じられへんくてごめん」
🦖「るべしょーごめん、、大好きだよ、絶対嫌いにならないし生きてて良かった…」
👻「またお前を失うのかと思って生きた心地がしなかった。おれは…ずっとお前が好きだしお前が死んだらおれは後悔してもしきれない。ほんとうにすまなかった。」
何も言えないでいる星導に宇佐美が声をかける
🦒「ほら、るべは絶対に嫌われることはないし、みんなに愛されてるんだよ。るべが死んだらみんな泣いちゃうよ?るべはみんなを泣かせたいの?」
宇佐美の肩に顔を埋めたまま顔を振る。
🦒「んじゃ、もう死ぬなんて言っちゃだめだな。はやく元気になってみんなを説教しよっか、あとるべはオトモには謝んないとね、大好きな主人を見捨てる様な指示を出したんだから」
るべは弱く頷き、そのまますーすーと息を立てて宇佐美の腕の中で眠ってしまった。佐伯は静かになった星導を見て、えっ大丈夫?ちゃんと起きる?とあわあわしてして寝息を立てているのを聞いて安心して座った。
星導は完治した。みんなはこれまで以上に星導と一緒にいるようになって、嫌われているのかもなんて思わなくなった。
みんなは星導に守ってもらったこと、自分たちが追い詰めてしまったことを忘れずにより星導を大切にした。
部屋にひとりで倒れている星導をもう二度と見たくないから。
だいぶ長くなりましたが、ここまで読んでくれた方ありがとうございました。これ以上は思いつかないので今のところ終わります。もし何か案があればコメントで教えてください☺️
コメント
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素敵なストーリーをありがとうございます😭✨引き込まれてあっという間に完読してしまいました✨